シリア・アラブ共和国

シリア及び地域の将来の支援に関する第2回ブリュッセル会合

平成30年4月25日

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 4月25日(水曜日)(現地時間),ベルギーのブリュッセルにおいて,EU及び国連による共催で「シリア及び地域の将来の支援に関する第2回ブリュッセル会合(Supporting the future of Syria and the region, Brussels II Conference, 2018)」が開催され,我が国からは河野外務大臣が出席したところ,会合の概要は以下のとおり。

1 会合の経緯

 本件会合は,危機発生から8年目に入ったシリアにおいて政治的・軍事的緊張が高まり,引き続き市民に甚大な被害が及ぶ中,(1)国連主導でのシリア危機の政治的解決に向けた国際社会の支援を再確認し,(2)円滑な国際人道支援の実施に向けた環境改善のための方策について協議し,(3)国際社会による継続的な支援を確保することを目的として開催された。なお,本件会合は,2013年~2015年のクウェートでの支援会合,2016年のロンドン会合,昨年の「シリア及び地域の将来の支援に関するブリュッセル会合」(第1回ブリュッセル会合)に続いて行われた6度目の支援会合となる。

2 会合の概要

(1)本件会合には,86の国・機関の代表や市民社会・人道開発団体が出席。首脳級では,ハリーリ・レバノン首相,アクダー・トルコ副首相等が出席し,ドイツ,ハンガリー,ノルウェー,ヨルダン,サウジアラビア,イラク,カタール,イラン等が閣僚級を派遣。国際・地域機関から,デ・ミストゥーラ国連シリア担当特使,ローコック国連人道問題担当事務次長,モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表等が出席。米国からは国務次官補,ロシアからはEU常駐代表が出席(参加国・機関の代表団リスト)(PDF)別ウィンドウで開く

(2)会合では,昨年の第1回ブリュッセル会合において各国から表明されたシリア及び地域の将来のための支援の履行状況が確認され,本年又は複数年にわたる支援を含めた新たな支援表明が行われた。最終的なプレッジ総額は,約78億ドル(2018年約44億ドル,2019年~2020年約34億ドル)となった。これ以外にも,国際金融機関やドナーから21億ドルの借款供与が表明された。

(3)河野外務大臣は,スピーチの中で,東グータ地区において化学兵器が使用されたとの情報に接したことに触れ,化学兵器の使用を強く非難し,使用者を特定するための国際的なメカニズム設置の必要性を強調しつつ,2018年に日本は,ISILから解放されたラッカを含むシリア国内や周辺国に対する支援も含め,約2.2億ドルの人道支援を実施し,2011年のシリア危機発生以降,日本のシリア及び周辺国に対する支援が22億ドル以上に達した旨述べた。また,前日の4月24日,シリア及び周辺国に対し新たに約1,400万ドルの支援の実施を決定したこと,その中には,急激に悪化する東グータ地区を含むシリアへの支援,ヨルダン及びレバノンの難民に対する保健,食料等の分野への支援,厳しい財政状況に直面するUNRWAへの支援等が含まれることを述べた。さらに,昨年8月の外相就任以来,対中東外交を日本外交の柱の一つに位置づけており,全てのシリア人が明日への希望を育めるよう,日本としても引き続き,人道面・政治面で責任ある役割を果たしていくことを強調するとともに,避難民及び難民への支援のための資金をどう確保するかという観点から,国際的な税を含めた新しいメカニズムが必要になる可能性を提起し,出席した関係国や国際機関から高く評価された(河野大臣のスピーチ(日本語(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く)。なお,我が国は,2018年の新規支援額としては,ドイツ(10.2億ドル),EU(6.91億ドル),英国(6.34億ドル),カナダ(3.13億ドル),ノルウェー(2.87億ドル)に次いで第6位であった(各国・機関のプレッジ額)(PDF)別ウィンドウで開く

3 会合の評価

(1)今回の会合では,出席したほとんどの国・機関の代表が4月7日にシリアの東グータ地区(ドゥーマ)における化学兵器使用の問題に言及し,いかなる理由によっても化学兵器の使用は許されない旨強調した。

(2)また,改めて,国連安保理決議第2254号を始めとする関連安保理決議及びジュネーブ・コミュニケに基づくシリア危機の政治的解決,具体的には国連が仲介するジュネーブでのシリア人対話の重要性が強調され,同対話への支援が表明された。

(3)また,多くの会合出席者から,シリア難民の受入れが引き続き大きな負担となっているシリア周辺国への継続的な支援の必要性が指摘された他,シリア国内については全土における安全で持続的かつ阻害されない人道支援アクセスの必要性が改めて強調された。

4 その他

 河野大臣は,本件会合の機会を利用し,ハリーリ・レバノン首相,サファディ・ヨルダン外相,ザリーフ・イラン外相,モゲリーニEU上級代表及びマルムストローム欧州委員(貿易担当)と中東・東アジア情勢を中心に有意義な意見交換を行った。また,リナス・リンケビチュウス・リトアニア外相他とも立ち話を行った。


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