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外務大臣演説
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中曽根外務大臣演説
第171回国会における中曽根外務大臣の外交演説
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平成21年1月28日
(テロ・海賊対策など)
テロリズムは自由で開かれた社会に対する挑戦であり、テロリズムの撲滅は我が国自身の国益です。インドのムンバイにおける連続テロ事件では、日本人を含め多くの方々が犠牲になりました。改めて犠牲者の皆様に心から哀悼の意を表します。
我が国は、テロ対策としてインド洋における補給支援活動を行っているほか、アフガニスタンが再びテロの温床にならないよう、同国において、治安面や経済復興において、医療や教育をはじめ幅広い支援を実施してきています。アフガニスタンの地方復興チームへの文民派遣などを含め、支援の取組を一層強化していきます。さらに、テロとの闘いの前線国家であるパキスタンにおけるテロ撲滅や経済安定化への同国政府の取組を支援してまいります。
海洋国家であり、貿易国家でもある我が国にとって、航行の安全や海上の安全確保は国家の存立と繁栄に直結する極めて重要な問題です。現在、海上交通路において、海賊行為が多発・急増していることは大変懸念すべき事態です。航行の安全確保や、何よりも、日本国民の生命及び財産の保護の観点から、海賊対策は正に火急の課題であり、新たな法整備の検討を進めるとともに、できることから早急に措置を講じてまいります。
(国際平和協力)
国際社会の平和と安定があってこそ我が国の国益も実現されるとの思いから、国連平和維持活動(PKO)をはじめとする国際的な平和活動を一層拡充する考えです。
今後2年間、国連安全保障理事会の一員として、積極的かつ建設的な役割を果たしてまいります。同時に、国連がより効果的にその任務を果たすためにも、我が国の常任理事国入りを含む安保理改革の早期実現を目指し、本年2月に開始される政府間交渉に臨む決意です。
(政府開発援助)
重要な外交手段である政府開発援助(ODA)を積極的に活用し、途上国の人づくり、国づくりを支援するとともに、地球的規模の課題の解決に貢献することは、我が国自身の国益に叶うものです。我が国として戦略的な国際協力の実施に一層努めてまいります。
第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)や北海道洞爺湖サミットで約束した支援策を着実に実施していきます。人間の安全保障の理念に基づき、アフリカ諸国をはじめとする開発途上国に対し、貧困削減、教育、保健、水・衛生などの分野で支援し、ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けても貢献してまいります。同時に、平和の定着、民主化・良い統治の実現に加え、市場経済化、法制度整備、貿易・投資環境整備など、途上国の経済成長の加速化と我が国との経済交流に役立つ支援にもODAを積極的に活用していくこととしています。
非政府組織(NGO)や民間経済界とも連携を強化し、ODAの効果的・効率的な実施と、質の一層の改善を進め、援助効果の更なる向上に努めます。
(対外発信及び交流の強化)
以上のような日本外交の基本方針について諸外国の理解と信頼を増進させることは、外交政策の円滑な推進にも資するものです。このため、我が国の外交方針を力強く対外発信します。また、伝統文化からポップカルチャーまで我が国の文化の魅力を戦略的に発信するとともに、日本語の普及、知的交流の促進に取り組んでまいります。2016年東京五輪の開催実現に向けた招致活動を積極的に支援していくほか、スポーツ分野での交流も一層促進していく考えです。
(外交実施体制)
最後に、外交実施体制について一言申し上げます。山積する外交課題に迅速に対処し、また、海外における日本人の生命・財産を適切に保護するためにも、需要に見合った形での人員、組織及び情報収集・管理体制などの強化が不可欠であります。国民の皆様の御理解を得ながら、外交基盤を充実させ、我が国の外交力を一層強化してまいります。
(むすび)
私は、外務大臣就任前から現在に至るまで、数多くの国を訪問し、それぞれの国の国民に接してきました。そこで共通して感じたことは、国の大小を問わず、いずれの国においても、人々が自分の国を愛し自分の国に誇りを持っているということです。我が国の憲法においても、「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」と謳われているように、他国から信頼され尊敬されるとともに、国民が自国に誇りを持てる国づくりをすることが重要であると考えます。
冒頭でも述べましたように、外交の目的は、我が国の国益、すなわち我が国の安全と繁栄及び我が国国民の生命・財産の確保、さらに、国家の名誉や威信を守ることであり、国民が自国に誇りを持てるようにすることでもあると信じます。
日本は、科学技術の力、人的資源、幾多の困難を乗り越えた実績、いずれをとっても世界に誇れるものを持っています。国際社会が山積する困難を抱えている今、我が国が積極的・主体的な外交を展開し、国際社会の中で活躍することは、国民が自信や誇りを得ることにつながるものと確信します。外交は、党利・党略を超え、与野党が一致して取り組むべきものと考えます。国民の皆様と党派を超えた議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
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