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イラク問題
川口大臣は、イラクの復興に国連が一層積極的に関与していくことが重要であり、日本として国連の取組を強く支援していくことを述べ、総額5億ドル(注)の拠出を行うことを表明した。また、イラクの人道復興支援のため日本が自衛隊派遣等できる限りの協力を行っていることを説明した。アナン事務総長は、自衛隊派遣を含む日本のイラク支援について感謝すると共に、イラク復興には国際社会が連帯して支援することが重要であると述べた。
(注)信託基金に平成15年度予算で4.5億ドル(内訳:国連管理部分に3.6億ドル、世銀管理部分に0.9億ドル)、平成16年度予算承認後、0.4億ドルを信託基金の世銀管理部分に、0.1億ドルを国際金融公社に拠出
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北朝鮮問題
川口大臣は、北朝鮮問題を平和的・外交的な手段で解決し、特に核開発計画について、完全で検証可能かつ不可逆的な形での廃棄に向けて交渉する我が国の立場を伝達した。アナン事務総長は、北朝鮮問題が外交的・政治的に解決されることを希望すること、国連として3月後半にもストロング特別顧問を訪朝させると表明した。また、拉致問題が日本国民にとって極めて重要であり、国全体が苦しんでいることを理解したと述べた。
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国連改革
川口大臣は、日本が提唱している2005年の国連改革に関する首脳会合の開催について事務総長のサポートが欲しいこと、国連予算の増加傾向に懸念を表明し、予算の透明性、効率性、有効性の向上、更なる経費削減について事務総長のリーダーシップを求めた。また、事務局内の邦人職員数が低いことに事務総長の配慮を要請した。さらに、旧敵国条項が依然として削除されないことに国内に大きな不満があることを伝達した。アナン事務総長は、日本の国連改革に関する有識者懇談会の報告書を早急にハイレベル委員会にインプットして欲しいと述べると共に、旧敵国条項に関する日本の考え方は理解していると述べた。国連予算については、効率性を高めるために更に努力すると述べた。また、貧困対策、飢餓対策等の国連の諸機関の活動は、日本の任意拠出金で支えられており、日本の今後の支援を要請した。
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日本のイニシアティブ
その他、川口大臣は、平和の定着、人間の安全保障、アフリカ問題(TICADプロセス)、環境、国連防災会議、エイズ等の問題への日本の取組を説明した。アナン事務総長は、日本の積極的なイニシアティブに感謝すると述べ、日本と国連の協力関係を一層強化していくことで意見が一致した。
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