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日本からの訪日招請を受け、アフガニスタン復興支援国際会議開催1周年のタイミングでカルザイ大統領が訪日した。同大統領は、日本を含む国際社会からのこれまでの支援に対する謝意を表明するとともに、継続的な支援の必要性を訴えかけた。これに対して、小泉総理大臣、川口外務大臣よりは、イラク問題の緊迫化といった国際情勢の変化に拘わらず日本はアフガニスタン「平和の定着」のために積極的関与を続ける旨言明した。国際社会のアフガニスタン支援のモメンタム維持に向けて、同大統領の訪問は、極めて時宜を得たものであったと言える。
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カルザイ大統領を首班とする移行政権にとって、元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)は2003年の最重要課題の一つである。日本は同分野での支援主導国として国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)とともに協議してきたプログラムに対して3500万ドルの資金拠出を行うこととし、更なる具体的協力の推進のため現地にDDRユニットを立ち上げる旨、川口大臣よりカルザイ大統領に伝達した。22日には、日本が主催したアフガニスタン「平和の定着」東京会議において同大統領より、和平実現への強い決意と明確な方針を表明する基調演説がなされた。アフガニスタンにおける元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)推進において同大統領訪日は大きな契機となったと言える。
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上記に加えて、バス供与、小児感染症予防計画等の分野での支援を川口外務大臣よりカルザイ大統領へ伝達し、謝意が表明された。日本は、アフガニスタン復興支援国際会議(東京会議)において向こう2年半で最大5億ドルまで、最初の1年間で最大2億5000万ドルまでの支援を表明しているが、今次支援により、これまでに約3億5800万ドルの復旧・復興支援を実施・決定したこととなる。また2001年9月の同時多発テロ事件以降の人道支援を合わせた支援額は約4億5000万ドルとなった。同支援額は米(約5億5000万ドル)に次ぎ国際社会第2位。
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カルザイ大統領訪日は、2002月2月の在アフガニスタン日本大使館開設、5月の川口外務大臣アフガニスタン訪問、10月のアブドラ外相訪日、12月の在京アフガニスタン大使館再開と続く一連の二国間関係強化に資するもの。今後とも、更なる二国間関係強化が期待される。
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