日比首脳会談
(概要)
平成13年9月14日
13日、午後2時10分頃から約45分間にわたって、小泉総理とフィリピンのアロヨ大統領による日比首脳会談が行われたところ、概要下記の通り。会談後に「日比共同記者発表」(別添)が発出された。
なお、首脳会談後、両首脳立ち会いの下、円借款案件「中部ルソン高速道路建設計画」(約420億円)に関する交換公文の署名式が行われた。
- 二国間関係総論
両国首脳は、両国が成熟したパートナーとして、二国間のみならず地域やグローバルなレベルで緊密に協力を行うことの必要性につき意見が一致した。
小泉総理からは、日比関係は良好に進展してきており、今後は地域或いは世界のためのパートナーとして協力していきたく、その意味で「日比共同記者発表」は時宜を得ている旨発言。これに対し、アロヨ大統領からは賛意が示され、幅広い分野での協力を進めたいとの発言があった。
更に、両国は日比パートナーシップ・プログラムの推進に合意した。本プログラムは、日比双方が資金を拠出し合い、ASEAN諸国の人材育成等を推進するもので、アロヨ大統領からは、ASEAN域内の格差是正、東チモール支援を実施したい旨の発言があった。
- テロリズム
両首脳は先般の米国における一連のテロ事件について強い非難の意を示し、犠牲者への哀悼の意を表すと共に、米国に対する最大の支援やテロリズム撲滅への努力を行うことで意見の一致を見た。
- 日本経済の構造改革
アロヨ大統領から、現在小泉総理が進めている改革は困難を伴うものであるが、その実現を確信している、日本の成功は地域の安定にとっても重要である旨発言があった。
- ODA
小泉総理から、日本の厳しい財政状況の中、ODA予算についても全体として10%の削減がなされる見込みであるが、フィリピンの安定は地域の安定にとり重要であり、引き続き支援をしていきたい旨発言しつつ、フィリピン側に対し資金の効果的活用や治安対策を要請した。
これに対して、アロヨ大統領は、日本が苦しい財政状況の下でフィリピンに対し経済協力を実施していることにつき謝意を示し、日本の経済協力の資金は日本国民の税金で賄われていることは十分理解しているとして援助の有効活用を約し、更に現地の治安改善に具体的な努力を行う所存である旨発言した。
- 地域の安全保障
アロヨ大統領から、米国のプレゼンスはアジア大洋州地域の重要な安定要因であり、安全保障分野での日米の関係強化を歓迎するとの発言があったのに対し、小泉総理からは、米国のプレゼンスは日本のみならず地域全体にとっての安定要因である旨発言。
- 慰安婦問題
小泉総理から、1996年から5年間の計画で実施されきた女性基金の活動が近く終了するが、フィリピン側の協力を得て成功裏に実施してきた、本問題については今後も関心を持っていきたい旨発言した。これに対してアロヨ大統領からは、我が国のこれまでの支援と、今後も関心を維持するとの総理の発言に感謝する旨の発言があった。
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