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主な要人の来日日程

要人来日日程(平成12年)



金大中大統領の訪日
(評価と概要)

平成12年9月24日

I.全般的評価及び主要日程

1.全般的評価

(1)98年10月の金大中(キム・デジュン)大統領訪日以来の幅広い協力の進展を踏まえ、文化・国民交流や、経済面での協力につき実り多い意見交換を行うことができた。

(2)また、南北首脳会談後の朝鮮半島情勢における新たな展開を受けて、対北朝鮮政策についての日韓米三ヶ国の緊密な連携を改めて確認した。

2.主要日程

9月22日(金) 午前 東京着
午後 文化人との懇談会、経済人との晩餐会等
9月23日(土) 午前 熱海着
午後 日韓首脳会談
共同記者会見
森総理ご夫妻主催夕食会
9月24日(日) 午前 日韓首脳朝食会、外相朝食会
東京発

II.日韓首脳会談の概要 (含む首脳朝食会)

1.日韓関係

(1)日韓関係総論

 両首脳は、98年の金大中大統領の訪日以来、日韓関係が極めて良好に推移し、日韓共同宣言及びその付属の「行動計画」並びに「日韓アジェンダ21」が着実に進展していることを確認するとともに、21世紀の日韓新時代を築いていくことで一致。

(2)経済分野の協力

(イ)貿易の拡大均衡

 大統領より、両国間の貿易の拡大均衡のためには部品素材産業への投資が望ましい旨述べたのに対し、総理より、貿易不均衡問題は韓国の構造的な要因によるものであり、日韓産業技術協力財団による事業等を通じて部品素材産業の韓国進出が進むことを期待する旨述べた。

(ロ)ハイレベル経済協議

 日韓ハイレベル経済協議の実務レベルでのフォローアップ会合を開催していく方向で調整することとなった。

(ハ)対韓投資拡大

 大統領より、日本の対韓投資が大きく伸びていることを歓迎するとともに、労使問題を含む投資環境の改善に努力していく旨述べた。総理より、大統領をはじめとする韓国側の努力への謝意を表明し、官民合同投資促進協議会等に言及した。  

(ニ)自由貿易協定(FTA)

 日韓双方の国内で今後とも十分な議論が行なわれることが重要との点で一致。そのような観点から日韓FTAビジネスフォーラムの設立を歓迎することで一致。

(ホ)投資協定

 投資協定の年内締結を目標に、実務レベルでの協議を加速化することで一致。

(ヘ)相互認証協定(MRA)及び社会保障協定

 まずは実務レベルで協議を行い、お互いの制度につき理解を深めることで一致。

(ト)IT

 「日韓IT協力イニシアティブ」に基づき、今後この分野の協力を進めていくことで意見が一致した。

(チ)航空問題

 大統領より、航空便の不足が、近年大きく伸びている両国国民間の交流の障害になっているので、総理には特別の関心を有して頂きたく、例えばワシントンーNY間のシャトル便のようなものも検討して頂きたい旨述べた。
 これに対し、総理より、日韓間の人的交流を促進する観点から、航空輸送力の増強を図るべきであり、W杯の開催を控えた航空問題の重要性も踏まえ、関心をもってフォローしたい旨述べた。

(3)文化・国民交流

(イ)ワールドカップ、日韓国民交流年

 大統領より、2002年のW杯及び国民交流年の成功のために、引き続き緊密に協力をしていきたい旨述べたのに対し、総理より、種々の準備が進んでいることに満足の意を示すとともに、これに関連した我が国の各種施策につき説明。

(ロ)大学入試センター試験への韓国・朝鮮語導入

 総理より、大学入試センター試験の韓国・朝鮮語の導入につき、2002年1月の導入を目途に、遅くとも2002年度(2003年1月)には実施する旨述べたのに対し、大統領より、かかる日本の決定を心から感謝する旨の発言があった。

(4)在日韓国人の地方参政権問題

 大統領より、在日韓国人の地方参政権付与に関する法案の年内成立に対する希望の表明があった。
 これに対して総理より、韓国側の関心の大きさは充分理解しており、この問題は今次国会においても取り上げられる予定であるが、本件は、我が国の制度の根幹に関わる重要な問題でもあり、賛成論から反対論まで様々な意見があり、真剣に議論しているところである。今後関心をもって注意を払っていきたい旨述べた。

2.対北朝鮮政策

(1)大統領より、南北首脳会談に対して日本が直ちにこれを歓迎・支持する旨のメッセージを出したことや、九州・沖縄サミットにおける特別声明の発出等に対して謝意を表明するとともに、南北首脳会談が成功裏に実施されたのは、日韓米の三国の緊密な連携が大きく貢献したものである旨述べた。
 これに対し総理より、南北関係の進展を歓迎し、包容政策を進めるとの大統領の強い意志と忍耐に敬意を表した。また、総理より、金正日総書記へのメッセージの伝達をはじめ、日朝関係改善のための金大統領の協力に謝意を表明するとともに、日朝間には拉致問題等難しい問題もあるが、日韓米と協調・連携しつつ粘り強く努力していきたい旨述べた。

(2)また、大統領より、北朝鮮の政権は安定しているが、経済には大きな問題がある、 特に食糧事情が非常に厳しい、その意味で食糧支援を可能な限り行えば、北朝鮮はあ りがたく受け止めるであろう旨述べた。
 これに対し総理より、食糧支援については、その可能性を検討しており、また、将来的にはインフラ面で協力することにやぶさかでないが、依然として大きな軍事力を有する北朝鮮に対して経済支援を行うことには、それが軍事力の増強につながるのではないかとの懸念があり、国民の納得を得ることは難しい旨述べた。
 大統領は、南北、日朝、米朝の三つのトラックが互いに良い影響を与えつつ進展していくことが重要であり、その意味でも日朝関係の改善を強く期待する旨述べた。

3.国際情勢

(1)ASEM3

総理より、日本として議長国である大統領に最大限の協力を惜しまない旨述べ、大統領よりこれまでの支援に対する感謝の意の表明があった。

(2)麻薬、テロ、海賊等の国際犯罪及び環境問題

 両国間で麻薬、テロ、海賊等の国際犯罪及び環境問題といったグローバルな問題につき両国が協力していくことで意見が一致した。

III.日韓外相朝食会の概要

1.李廷彬(イ・ジョンビン)外交通商部長官の訪日

 李長官の訪日につき、11月6~7日で調整していくこととなった。

2.航空問題

 航空輸送量の制約が日韓間の人的交流の促進の妨げとなってはならないとの観点から、外交当局も関心をもってフォローしていくことで両外相の意見が一致した。

3.ASEM3

 河野大臣より、欧州のKEDOに対するより大きな貢献を得るべく、ASEM3の場を利用して働きかけてはどうかと提案したところ、李長官は、これに同意する旨述べた。

4.FTA

 FTAの問題については、WTO新ラウンド立ち上げの重要性も念頭におき、WTOとの整合性に留意しつつ、両国国内で議論を重ねていくことが重要である点で一致。

 


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