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小泉総理大臣


経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の
署名に際する共同声明




  1. 我々、小泉純一郎日本国内閣総理大臣及びビセンテ・フォックス・ケサーダ・メキシコ合衆国大統領は、400年以上にわたる両国国民の友好関係を想起し、日本とメキシコが政治、経済及び文化の分野で永続的な協力関係を発展させてきたことを認識する。この長年にわたる両国関係に基づき、日本とメキシコは、両国及び国際社会の安定、安全及び繁栄への貢献という共通の責務を果たす決意である。

  2. 2003年10月、ビセンテ・フォックス・ケサーダ大統領が国賓として日本を訪問した際、我々は、グローバル化の時代における二国間関係に可能性に満ちた地平を開くべく、「新時代における太平洋を跨ぐ戦略的パートナーシップ」を構築する決意を表明した。経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定は、我々の戦略的パートナーシップを発展させる上で重要な一歩である。本日、我々は、この協定に署名することをもって、二国間経済関係を新しい次元へ高め、戦略的パートナーシップの強固な基盤を築いた。

  3. この協定は、日本とメキシコの間で、物品、人、サービス及び資本の国境を越えた自由な移動を促進する。また、この協定は、包括的な経済上の連携を推進することを目的として、競争政策、ビジネス環境整備のほか、貿易及び投資の促進、裾野産業、中小企業、科学技術、技術及び職業に関する教育及び訓練、知的財産、農業、観光並びに環境という両国が相互に関心を有する分野における二国間協力についても規定を設けている。我々は、この協定を締結することにより、日本とメキシコ両国のために大規模かつ調和のとれた市場を創出し、構造改革を加速化することを通じて、両国が有している経済的な相互補完性を最大限に活用し、各々の経済発展を促進できることを希望する。

  4. 我々は、両国の経済上の結びつきの強化により、両国の中小企業にとっての貿易投資機会を含む現在の及び新たなビジネス機会が促進されることを共に確信する。我々は、この協定が貿易及び投資に関する明確かつ強固な枠組みを創設し、両国間の貿易及び投資の一層の拡大のための予見可能な通商上の環境を確保することと信じる。我々は、この協定が日本とメキシコ両国の民間部門で十分に活用され、二国間の貿易投資関係の大きな潜在力が発揮されることを強く希望する。

  5. 我々は、産業界がこの協定によりもたらされる利益を期待しつつ、熱意を持ってビジネス機会の探求を始めていることを歓迎する。我々は、今秋東京及びメキシコ市において開催される合同セミナー及び類似の行事を含め、貿易投資機会を広げる上でこの協定が持つ重要な役割に焦点をあてた両国の民間部門と政府機関とが協力して行う現行の及び将来の一連の活動に励まされた。

  6. 我々は、二国間の貿易投資を促進する上で、両国におけるビジネス環境整備が重要であることを認識し、この協定に基づき設置される協議メカニズムを通じてビジネス環境整備に関連する諸問題に取り組む両国政府の意志を表明する。特に、我々は、ビジネス環境整備委員会が創設され、協定発効後速やかに開催予定であることを歓迎する。

  7. 我々は、裾野産業と中小企業が二国間の貿易投資関係の更なる拡大において重要な役割を果たすことを認識している。両国政府は、両国の利益のために、中小企業の競争力向上と裾野産業の強化を目的とする二国間協力を通じてビジネス関係の拡大を奨励し、中小企業や裾野産業がこの協定のもたらす機会と利益を享受することを確保する。

  8. また、我々は、両国の民間企業の生産性及び競争力の向上のために、両国の労働者の技能育成の促進が必要であると認識する。この協定に基づく二国間協力が、訓練システム開発を支援するための新たな技術の適用の促進に資することが期待される。

  9. 我々は、知識に立脚した経済における経済競争力の要素としての知的財産の重要性及びこのような新たな環境における知的財産の保護の重要性が増大していることを認識する。この関連で、我々は、両国政府が、この協定で言及されている種々の側面を通じて知的財産の保護のための必要な行動をとること、各政府が、自国が締結している知的財産権に関する多数国間条約を遵守することを確認する。また、我々は、両国政府が、知的財産権を侵害する模倣品及び海賊版を撲滅するために必要な行動をとること、「標章の国際登録に関するマドリッド協定に関する議定書」が商標の効果的及び世界的な保護に貢献することを確認する。メキシコは、同議定書を批准するためにあらゆる努力を払う意図を再確認する。

  10. 観光は両国経済にとって重要な産業であり、相互理解の強化及び革新的な企業活動に関する発想の開花に寄与する。我々は、本協定に規定されている観光協力が、日本とメキシコとの間の旅行を促進することを歓迎する。日本政府は、より多くの日本人観光客がメキシコを訪れるようにするため、メキシコ観光業界の人材を強化する目的で、メキシコ観光業界の若手指導者を招請する計画である。

  11. 我々は、環境分野における協力がもたらす利益に鑑み、クリーン開発メカニズム(CDM)を促進するための協力活動の開始を歓迎する。この協力活動には、メキシコにおける有望なCDM事業の特定にむけた努力や両国の政府機関の間での協力の強化が含まれる。

  12. 世界においてダンピング防止措置がますます多くとられるようになっていることに鑑み、我々は、「千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定」(ダンピング防止協定)における規律を明確化し及び改善することを目的とし、WTO交渉において両国間の協力を継続していくことが重要であることを確認する。

  13. 我々は、日本とメキシコとの間の経済的な絆の強化により、日本と中南米との経済関係及びメキシコとアジアとの経済関係が促進され、太平洋を越えた貿易投資関係に新たな刺激が与えられるとの見解を共有する。我々は、両国が経済交流を活性化することにより、アジア太平洋地域の繁栄に共に寄与すると確信する。

  14. 我々は、それぞれの立法府による承認を含む所要の国内法上の手続きを完了してこの協定を早期に発効させ、この協定の利益を両国国民が可能な限り早期に享受できるよう最大限の努力を払う決意である。

  15. これらすべての希望と確信を念頭に、我々は、日本国とメキシコ合衆国両国の政府と国民を代表して、両国の経済上の連携を強化し、両国関係に新しい時代を開くこの協定の署名を心から祝福する。

    2004年9月17日 メキシコ市にて

    小泉 純一郎
    日本国内閣総理大臣
    ビセンテ・フォックス・ケサーダ
    メキシコ合衆国大統領


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