小泉総理大臣

小泉総理のカザフスタン及びウズベキスタン訪問
概要と評価

平成18年8月31日

1.カザフスタン訪問の概要(8月28日~29日)

 ナザルバーエフ大統領との首脳会談、「共同声明」骨子)及び「原子力分野における協力の促進に関する覚書」骨子)への署名等一連の公式行事の他、祖国防衛者記念碑への献花等を行った。首脳会談の概要以下のとおり。

(1)冒頭、総理より、今次訪問は戦略的に重要な中央アジアへの我が国の積極的関与の姿勢の現れである、カザフスタンの政治的安定、経済発展、バランス外交を評価する、今後とも民主化、市場経済化努力への協力を惜しまない旨述べた。

(2)「中央アジア+日本」対話

 両首脳は、「中央アジア+日本」対話の進展、「行動計画」の着実な実施に協力していくことで一致。

(3)二国間関係

(イ)経済関係:両首脳は、ウラン鉱山開発を含むエネルギー資源分野での協力の強化につき一致。総理より、「原子力分野における協力の促進に関する覚書」に基づき、原子力協定の締結に向けた作業を開始したい旨述べた。ナザルバーエフ大統領は、資源以外の分野でも日本からの投資拡大への期待を表明。

(ロ)経済協力:ナザルバーエフ大統領より、日本の円借款、人道支援等これまでの経済協力への謝意を表明。

(ハ)人的交流:ナザルバーエフ大統領より、人材育成の観点から日本への留学生派遣を拡大したい旨発言。総理より、中央アジア諸国からの研修員及び留学生を今後3年間で2000名程度を目標として受け入れたい旨、また、カザフスタンの留学生の日本への派遣を促進する枠組みを整備したい旨発言。

(4)国際情勢

(イ)両首脳は、北朝鮮によるミサイル発射等にかかる懸念を共有し、朝鮮半島情勢を含むアジア地域情勢に関する両国外務省間協議の枠組み設置に合意。

(ロ)この他、イランの核問題、国連改革についても話し合い、ナザルバーエフ大統領は日本の安保理常任理事国入りを一貫して支持している旨発言し、総理より謝意を表明。

2.ウズベキスタン訪問の概要(8月29日~30日)

 カリモフ大統領との首脳会談、留学生受入に関する無償資金協力の交換公文の署名等一連の公式行事を行い、共同プレス・ステートメント骨子)を発表した。また、タシケントでは日本人死亡者慰霊碑及び日本人抑留者記念碑への献花等を行い、その後世界遺産にも登録されている古都サマルカンドを訪問し、ティムール帝国時代のイスラム建築等を視察した。首脳会談の概要以下のとおり。

(1)ウズベキスタンの民主化・人権問題

 総理より、民主化、人権保障、市場経済化が真の安定をもたらすと指摘し、そのためのウズベキスタンの努力を支援する考えを示した。また、日本の繁栄は、国際協調路線、米国との友好関係を基礎としているとの日本の戦後の経験に言及した。これに対し、カリモフ大統領より、日本の経験には学ぶところが多い、今後も民主化努力を継続する旨発言。

(2)「中央アジア+日本」対話

 カリモフ大統領は中央アジアにおける日本の役割、関与が一層大きくなることへの期待を表明した。両首脳は、「中央アジア+日本」対話の進展、「行動計画」の着実な実施に協力していくことで一致。

(3)二国間関係

(イ)経済関係:両首脳は、ウラン鉱山開発分野で情報・意見交換を進めていくことで一致。また、総理より、ウズベキスタンの貿易・投資環境の改善を求めた。

(ロ)経済協力:カリモフ大統領より、独立以来の日本のODAに繰り返し感謝。

(ハ)人的交流:総理より、中央アジア諸国からの研修員及び留学生を今後3年間で2000名程度を目標として受け入れる旨述べ、また、対ウズベキスタン留学生支援無償資金協力(首脳会談後、我が方大使と先方主務大臣がE/Nに署名)に言及。

(4)国際情勢

(イ)北朝鮮問題、イランの核問題、国連改革について話し合った。カリモフ大統領よりは日本の安保理常任理事国入りを一貫して支持している旨発言し、総理より謝意を表明。

(ロ)二国間関係及び国際問題を包括的に話し合う外務省間協議の設置に一致。また、外務省間で情報交換を随時行っていくことで一致。

3.評価

(1)中央アジア地域全体への積極的関与

 6月の「中央アジア+日本」対話の第2回外相会合を東京で開催したことに引き続き、我が国現職総理として初めての中央アジア主要2か国の訪問を実現したことにより、我が国として中央アジア全体の安定と発展のために一層積極的に関与していくとの姿勢を内外に明らかにすることができた。

(2)資源外交上の成果

 世界第2位のウラン埋蔵量を有するカザフスタンとの間で、ウラン鉱山開発を含む原子力の平和的利用の分野での協力強化に一致し、ウズベキスタン(ウラン埋蔵量世界第10位)との間でも、ウラン開発につき情報・意見交換を行っていくことで一致。今後この分野での日本企業の活動を後押しする環境を整えるものとなった。

(3)二国間関係の発展及び国際場裡での協力の強化

(イ)中央アジアの二大国との間で、二国間関係を種々の分野で強化し、国際問題に関し緊密に協力していくことで一致。それぞれ外務省間協議の枠組をつくることができた。

(ロ)ウズベキスタンに対しては民主化、人権保障、市場経済化の努力、そして米欧と関係改善を促す明確なメッセージを大統領に直接伝えることができた。

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