小泉総理大臣

新世紀の日米同盟

2006年6月29日
於 ワシントンDC

英語版はこちら

 2006年6月29日、ジョージ・W・ブッシュ・アメリカ合衆国大統領は、小泉純一郎日本国総理大臣を公式の賓客としてホワイトハウスに招き、両首脳の間の緊密な友好関係や日米両国民の間の深い絆が強化されていることを祝した。

 両首脳は、日米関係が歴史上最も成熟した二国間関係の一つであるとの見解で一致した。両首脳は、双方の指導の下で、より広範でより強化された協力関係が同盟の下で達成されたことを大いなる満足の意をもって振り返り、21世紀の地球的規模での協力のための新しい日米同盟を宣言した。

1.普遍的価値観と共通の利益に基づく日米同盟

 日米両国は、共通の脅威に対処するのみならず、自由、人間の尊厳及び人権、民主主義、市場経済、法の支配といった中核となる普遍的価値観を共に推進していく。こうした価値観は、両国の長い歴史的伝統に深く根差したものである。

 日米両国は、テロとの闘いにおける勝利、地域の安定と繁栄の確保、市場経済の理念・体制の推進、人権の擁護、シーレーンを含む航海・通商の自由の確保、地球的規模でのエネルギー安全保障の向上といった利益を共有している。

 地域及び世界における日米協力の基盤を形成しているのは、こうした日米共通の価値観と利益である。

2.政治・安全保障・経済の面での二国間の協力

 総理大臣及び大統領は、双方が就任して以来日米の安全保障関係において達成された著しい進展を歓迎した。日米の安全保障協力は、弾道ミサイル防衛協力や日本における有事法制の整備によって、深化してきた。

 両首脳は、2005年2月の共通戦略目標の策定や、日米同盟を将来に向けて変革する画期的な諸合意が行われたことを歓迎した。米軍及び自衛隊の過去数十年間で最も重要な再編をはじめとして、これらの合意は歴史的な前進であり、米軍のプレゼンスをより持続的かつ効果的にするものである。同時に、変化する安全保障環境において、日米同盟が様々な課題に対処するために必要とする能力を確保するものである。両首脳はまた、これらの合意の完全かつ迅速な実施が、日米両国にとってのみならず、アジア太平洋地域の平和と安定にとっても必要であることについて一致した。

 アジアは、民主主義、自由、人権、市場経済、法の支配といった普遍的価値観に一層拠って立つ地域へと変わりつつある。両首脳は、アジアのこの歴史的変革を共に形作り支援していくことを表明した。このため、両国は、個人の自由の促進、政治・経済・軍事分野での透明性と信頼性の向上、人間の尊厳の保護、拉致問題を含む人道・人権問題の解決といった、地域における共通の課題に引き続き対処していく。

 両首脳は、強固な日米協力が、中国の活力を生かし、北東アジアの平和と安寧の維持に資することを確認した。両首脳は、豪州のような地域の友好国や同盟国との戦略的対話を増進する重要性を再確認した。また、両首脳は、北朝鮮に対し、2005年9月の六者会合での共同声明における非核化の誓約を履行し、ミサイル実験モラトリアムを引続き遵守するよう呼びかけた。両首脳は、域内の孤立した政権が、人権と包括的な政治対話を含む民主主義の原則を尊重することが必要である旨話し合った。

 両首脳は、テロとの闘いにおける最近の成功や、イラク新政府への支援、イラン問題を含む不拡散面での協力といった幅広い地球的規模の活動に関し、両国の共同の取組みを改めて評価した。大統領は、アフガニスタン及びイラクにおける日本の人道復興支援、並びにインド洋での多国籍軍に対する日本の支援を賞賛した。

 日本の国連での重要な役割や貢献にかんがみ、日米両国は協力を強化し、日本の安全保障理事会常任理事国入りを実現すべく連携する。

 両首脳は、戦略的開発協調の下で緊密な協力を継続していくことを表明し、また、自然災害への対応のための能力強化支援や鳥・新型インフルエンザの予防・対処という地球的規模の課題について、連携して取り組んでいくことを確認した。両首脳は、また、エネルギー安全保障、クリーン・エネルギー開発、汚染削減、気候変動といった相互に関連する課題に取り組んでいくことで一致した。

 両首脳は、「成長のための日米経済パートナーシップ」の下で過去5年間にわたって達成されてきた進展を基礎として、互恵的な二国間経済関係を更に深化させ、地域や世界の経済問題に関する協力を強化するための方策を探っていくことで一致した。

 このような協力の拡大は、成長と経済改革を促進し、開放された市場を維持・推進し、テロの脅威に対処しつつ合法的な物、サービス、人及び投資の効率的な移動を確保し、知的財産権の保護と取締りを強化し、地球的規模でのエネルギー安全保障を強化し、両国における透明性の高い良好なビジネス環境を促進するといったことを含むこととなろう。

 両首脳は、また、世界貿易機関(WTO)ドーハ開発アジェンダ交渉において、2006年末までに、市場を開放し全般的にバランスのとれた結果を達成するような野心的な成果を確保するため、力強い貢献を行っていく決意を確認した。両首脳は、アジア太平洋経済協力(APEC)について、地域の安定、安全及び繁栄の促進のためのその極めて重要な役割を認識し、これを共に強化していく決意を表明した。

 両首脳は、「世界の中の日米同盟」が一貫して建設的な役割を果たし続けるとの認識を共有した。両首脳は、日米間の友好関係や地球的規模での協力関係が今後とも益々発展していくことを共に希望した。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る