平成19年1月9日
1月9日、英国訪問中の安倍総理大臣は、英国首相官邸において、16時45分(英国時間)から約70分間、ブレア英国首相との間で首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおり。
(1)総理より、国際的課題への対処に当たって、英国との連携を重視している、外交関係開設150年を迎える2008年を契機になお一層の友好協力関係を構築していきたい、また、先進民主主義国が築き上げてきた基本的価値に基づく自由で繁栄する世界を維持していくことが今日の日本の国益であり、又、責任である、目的と責任を共有する戦略的パートナーとして、協力を強化し、国際的諸課題に取り組んでいきたいと述べた。
(2)これに対してブレア首相は、国際社会における日本の活動を支持している、安倍総理の改革の方向は日本のみならず世界にとっても正しいものである、アジアにおける日本の影響力は重要である、多くの分野で両国間で協力を強化していきたいと述べた。
(3)また、両首脳は、日本がG8議長国を務める2008年までの2年間は日英関係を一層発展させる特段の機会であること等を確認し、首脳及び閣僚レベルでの対話の強化などを盛り込んだ共同声明を発出することに合意した。
(1)総理より、「自由な社会の輪」をアジアに広げ、「アジアの強固な連帯のために積極的に貢献する」ことが自分(安倍総理)のアジア外交の基本であると述べ、基本的価値を共有する印・豪が参加する東アジア首脳会議で、地域共通の課題に具体的成果を出していく意向を表明した。
(2)北朝鮮については、総理より、拉致問題は極めて重大な問題であり、早期の解決が必要である、国連の人権状況決議が採択されたが、その実現のために英国が協力してくれたことに対する感謝を述べた。また、核及びミサイル問題については、安保理決議1718号を履行し、国際社会が一致団結し解決に取り組む必要があることを説明した。これに対しブレア首相より、拉致問題、核・ミサイル問題に関する日本の立場を完全に支持しており、これらの問題の解決に向けて協力していきたい旨述べた。
(3)中国については、総理より、中国の発展は好機であるが、知的所有権、国防費の増大と不透明性などの問題もある、中国がより責任ある役割を果たすよう働きかけていくことが重要である、昨年の訪中の際に「戦略的互恵関係」を構築していくことに合意した等述べ、さらに、東アジアの安全保障環境に影響を及ぼしうるEUの対中武器禁輸措置解除に反対との立場を改めて表明した。これらに対し、ブレア首相より、中国との関係は友好も大事であるが、中国の動きには注意が必要であり、その動きを十分客観的に注視していくことも重要であると述べた。
総理より、安保理改革に関して、主要国の考えを考慮しつつ、柔軟に具体案を検討したいと考えており、英国とも密接に協力していきたい旨述べた。これに対し、ブレア首相より、日本の常任理事国入りを支持する、日本を欠いた安保理は信頼性を今後長く維持することは難しい、安保理改革について積極的な協力を行っていきたいと述べた。
ブレア首相から、京都議定書の名称が示すとおり、気候変動の分野で日本は主要な役割を果たしており、G8プロセスでも重点をおくべき問題である旨述べた。これに対し、総理から日本では省エネを徹底して行っており、この分野でも日英間で協力を進めていきたいと述べた。
(1)イラクについては、総理より、国際社会が一致して支援を継続していくことが重要である、我が国も、航空自衛隊による輸送協力の継続や円借款の供与を行ってきており、イラク・コンパクトの完成に向けた積極的関与等今後とも密接に協力していきたいと述べた。これに対し、ブレア首相より、イラクにおける日本の取組を高く評価している、イラク情勢は複雑であるが、その安定のために両国間で協力していきたいと述べた。
(2)中東和平については、ブレア首相より、パレスチナ問題の行方が中東全体の安定にとって極めて重要であると述べたのに対し、総理より「平和と繁栄の回廊」構想を説明し、中東和平に積極的に関与していく、新内閣成立に向けたアッバース大統領の努力を支持すると述べた。
総理より、本年のサミットではアフリカが主要テーマの一つであるが、2008年にはG8サミット、TICAD 4を我が国で開催する、開発問題でも英国と緊密に協力していきたいと述べ、ブレア首相より、アフリカに関してはHIV問題もさることながら根本的には教育問題が重要であり、G8プロセスでも協力していきたい旨述べた。
両首脳は、WTOについて意見交換し、ドーハ・ラウンドの早期妥結に向けて日・英が連携していくことで一致した。