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軍縮と環境保護のための日露共同作業
~日本国政府による対ロシア非核化支援、軍縮・不拡散分野の新たなイニシアティヴ~
平成11年5月29日
日本国政府は、大量破壊兵器の拡散防止、中でもロシアにおける核兵器の安全な処理及び廃棄が、現在の国際社会における共通の課題であるとの認識の下、1993年以降約7千万ドルを日露核兵器廃棄協力委員会に拠出し、対ロシア非核化支援事業を実施してきたところであるが、ロシア連邦政府と協議しつつ、以下の分野において更なる協力措置を実施していく方針である。1.極東退役原子力潜水艦解体処理プラン
極東におけるロシアの退役原子力潜水艦の安全な処理及び廃棄は、軍備管理・軍縮の観点のみならず環日本海地域の環境保護の観点からも国際的に重要かつ緊急の課題となっており、この課題に適切に対処することは、日露両国のみならずアジア太平洋地域全体の安全と繁栄にとり大きな意義を持つ。
日本国政府が日露核兵器廃棄協力委員会に拠出した資金を用いて建設されているウラジオストク近郊における液体放射性廃棄物処理施設(「すずらん号」)の近い将来の完成は、ロシアの退役原子力潜水艦から生じる液体放射性廃棄物の処理に大きく貢献するものである。
日本国政府は、極東におけるロシアの退役原子力潜水艦の処理及び廃棄に関連する協力につき、ロシア連邦政府との間で、次の分野のプロジェクト・スタディーを行うことで一致した。
- 長期間係留されていた原子力潜水艦から使用済み核燃料を搬出してコンテナーに搬入する作業、ズヴェズダ造船所における使用済み核燃料の貯蔵施設の建設及びボリショイ・カーメニとスモリャノヴォとの間の鉄道の再建に関するプロジェクト
- ズヴェズダ造船所内にあるヴィクター級原子力潜水艦1隻の解体に関するプロジェクト
- 原子力潜水艦より搬出した使用済み核燃料の入ったコンテナーを鉄道輸送の起点まで輸送するための特別タンカー「ピネガ」の改造に関するプロジェクト
2.軍民転換促進プラン
日本国政府は、ロシア国内における軍民転換の促進は、ロシアにおける軍縮の促進のみならず、産業設備及び人的資源の有効活用を通じてロシア国内経済の構造改革にも資するものであるとの認識に基づき、以下の措置を実施する。
(1)軍人再教育支援の拡充
日本国政府は、ウラジオストク及びハバロフスクにおける「日本センター」を通じて、ロシア極東における退役軍人及び退役予定軍人の民間部門への転職を支援するためのセミナーを実施し、また、一部セミナー受講者の訪日研修も実施してきたところであり、今後、このセミナーの対象地域及び受講者数を拡大することにより、この分野での協力を拡充する。
(2)国際科学技術センター(ISTC)の積極的活用
日本国政府は、ロシア国内における真の軍民転換を進める上で、大量破壊兵器関連科学者の民生部門への転換とこれら科学者の経済的自立が不可欠であるとの認識の下、この分野で重要な役割を果たしているISTCの活動を引き続き積極的に支持する。
3.解体核プルトニウム管理・処分プラン
日露両国間の関係機関の間で、ロシアの高速炉BN600において解体核プルトニウムに由来するMOX燃料を燃焼させるための研究協力(高速炉BN600における振動充填燃料の照射試験及び高速炉BN600のMOX炉心特性データの整備)が行われてきている。日本国政府は、こうした解体核プルトニウムの処分に資する高速炉分野の研究協力・技術協力を推進するため、G8を始めとする国際的な検討に参画しつつ、可能な協力を検討していく。
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