岡田外務大臣

岡田外務大臣のウズベキスタン,カザフスタン訪問(概要と評価)

平成22年8月11日

I 概要

 岡田外務大臣は,8月6日(金曜日)から8月11日(水曜日)にかけウズベキスタン及びカザフスタンを訪問し,「中央アジア+日本」対話第3回外相会合への出席と,岡田大臣及び中央アジア各国外相との二国間外相会談,訪問した両国大統領等への表敬を行ったところ,概要以下のとおり。

1.「中央アジア+日本」対話第3回外相会合(7日午後)

 外相会合は,7日(土曜日),ウズベキスタン・タシケントにおいて,岡田大臣及び中央アジア5カ国外相(トルクメニスタンのみ現地駐箚大使)の参加を得て開催され,約2時間にわたり活発な意見交換が行われた。

  1. (議題1)

    「地域の平和と安定に向けた各国の取り組みと協力」に関しては,同地域に依然として脅威となっているテロ・麻薬問題,2009年に発効した中央アジア非核兵器地帯条約,キルギス情勢,アフガニスタン情勢等について,活発な意見交換が行われた。

  2. (議題2)

    「地域の経済発展と繁栄に向けた各国の取り組みと協力」に関しては,地域の発展の基礎となる物流・運輸インフラ整備,日本と中央アジアとの貿易・投資を促進するための様々な取組,アラル海を含む地域の環境問題と気候変動,水資源の合理的利用等について,様々な議論が行われた。

 なお,次回会合に関しては,2011年に高級実務者会合,2012年に外相会合が,それぞれ日本において開催されることとなった。

 また,会合終了後,第2回外相会合において採択された「行動計画」の各国進捗状況報告書,共同プレスリリースが発出された(別添)


2.中央アジア各国との二国間外相会談

(1)日・ウズベキスタン外相会談(7日昼)

 ノロフ外相との間で,経済協力,投資促進及び投資環境整備といった二国間経済関係の強化,アフガニスタン情勢や最近のキルギス情勢等の地域・国際情勢について意見交換を行ったほか,引き続き国際場裡においても協力していくことで一致した。

(2)日・カザフスタン外相会談(9日午後)

 サウダバエフ国務長官兼外相との間で,原子力の平和的利用分野での協力,レアアース等資源分野における日本企業の活動促進,日本の貿易・投資拡大等を中心に二国間関係についての意見交換を行ったほか,核軍縮・核不拡散,国連安保理改革等,グローバルな諸問題についても協力していくことで一致した。

(3)日・タジキスタン外相会談(7日午後)

 ザリフィ外相との間で,経済協力等の二国間関係,地域・国際情勢,アフガニスタンの安定化と復興に向けた協力のあり方等について意見交換を行ったほか,引き続き国際場裡においても協力していくことで一致した。

(4)日・キルギス外相会談(8日午前)

 カザクバエフ外相との間で,キルギス情勢の現状と今後の復興に向けた協力のあり方を始め,経済協力等の二国間関係,地域・国際情勢等につき意見交換を行ったほか,国際場裡においても引き続き協力していくことで一致した。

3.ウズベキスタン,カザフスタン両国の大統領等への表敬

(1)カリモフ・ウズベキスタン大統領表敬(8日午前)

 カリモフ大統領より,経済協力をはじめとする二国間関係のほか,地域・国際情勢,特にキルギス情勢及びアフガニスタン情勢についての見方に関して詳細な説明を受けた後,これらの諸課題について意見交換を行い,国際場裡においても引き続き協力していくことを確認した。また,今年度中に予定されている同大統領の訪日を契機として,両国関係を強化するべく準備を行うことで一致した。

(2)ナザルバエフ・カザフスタン大統領表敬(10日午前)

 ナザルバエフ大統領より,セミパラチンスク元核実験場やアラル海の周辺地域に対するこれまでの日本の支援に対して謝意が述べられた他,同大統領との間で,物流路整備等の経済協力,資源国カザフスタンとの互恵的な経済関係の発展に向けた協力関係の更なる緊密化等について意見交換を行ったほか,金融危機後の世界経済,両国の社会経済問題,地域・国際情勢,国際場裡における協力に向けた意見交換を行った。

(3)マシモフ・カザフスタン首相表敬(10日午前)

 マシモフ首相との間で,原子力の平和的利用の分野での協力,ウランやレアアース等の鉱物資源開発などでの両国間の協力進展,両国間の貿易・投資の拡大に向けた協力など,二国間経済関係のほか,金融危機後の世界経済,両国の社会・経済問題についても意見交換を行った。

4.その他

 岡田外務大臣は,以上の各種会合のほか,現地にて活動している日本企業関係者及び経済協力関係者との意見交換,経済協力サイトなどへの視察を行った。

II 評価

1.「中央アジア+日本」対話の有用性の確認と中央アジアにおける日本のプレゼンス向上

 2006年の東京会合以来,4年ぶりの開催となった「中央アジア+日本」対話今次外相会合は,中央アジア5カ国中4カ国から外相の出席が得られるなど各国の熱意が感じられると共に,会合においても,同対話の「再開」に対する高い評価と,同対話を通じて地域内協力を促進していく上での日本の役割の重要性が改めて確認された。

 また,2004年の川口外相(当時)以来6年ぶりとなった外務大臣の中央アジア訪問は,ウズベキスタン,カザフスタンの両国にて大統領表敬が実現し,また,外相会合に出席した各国外相との個別の会談にて,地域情勢,国際情勢などについての率直な意見交換が行われるなど,各国とのハイレベルでの政治対話が実現した。これら会談を通じ,中央アジア各国からわが国に対する期待の高さが明らかになり,また,日本として同地域に引き続き積極的に関与していく姿勢を明確に示せたことで,中央アジアにおける日本のプレゼンスを高めることができた。

2.資源エネルギー外交の推進と貿易・投資の促進

 今回の外務大臣による中央アジア訪問と各種二国間会談の実施により,近年重要性が増しているウラン,レアメタル,レアアース等の鉱物資源・エネルギー資源を豊富に有する中央アジア諸国との間で,信頼関係を強化することができた。また,これら諸国における良好な投資環境の整備に向け,率直な意見交換ができ,同地域における日本の資源エネルギー外交の推進と貿易・投資の促進に成果が上がることが期待される。

3.国際場裡における協力の確認

 中央アジア各国外相との個別会談やウズベキスタン・カザフスタン両国の大統領等への表敬において,国連安保理改革,気候変動,核軍縮・核不拡散等のグローバルな諸課題について意見交換を行い,これら諸問題における日本の方針に対する強力な支持を改めて確認することができた。

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