中曽根外務大臣

大臣のイラン訪問(概要)

平成21年5月3日

 5月2日、イランを訪問した中曽根外務大臣は、アフマディネジャード大統領を表敬(麻生総理からの親書を手交、約50分)、モッタキ・イラン外相との会談(110分、夕食会を除く)を行い、同外相と共同記者会見を行ったところ概要は以下のとおりです(2004年1月の川口大臣以来の訪問)。

1.二国間関係

(1)中曽根大臣から、両国外交関係樹立80周年の節目にイランを訪問でき嬉しい、今次訪問を更なるハイレベル交流への弾みとしたい旨述べた。また地域大国であるイランとの関係を重視しており、二国間関係は良好であるとしつつ、他方で国際的制約が存在しており、国際的環境の改善は、更なる両国関係進展のために必要と述べた。また、省エネ協力も進めていきたい旨述べた。

(2)アフマディネジャード大統領は、両国関係の更なる拡大・深化を目指したいとしつつ、それを阻むものは何もないとの考えを示した。モッタキ外相は、両国間の課題解決に向け議員交流も含む、ハイレベル協力の強化が重要であるとし、省エネ協力に加え、石油・エネルギー分野等での協力を進めていきたい旨の期待感の表明があった。

2.地域情勢

(1)イラン・米国関係

(イ)アフマディネジャード大統領は、米国が対イラン政策を変化させようとしていることを信じたいが、まず、米国からの行動の変化を待っていると述べた。

(ロ)中曽根大臣から、米国はイランとの対話を真摯に希求しているとの我が国の見方を伝え、この機を逃さずイラン側からも具体的な行動を取るよう働きかけた。

(ハ)モッタキ外相からは、日本がイラン・米国関係改善を誠実に考えていることへの謝意表明があった。

(2)ロクサナ・サーベリ女史問題

(イ)中曽根大臣から、同女史の母親は日本人でもあり、人道的観点からも事態を注視している旨述べ、イランの司法制度は尊重するが、透明性のある訴追プロセスと公正かつ寛大な措置を期待していることを伝えた。

(ロ)アフマディネジャード大統領は、司法権が再検討中である事案であり、外から色々な意見表明があることが状況を複雑化しており好ましくない旨述べた。モッタキ外相からは、大統領からも、司法府に対し本件を再検討するよう指示が出ている旨紹介があった。

(3)イランの核開発問題

(イ)中曽根大臣から、イランは安保理決議に沿って国際社会の信頼を回復することが重要であり、そのためにEU3+3との交渉前進に向け速やかに前向きな対応を示すことを働きかけた。

(ロ)これに対し、アフマディネジャード大統領は核兵器に反対すると明確に述べた上で、IAEAと協力するが、安保理決議は時代遅れであるとしていた。モッタキ外相からは、現在イラン側で新たな包括案を策定中であり、完成次第対話に入りたいとの説明があった。

(4)北朝鮮問題

(イ)中曽根大臣から、北朝鮮のミサイルの発射及び核開発は、我が国の安全保障上のみならず、地域の平和と安定に対する重大な脅威であるとし、イラン・北朝鮮間にミサイル・核に関する協力関係があるとの見方の存在に対する懸念を伝えた。

(ロ)モッタキ外相から、核・ミサイル分野における北朝鮮との協力はない旨述べ、アフマディネジャード大統領からは、北朝鮮問題は、対話による問題解決を目指すべきで、イランも協力したいと述べた。

(5)地域におけるイランの責任ある行動

(イ)中曽根大臣から、地域の大国であるイランが、地域の平和と安定のため近隣諸国との協力関係を築きつつ、相応しい責務を果たすことを希望する旨述べた。

(ロ)アフガニスタン・パキスタン問題
 アフガニスタンに関するイランの役割の重要を指摘しつつ、外相会談後の記者発表の場において、中曽根大臣はモッタキ外相と共に、麻薬密輸防止・国境管理、難民支援・職業訓練等の分野における「アフガニスタン支援に関する日・イラン協力」を発表した。

(ハ)モッタキ外相からは、アフガニスタンのみならず、パキスタンにおいても両国は協力していけるとの期待が示された。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る