外務大臣

核軍縮及び不拡散に関する日豪共同ステートメント

平成22年11月23日

  1. 我々,前原日本国外務大臣とラッド・オーストラリア外務大臣は,本日キャンベラで会談し,核兵器が人類に与える深刻な脅威を認識し,平和で安全な核兵器のない世界を断固として実現するために両国が共に取り組むという我々のコミットメントを新たにする。この取組において,我々は,両国政府が本年2月に共同ステートメント「核兵器のない世界に向けて」を発出して以降に生起した前向きな展開を心強く思う。
  2. 両国は,核軍縮及び不拡散へのグローバルな関与を促進することにつき,強力な実績を有している。核兵器のない世界に向かう途上における様々な挑戦に対する特定の時宜にかなった提言を発出した「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」の設立された2008年以降,両国は,核兵器のない世界の実現に取り組むためのパートナーシップを強固なものにしてきた。両国政府は,本年5月の2010年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の成功裏の結果に向けたグローバルな取組を促進するため,緊密に取り組んだ。両国のイニシアティブには,実践的核軍縮・不拡散措置の共同パッケージを同運用検討会議へ提出することや,締約国の団結を呼びかける緊急声明を主導することが含まれた。
  3. NPT運用検討会議における成功裏の結論によって生起した国際的機運を踏まえ,両国政府は,核軍縮を前進させ,不拡散の課題を強化するための具体的方法を見出すことに同様に取り組む国々の外務大臣から成るグループの会合を9月に開催した。日本国及びオーストラリアが共催し,カナダ,チリ,ドイツ,メキシコ,オランダ,ポーランド,トルコ及びアラブ首長国連邦が参加した会合において明らかにされた最優先事項は,核軍縮を進展させ,不拡散を強化するために,NPT運用検討会議でコンセンサス採択された64の行動の着実な履行の促進の必要性であった。
  4. 我々は,メンバーシップが多様でありつつも,NPTの目的を支え,推進するとの決意によって結び付けられたこのグループが,核軍縮・不拡散問題の進展への障害を乗り越えるために,共通の基盤を見出し,また,創造的で実践的な提案を発展させていくことを希望する。我々は,すべての国々は,こうした問題に対処する上で,協力する責任を有すると固く信じている。
  5. 以上の観点から,両国政府は,同グループが,当初の取組において,特に軍縮のコミットメントの進展を報告するための核兵器国による標準化された方法の策定を通じて,核軍縮における透明性を高めることなど,信頼醸成措置に焦点を当てるべきであると提案する。このメカニズムでは,配備核兵器及び未配備の核兵器,戦略核兵器及び戦術核兵器の核弾頭の数といった要素もカバーされ得る。上記報告メカニズムでは,国家安全保障政策における核兵器の役割に関する情報も,標準化された形式において含まれ得る。
  6. 我々は,また,兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約,すなわちFMCT)の早期交渉開始,包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効,国際原子力機関(IAEA)追加議定書の普遍的採択による拡散に対抗するIAEA保障措置の強化,非核兵器地帯の支持及びそれらの中での協力強化,すべての国による不拡散義務の厳格な遵守促進もとりわけ重要であることを強調する。我々は,来年においてもこの問題に関する軍縮会議(CD)での膠着状態が打開されない場合には,他の支持国と連携しつつ,多国間交渉のためのCDの代替手段を追求する用意があることを再確認する。かかるアプローチに沿って,両国政府は,上記グループが,検証可能なFMCTの技術的課題を克服するための枠組みの構築に関する分析を行い得るのではないかと提案する。これは,FMCTにおける禁止事項の検証のためのオプション及び核兵器保有国において既に蓄積されているストックパイルをめぐる政策的問題についての考慮も含み得る。
  7. 両国政府はまた,核兵器のない世界に向けた,具体的かつ実践的な措置を提案するために協力することを約束した。これらの提案された取組は,消極的安全保証をより実効的にし,核攻撃を抑止することが核兵器の「唯一の目的」であるという普遍的な政策が安全に採用され得る条件を確立するといった考え方につき,議論を深めることにも及び得る。
  8. 我々は,この機会をとらえ,北朝鮮による核活動に対する重大な懸念を表明する。我々は,北朝鮮による軽水炉建設,及びウラン濃縮施設の存在に関する報告を強く危惧している。我々は,2005年9月の六者会合共同声明を含めた約束,及び関連する国連安保理決議で規定された義務を果たすよう,北朝鮮に対して強く要請する。我々は,本件に関する政策調整を引き続き継続する。
  9. 最後に,我々は,核兵器のない世界に向けて前進させるよう国際社会のメンバーを奨励すべく,高まりつつある機運を最大限に活かし,核軍縮及び不拡散分野における我々のすべての約束に関して協力し,連携するとの堅固な決意を改めて確認する。
このページのトップへ戻る
前原外務大臣の豪州訪問 |  前原外務大臣 会談・訪問 |  目次へ戻る