外務大臣

日中外相会談(概要)

平成24年7月11日

  • (写真)日中外相会談-1
  • (写真)日中外相会談-2

 ASEAN関連外相会議出席のためにカンボジア・プノンペンを訪問中の玄葉外務大臣は,7月11日(水曜日)14時30分(日本時間16時30分)過ぎから約50分間,楊潔?(よう・けつち)中国外交部長との間で日中外相会談を行ったところ,概要は以下のとおり(日本側同席者:鶴岡総合外交政策局長,杉山アジア大洋州局長他,中国側同席者:楊秀萍ASEAN大使,孫衛東・外交部アジア司副司長他)。

1 日中関係総論,政治的相互信頼の増進

  1. (1)双方は,円と人民元の直接取引開始,「日中高級事務レベル海洋協議」会合の開催,日中防衛当局間の海上連絡メカニズムに関する協議の開催など,昨年末の野田総理訪中の際に表明した「6つのイニシアティブ」に基づく具体的な協力及び交流の着実な進展を歓迎し,地域・グローバルな課題も含む幅広い分野での協力と交流を引き続き着実に実施し,日中国交正常化40周年の機運を更に盛り上げていくことで一致した。
  2. (2)この中で,玄葉大臣から,野田総理や自分(大臣)は,常々,中国の発展は日本にとってチャンスであると述べており,また,日本にとり中国は極めて重要なパートナーである,こうした基本認識の下,日中国交正常化40周年である本年,戦略的互恵関係を一層深化させ,日中関係を共に前向きに進めていきたい旨述べた。
  3. (3)楊部長から,日中関係は40周年の本年,一定の進展があるが,政治的相互信頼の増進と各分野における実務的な協力の深化に努めるとともに,両国間に存在する諸問題を適切に処理して,日中関係を進めていく必要がある旨述べた。
  4. (4)双方は,政治的相互信頼の増進のためにはハイレベル交流が重要であるとの認識を共有し,本年後半において,ハイレベル交流を活発に行うことで一致した。
  5. (5)尖閣諸島について,玄葉大臣から,11日朝の中国漁業監視船の尖閣諸島周辺領海への侵入について強く抗議した。楊部長から,昨今の尖閣諸島をめぐる動きも踏まえ中国独自の主張に基づく言及がなされた。これに対し,玄葉大臣から,我が国の基本的立場について改めて述べた上で,本件をめぐる問題が日中関係の大局に影響を与えるようにすべきではなく,中国側が冷静に対応していくことが重要である旨述べた上で,尖閣諸島を平穏かつ安定的に維持・管理していくとの我が国政府の方針を説明した。

2 国民感情の抜本的改善

  1. (1)双方は,日中両国間の国民感情の現状を踏まえ,その抜本的な改善が必要であるとの認識を共有し,この観点から,日中両国民間の交流を構造的に拡充,強化すべく,政府間の「日中国民交流協議」の早期立上げに向けて調整を加速化することで一致した。
  2. (2)双方は,本年11月下旬に,東京及び長崎において,新日中友好21世紀委員会第4回会合の開催に向けて準備を充分に進めるべきであるとの認識で一致した。
  3. (3)玄葉大臣から,国民感情の改善という観点からも,東シナ海資源開発に関する国際約束締結交渉の早期再開,日本産食品等への輸入規制や日本への渡航自粛措置の早期緩和・見直しを改めて強く要請したい旨述べた。これに対し,楊部長から,東シナ海に関する原則合意を履行するとの立場は変わっていない,引き続き事務レベルでの意思疎通を図っていきたい,また,輸入規制及び渡航自粛措置については,安全確保を前提に,科学的レビューを行い,日本側要請を真剣に検討したい旨述べた。
  4. (4)双方は,日中社会保障協定交渉の早期妥結に向け努力していくことで一致した。

3 地域及びグローバルな課題への取組

(1)協力及び対話の推進

  1. (ア)双方は,日中両国だけでなく,地域及び世界の平和,安定,発展にとり重要な意義を有し,地域及びグローバルな課題への取組において協力及び対話を一層強化していくとの認識で一致した。
  2. (イ)この中で,玄葉大臣から,日米中対話を早期に開始したい旨述べ,楊部長から,現在中国側で引き続き真剣に検討している旨述べた。また,双方は,共に重要なパートナーであるASEANとの協力のあり方につき,両国間で緊密に意見交換を行うことで一致した。

(2)北朝鮮

  1. (ア)玄葉大臣から,北朝鮮による更なる挑発行為を防ぎ,六者会合再開に向けた環境を再び作り出していくことが引き続き重要であり,そのためには北朝鮮が非核化等に向けた具体的行動をとることが必要である,この観点から,中国の役割は極めて重要であり,引き続き北朝鮮に対する働きかけを要請する旨述べた。また,玄葉大臣から,拉致問題の解決に向けた協力を改めて要請した。
  2. (イ)楊部長から,朝鮮半島の平和と安定の維持は関係国の共通利益に合致するものであり,関係国が引き続き,六者会合の再開など対話と協力を通じた諸問題の解決に向けて努力することが重要である,また,日朝関係の改善を支持している旨述べた。

(3)南シナ海

  1. (ア)玄葉大臣から,日本として,南シナ海の島嶼の領有権の問題に介入するつもりはない,同時に,南シナ海をめぐる問題は,地域の平和と安定に直結し,我が国を含む国際社会全体の関心事項であり,まずは,事態の沈静化が重要である,国連海洋法条約を始めとする既存の国際法に基づき,問題が平和的に解決されることを期待する旨述べた。
  2. (イ)これに対し,楊部長から,南シナ海問題に関する中国側の基本的な立場について説明があった。

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