麻生外務大臣

麻生大臣の中南米訪問
(概要と評価)

平成19年8月

1. 訪問概要

 8月16日から22日にかけて、麻生大臣はメキシコ及びブラジルを訪問した。 メキシコにおいては、カルデロン大統領表敬、エスピノサ外務大臣との会談の他、現地日系人や日系企業関係者との懇談、同国ビジネスリーダーとの意見交換、日墨学院視察を行った。
 ブラジルにおいては、ルーラ大統領表敬アモリン外相との会談の他、サンパウロやリオデジャネイロにおいて、日系人や経済関係者等との意見交換、各種視察を行った。また、第3回FEALAC(東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム)外相会合に参加した。

2. メキシコにおける大統領表敬及び外相会談の主要点

(1)二国間関係

(イ)両国外相は、戦略的パートナーシップを更に発展させていくことで一致した。

(ロ)9月の豪州APEC首脳会議における日墨(メキシコ)首脳会談の実現に合意した。

(ハ)麻生大臣から、中南米との人物交流の中核国であるメキシコとの間で、21世紀の日墨関係に相応しい交流を目指し、交流戦略協議を開始することを提案し、エスピノサ外相はこれに同意した。

(ニ)エスピノサ外相は2009年の日墨交流400周年(「メキシコの夏」)、2010年の独立200周年、メキシコ革命100周年の記念事業の実施につき協力を要請し、麻生大臣は喜んで支援したい旨応えた。

(ホ)日墨EPAの発効により両国の経済関係は飛躍的に発展し、貿易と投資の増加がメキシコの雇用促進、競争力強化に貢献しており、さらに、中小企業・裾野産業を育成することが重要である点で一致した。

(2)国際場裡における協力

(イ)両国で2008年の安保理非常任理事国選挙について相互支持を行うことで合意した。

(ロ)気候変動問題について、カルデロン大統領から、ハイリゲンダムのG8サミットで、安倍総理からCool Earth50について伺い、この計画を評価している、メキシコに期待していただいて差し支えない、同分野に積極的に取り組んでいきたい旨発言があった。麻生大臣からは、経済成長と温室効果ガス削減は技術によって両立するものが可能であり、メキシコに対して協力していきたい旨発言した。

3. ブラジルにおける各行事の主要点

(1)ルーラ大統領表敬及びアモリン外相会談の主要点

(イ)二国間関係

 デジタルテレビ日本方式を第三国に普及させるために両国の連携を深めることで意見の一致を見た。また、バイオエタノールの活用等を中心に経済関係の再活性化について議論した。日伯交流年については、今後の日伯関係強化の良い契機となる点で意見の一致を見た。在日ブラジル人問題については、司法協力及び社会保障に関する作業部会を開催することで合意した。

(ロ)国際問題に関する対話と協力

 国連安保理改革について両国間で意見交換を継続することで意見の一致を見た。安保理非常任理事国選挙について相互に支持することで合意した。さらに、麻生大臣より直前に訪問した中東における「平和と繁栄の回廊」構想について説明した。

(2)日系社会関連行事

 サンパウロにて先没者慰霊碑への献花、日本館及び移民資料館の視察、日系人との懇談を行った。2008年に日本人のブラジル移住100周年を迎えることを踏まえ、伝統的な信頼関係構築に日系人が果たした役割に敬意を表するとともに、新しい100年に向けた活躍を期待を表明した。また、日本のソフトパワーの発信についても関係者と意見交換を行った。

(3)経済に関する意見交換、現場視察

 ブラジル経済界有力者との意見交換を行い、カンポス沖油田自動車工場エタノール工場、サトウキビ畑を視察し、ブラジルにおけるエネルギー開発、利用の状況やこれらの分野における日本企業の参加の状況を確認した。

(4)第3回FEALAC外相会合

 今次会合終了後アジア側調整国に就任し次回外相会合を主催する国としてスピーチを行った他、パナマキューバアルゼンチンの外相と二国間会談を行った。

4. 今次中南米訪問の評価

(1)メキシコ

(イ)昨年12月にカルデロン新政権が発足して以来、初めての我が国閣僚のメキシコ訪問となり、日墨新政権で、両国の戦略的パートナーシップを今後更に発展させていくことを確認できた。2008年国連安保理非常任理事国選挙について相互支持に合意した。気候変動問題における日墨両国の協力関係について双方が前向きに意見交換した。

(ロ)21世紀の日墨関係に相応しい交流のあり方について検討を進め、人的交流の強化を目指す交流戦略会議を立ち上げることで両国が合意した。

(ハ)両国で日墨EPAの実績を評価し、双方の経済に与えた好影響について確認するとともに、中小企業の育成など今後の二国間協力について前向きな反応があった。

(2)ブラジル

(イ)ブラジルとの戦略的経済パートナーシップの重要性を再確認し、政府としても経済関係の再活性化・高度化に向け協力することで一致した。

(ロ)2008年の日伯交流年(日本人ブラジル移住100周年)を次の100年に向けた二国間関係強化の良い契機とすべく協力していくことが確認できた。

(ハ)国連安保理非常任理事国選挙における相互支持の決定を含め、国際場裡における重要課題について協力関係を緊密化していくことを確認できた。

(3)FEALAC外相会合

 我が国が、東アジア地域のリーダーとして、東アジアと中南米の協力関係緊密化に積極的に取り組んでいることを、広く印象付けることができた。

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