平成19年5月28日

5月28日午前、第8回ASEM外相会合等に出席のためドイツ・ハンブルクを訪問した麻生外務大臣は、ニャン・ウィン外相と約1時間にわたり会談したところ、概要以下のとおり。
1.麻生大臣より次のとおり述べた。
(1)ミャンマーが国際社会から孤立しないよう手を打っていくことが大事であり、その象徴がアウン・サン・スー・チー女史の自宅軟禁問題である。今回、改めて軟禁措置が延長されたが、これは国際社会でのミャンマーのイメージを悪くするものであり、何らかの対応をする必要がある。
(2)また、国民会議が憲法の原則を策定してきており、次回会合で終了する見通しのようだが、その後の具体的な憲法草案作成を対外的にも開かれた形にしていくことが非常に大切である。これは日本だけの意見ではなく、ASEAN、インド等色々な国が同じことを考えている。
2.これに対し、ニャン・ウイン外相より、スー・チー女史の自宅軟禁1年間延長の決定は事実であると認めるとともに、以下のとおり経緯を説明した。
(1)これまで、同女史の解放のため準備を進めてきた。しかし、本年2月以降、同女史の背後にいる者が、解放の日、またはその後近日中に大きな騒動を起こすとの情報があった。そういう情報を背景に、国内の騒乱に直面するのか、あるいは国際社会の制裁に直面するのか、との2つの点を考慮してミャンマー政府として今回の決定を行った。後者については、EU及び米国が4月に制裁を1年間延長することを決定しており、他方、同女史を解放すると、制裁に加えて国内での混乱も起こるということで、国家の安定のため同女史の軟禁を延長せざるを得なかった。国家の安定なくして民主化はできない。逆に、もしEUや米の制裁が解除されていれば、国内が若干混乱しても解放という選択肢もあり得た。
(2)国民会議は近いうちに開催されると思う。ただ、横槍を入れる者がいるため、慎重にプロセスを進めている。次回の国民会議が円滑にいけば、その後憲法の起草作業に入るが、それも最善を尽くしたい。
3.これに対し、麻生大臣より次のとおり述べた。
(1)基本的に他国が皆ミャンマーを孤立化させたい、あるいは制裁したいと考えている訳ではない。民主化プロセスについては、タイムテーブル、時間的目標を明らかにすることが大事であり、明確なスケジュールがなければ政権維持のためだけの政策ではないかと見られる。
(2)ミャンマー政府が本当に経済発展を考え、国民生活水準を上げたいのであれば、民主化など条件を整え、日本との関係を利用して経済発展の条件を整えてもらいたい。