|
| ||||||||||||||||
| トップページ > 外交政策 > 経済 |
農業提案の概要
(骨子)平成12年12月
【交渉に際しての基本的重要事項】
- 各国におけるUR合意の実施状況等の十分な検証
- 世界的な農政上の課題としての農業の多面的機能、食料安全 保障の追求
1.基本的姿勢
「多様な農業の共存」を基本的な目標とし、
- (A)農業の多面的機能への配慮
(B)食料安全保障の確保
(C)農産物輸出国と輸入国に適用されるルールの不均衡の是正
(D)開発途上国への配慮
(E)消費者・市民社会の関心への配慮の5点を追求。2.論点毎の基本的方針
- 関税水準、アクセス数量の設定についての品目毎の事情を踏まえ、柔軟性を確保して適切に設定
- 農産物の特性に応じ、機動的、効果的に発動できるよう、運用の透明性を高めたセーフガードの検討
- 現行の規律の基本的枠組みの維持。農業の実態を踏まえた農政改革推進の観点からの要件見直しの検討
- 現実的な国内支持水準(削減約束)の設定
- 輸出補助金等の輸出奨励措置や輸出制限措置等についての規律の強化
- 輸出国家貿易についての規律の強化
(5)開発途上国への配慮
- 貿易ルール上の配慮や国際的な食料援助の取組みについての検討
(6)消費者・市民社会の関心への対応
- 食料の安定供給、食品の安全性の確保等の消費者・市民社会の関心に対する貿易ルール上の配慮
<論点>
関税水準及びアクセス数量の設定のあり方
※輸出国側は、関税水準の大幅削減又は廃止、アクセス数量の大幅な拡大を主張している。
<現状>
〔関税措置〕
(1)現行の規律
(2)UR合意による削減幅
- 輸入数量制限等の関税以外の国境措置は原則全て関税措置に置き換える。
- 1995〜2000年までの6年間で、農産物全体で36%(品目毎に最低15%)削減
〔アクセス数量〕
UR合意で関税化した農産物については最低限のアクセス機会(極めて低関税による輸入枠、国内消費量の5%)を提供。
対応方針 関税水準やアクセス数量の設定に際しては、農 業の多面的機能の発揮や食料安全保障の確保等に 配慮し、各国における生産・消費の実情、国際需 給等を踏まえ、品目毎の柔軟性を確保して適切に 設定する。
(参考)
〇 コメの総合的な国境措置・輸入管理体制の現状(2000年度)
![]()
○ミニマム・アクセス(国内消費量に対する比率、数量)の推移
(上段:比率(単位%)、下段:数量(単位万トン(玄米ベース )))
1995 1996 1997 1998 1999 2000 我が国のミニマム・アクセス数量
(99年4月関税措置へ切換え)4.0
42.64.8
51.15.6
59.66.4
68.16.8
72.47.2
76.7(参考)
特例措置を継続していた場合4.0
42.64.8
51.15.6
59.66.4
68.17.2
76.78.0
85.2
<論点>
季節性があり、腐敗しやすい等の特性を持った農産物の輸入急増等に対応する効果的な措置
※米国は、特別セーフガードの廃止を主張している。
<現状>
- 農産物に対するセーフガードは次の2つ
一般セーフガード: 全品目が対象
(調査・立証が必要)特別セーフガード: UR合意関税化品目
(自動発動)
- 一般セーフガードは発動に当たって、多くの項目の調査・立証のため一定期間が必要。このため迅速な発動は困難。
対応方針
- 農産物の特性に応じ、輸入急増等の事態に機動的、効果的に発動できるよう、運用の透明性を高めたセーフガードの検討。
- 特別セーフガードの維持。
<論点>
(1)国内支持に関する規律の取扱い
(2)削減対象となる国内支持の削減幅
※輸出国側は、規律の強化や国内支持の大幅な削減を主張している。
<現状>
(1)現行の規律
- 価格支持と一部の補助金
→「黄」= 削減対象- 貿易を歪曲しない特定の補助金
→「緑」、「青」= 削減対象外(2)UR合意による削減幅
1995〜2000年までの6年間で総額20%削減
対応方針 (1)規律
(2)削減幅
- 現行の基本的枠組みを維持
- 農政改革の推進やUR合意の実施の経験の観点から、「緑」の政策について、生産との関連性、収入保険等に関する要件の見直しを要求
- 農政改革の進捗状況に応じた現実的なものとすべき
<論点>
輸出補助金等の輸出奨励措置や輸出禁止・制限措置の扱い
※輸出規律に関する米国、EUの主張
米国: 輸出補助金は撤廃。輸出信用はOECDにおいて交渉 EU: 輸出補助金は削減。輸出信用は食料援助も含めWTOにおいて交渉すべき。 <現状>
- 現行農業協定は、輸入側の規律に比して輸出側の規律は緩やか。
- 輸出国が採る輸出禁止措置等は、輸入国の食料安全保障に重大な影響を及ぼしうる。
対応方針 輸出入国間の権利・義務バランスの回復、及び食料安全保障の観点から、輸出補助金等の輸出奨励措置や輸出制限等について規律を強化する。
<輸出規律強化の具体的な提案(例)>
(ア)輸出補助金
- 輸出補助金の更なる削減
- 輸出信用に関する規律の強化
(イ)輸出禁止・制限、輸出税
- 輸出禁止・制限措置の輸出税化
- 輸出税についての削減約束
- 輸出税が適用される品目の一定量につき輸出税を非課税とする枠の設定
<論点>
国家貿易に関する規律のあり方
※米国は、国家貿易が独占的に行っている事業の一部民営化を主張している。
<現状>
- 輸入国家貿易にかかる規律に比べて輸出国家貿易にかかる規律は緩やか。
- 輸入国家貿易は国内市場との関係で影響力。
輸出国家貿易は国際市場全体に影響力。
対応方針 輸入国家貿易と輸出国家貿易とを明確に区別。その上で、輸出国家貿易については、特に行動の透明性、予見可能性の向上、国際市場の安定化への貢献の観点から規律を強化
<輸出国家貿易に関する規律として想定される事項 (例)>
(1) 時季別の輸出数量、輸出価格及び調達価格の通報 (2) 政府からの財政支援の禁止 (3) 不測の事態を想定した最小限の輸出や備蓄の義務づけ等、国際市場の安定への貢献
<論点>
安全性や表示のルールについて、WTO上どのような論議を行うか
※食品の安全性に関する課題の貿易ルール上の取扱いについての米・EUの立場
米国: 新たな貿易障壁は認めない EU: 安全性や消費者への情報提供を重視
対応方針
- 貿易ルールの検討に当たっては、食品の安全性確保が第一
- UR合意後の新たな課題について、現行協定の問題点の有無を検証
- 遺伝子組換え食品を中心とした食品の安全性については、先の九州沖縄サミットにおける共同声明を踏まえ、OECDによる科学的知見とコーデックス食品規格委員会での議論 と連携して対応
1.市場アクセス
- 関税水準やアクセス数量の設定については、各国における多面的機能の発揮や食料安全保障の確保に配慮し、品目毎の柔軟性を確保して適切に設定する。
2.国内支持
- 各国が多面的機能の発揮や食料安全保障の確保に配慮しつつ、農政改革を円滑に推進し得るよう、「緑」の政策の要件の見直しやAMS水準の設定等を行う。
3.輸出規律
- 食料輸入国の食料安全保障の確保の観点から、輸出制限措置等について規律を強化する。
4.国家貿易
- 輸出国家貿易の行動が食料輸入国の食料安全保障に与える影響も考慮し、規律を強化する。
5.開発途上国への配慮
- 途上国における食料安全保障の確保の観点から、国内支持等貿易ルールにおける配慮や国際的な食料援助の取組みについて検討する。
6.消費者・市民社会の関心への配慮
- 世界最大の食料純輸入国である我が国の消費者・市民社会の関心に応えるため、国民への安定的な食料供給の確保に貿易ルール上十分配慮する。
| 目次 |
|
| ||||||||||