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WTO紛争処理
(米-バード修正条項:第一回パネル実質会合の概要)


1.標記会合を3月5-6日、WTO事務局(ジュネーブ)で行った。

2.紛争事案のポイント

 本件は、徴収したアンチダンピング税(AD税)及び相殺関税(CVD)をダンピング提訴者及び同提訴支持者たる国内産業に分配する米国法であり、成立時から各国が懸念を表明してきたもの。本件は日本を含む11ヶ国の申立国が米国バード法の違反を主張。

3.日本の主張の要点

(1) バード法は行政府に裁量を与えない義務的な(分配を行うことを義務づける)法律であり、法の適用ではなく法の存在そのものについてパネルで違法性を争うことが可能。
(2) ダンピング(又は補助金)に対抗するための措置は、AD協定(補助金協定)でAD税(又は相殺関税)、暫定措置、価格約束の3つに限定されており、バード法による分配は、そのいずれにもあたらず協定違反。
(3) 分配は提訴者及び提訴支持者に対して行われるため、分配の受け取りを求める国内産業者が当局による調査開始を支持するインセンティヴとなり、ダンピング・補助金調査の要件たる支持の比率に係る規定の適用が歪曲される。
(4) 上記(3)と同様の理由で、国内産業者が価格約束を米政府が受け入れることに反対するため、価格約束の成立が阻害される。
(5) 上記の違反等により、AD税及び相殺関税に関する米国法の一律、公正、合理的な運用ができなくなるのでガット10条に違反する等。


4.米国の主張

(1) 税収の使途は国家主権の問題でありWTO協定は明文上いかなる制約も課していない。
(2) バード法は補助金のプログラムである(AD・CVDとは無関係)が、違反補助金ではない。
(3) 調査開始要件及び価格約束に関する申立国の主張は推測に基づくものであるし、協定の明文には違反しない等。


5.今後は、パネル第2回会合の開催(3月中旬)があり、パネル報告は6月中旬ぐらいに出される予定。

2.その他

(1) バード法の条文では、分配するのはAD税と相殺関税と明示。
(2) 米国内でバード法改廃の動きは、今のところなし。
(3) 既に分配が始まっており、分配先及び金額は1月31日に公表。鉄鋼産業だけに限らず、ベアリング業者等他の産業も分配を受けており、分配総額は2億ドル。



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