平成23年8月

1945年に、国連は51か国で発足しましたが、旧植民地の独立や冷戦終結後の国家の分離・独立などにより、加盟国数は大幅に増加し、2011年現在、193か国に上っています。しかし、安保理の構成は、1965年に非常任理事国数が国連発足当初の6か国から10か国に増えたのみで、常任理事国の数は変わっていません。大きな変化を遂げた国際社会の現実を安保理に十分に反映させ、安保理の代表性や実効性を高める改革を行う必要があります。
冷戦の終結を受けて、国際社会の平和と安全の分野で国連が主導的な役割を果たせるよう、安保理の機能強化を進めるべきとの議論が高まり、1993年に国連総会決議により安保理改革に関する作業部会(OEWG)が設立されました。
1997年には、ラザリ国連総会議長(当時)が常任理事国を5議席、非常任理事国を4議席増やす具体的な改革案を提案し、1998年にはそれまで安保理の構成国の拡大に慎重な立場を示していた米国が途上国への新たな常任議席付与に前向きな姿勢を示すなど、改革の具体案作成に向け、機運が高まりました。
その一方で、常任理事国の拡大に反対するグループが働きかけを強めるなど、安保理改革に伴う国連憲章の改正に必要な国連加盟国の3分の2の賛成を得ることの難しさが認識された時期でもありました。
2003年後半から、国連が創設60周年の節目を迎える2005年に各国首脳が国連改革について政治的決定を行うべきとの機運が徐々に高まり、2004年9月以降、ブラジル、ドイツ、インド、日本(G4)で連携し、常任・非常任議席双方の拡大を目指し、各国に精力的な働きかけを行いました。2005年7月には、G4を中心に作成した常任6議席、非常任4議席を新たに追加する決議案を32か国の共同提案国と多数の支持国を得て国連総会に提出しましたが、同じく常任議席の拡大を主張するアフリカ連合(AU)諸国も独自に決議案を提出し、さらに非常任理事国のみの拡大を主張するコンセンサス・グループ(UFC)などの反対運動もあり、結局いずれの決議案も投票に付されることなく、2005年9月の第59回国連総会会期終了とともに廃案となりました。しかしながら、直後の2005年9月に開催された国連首脳会合の成果文書において、早期の安保理改革は全般的な国連改革努力における不可欠の要素であることが確認されました。

2005年9月以降、主に国連の場で安保理改革についての議論が継続されてきました。2008年9月に採択された国連総会決定を受けて、2009年2月から国連総会非公式本会議において政府間交渉が始まりました。現在、1)新理事国のカテゴリー(常任・非常任どの議席を拡大するか)、2)拒否権、3)地域ごとの代表性、4)拡大数と安保理の作業方法、5)安保理と総会の関係といった安保理改革の様々な要素について、活発な議論が行われています。
安保理改革に関する交渉は継続しているものの、各国の議論は収斂せず、進展が見られない状況を受けて、G4は2010年9月、日本の主催で5年ぶりに外相会合を開催しました。同会合では、政府間交渉における文書ベースでの議論の開始を歓迎するとともに、第65回国連総会会期中に改革について具体的な成果を出すべく協力していくことについて一致しました(概要)。2011年2月、G4は再度外相会合をニューヨークで開催し、柔軟な精神をもって協力していくことで一致するとともに、G4としてとる具体的な行動についての議論が行われました(概要)。日本政府としては、G4をはじめとする多くの国々と協力して引き続き交渉に積極的に参加していく考えです。
