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アクション・フロム・ジャパン -開発分野における紛争予防の強化のための日本の協力 - 平成12年7月 紛争予防に効果的に取り組むためには、紛争の様々な要因に対して包括的に対処することが重要である。我が国がこれまで行ってきている開発協力についても、紛争予防の観点を積極的に取り入れ、紛争を予防し、その拡大や再発の予防に資するような開発援助のあり方を強化することが求められている。我が国としては、G8宮崎外相会合の機会に、開発分野における紛争予防の強化のための日本の協力を「アクション・フロム・ジャパン」として打ち出したいと考える。アクション・フロム・ジャパン I.紛争予防の時系列的アプローチの強化 紛争予防の各段階における援助の強化
II.紛争予防の主体への協力の強化 紛争予防の重要な主体であるNGOの一層の重視
[バック・グラウンド・ペーパー]
-日本の取り組み- 1.基本的視点 (1)紛争は開発上の重要課題 冷戦の終焉後頻発する紛争は、一人一人の人間の生命や生活、尊厳のみならずそれを支える経済・社会基盤など開発の成果を損ない、更には難民・国内避難民の発生、放置された対人地雷による被災など、紛争後の復旧・復興、そして、その後の開発を困難とする様々な問題を引き起こす。 (2)開発は紛争の各段階に関連
開発協力の中で、貧困や経済格差といった紛争の要因となる課題に積極的に取り組むことは、紛争の予防にも資する。 (3)国際機関・NGOとの連携・協力 紛争の予防・解決・再発防止には、国際社会が一致してこれに当たる必要があるが、その一翼を担う開発協力の実施に当たっても、関連国際機関や他のドナー、更には国内の民間部門やNGOとの連携・協力が不可欠である。特に、機動性に優れ、現地の草の根レベルでのニーズに柔軟な対応が可能なNGOの役割は大きく、その活動を積極的に支援していく必要がある。 2.対応の原則 (1)紛争予防の重視 一旦紛争が発生した場合、紛争国にもたらされる人的・物的損害の大きさ及び緊急人道支援、復旧・復興に要するコストの大きさに鑑みれば、紛争予防の観点からの開発協力を重視することが効果的・効率的である。援助案件の立案・実施・評価にあたっては、紛争予防の視点に配慮するとともに、紛争予防に直接貢献する案件を積極的に取り上げていく。特に被援助国国民の意思疎通及び民主主義の基盤の強化に留意する。 (2)迅速な対応 紛争は、多くの場合、多数の難民・国内避難民を発生させ、食糧不足、貧困、病気の蔓延など様々な問題を引き起こし、時の経過とともに解決への困難が増すことから早期の対応が必要となる。特に、緊急人道支援においては、可能な限り迅速に支援を進めることとし、そのためNGOとの迅速な連携を強化する。 (3)一貫性のある支援 紛争後の復旧・復興支援では、我が国は帰還民の生活再建支援、治安やガヴァナンス(統治)の回復・強化のための制度構築に向けた支援、経済基礎インフラや医療・教育等の社会開発分野における開発計画の策定や復旧・整備など、多岐にわたる支援を実施しているが、さらに復旧・復興計画の策定段階に積極的に参画していくとともに、現地のニーズを踏まえて中・長期的視点から人づくり、国づくりに必要な支援を行っていく。 (4)ギャップの解消 緊急人道支援から復旧・復興支援、本格的な開発支援へと開発協力を円滑に進めることができないと、紛争の再発や難民・国内避難民の再発生を招きかねない。国際社会においては、緊急人道支援と復興への開発協力では中心となる協力主体が変わることもあり、この間に空白(ギャップ)が生じやすい。このギャップを埋めるための国際的努力に我が国としても積極的に参画し協力を進める。 3.具体的施策 (1)紛争予防に資する支援
平和・安定を維持している国であっても、貧困や経済・社会的な格差が多民族・多宗教の存在などとともに紛争の要因となりうることから、公平な社会の実現に向けて貧困削減・社会開発のための支援に重点を置く。また、民主主義、法制度整備、市場指向型の経済運営といった「ガヴァナンス(統治)」への支援が、紛争のない安定した公平な社会造りの礎となることから、ガヴァナンス強化のための人づくり、制度づくりに対し支援を強化する。 (2)紛争再発防止のための復興・開発支援
除隊兵士の社会復帰や帰還民の再統合、難民帰還等の前提となる対人地雷除去など紛争再発防止に対する支援を強化する。紛争の手段となる小型武器の規制・削減と治安の安定化とに資する支援を行う。 (3)NGOへの支援の強化
我が国NGOの緊急人道支援活動への関心の高まりを踏まえ、これまで関係国際機関を通じ、あるいは直接に我が国NGOの関連活動を支援してきたが、我が国NGOによる「顔の見える援助」の重要性に鑑み、すでに実施中の「NGO緊急活動支援無償」(注2)など我が国NGOへの支援策の拡充・改善を進める。 (4)緊急人道支援における民間・NGOとの連携
緊急人道支援を我が国国民の幅広い参加により効果的に実施できるよう、NGO・民間企業・メディア等が連携しつつ活動を行うための環境整備に寄与していく。特に、紛争発生時にNGOが行う初動調査や、事業立ち上げの段階で必要となる情報、資金、ノウハウ、応急救援物資、通信機器・車両の機材等の手当を、政府及び民間が協力して実施できるよう支援する。 (5)緊急復興計画の策定に向けた支援 紛争後の復旧・復興計画の迅速な策定、並びに緊急人道支援と復旧・復興支援の間のギャップの解消及び切れ目のない援助の実施を確保するために、NGOも含めた形での調査団(注5)を現地に早急に派遣するとともに、復旧・実行計画の策定及びパイロット事業の実施(注6)を行うことを検討していく。 (6)調査・評価と知識の共有 紛争予防・再発防止に果たす開発援助の役割について具体的なケースを対象として評価を実施し(例えばカンボディア)、その意義・メリットを広く伝える。 (7)人材育成 紛争に伴い難民、国内避難民が発生した場合に、効果的かつ迅速に緊急人道支援を行うためには、所要の訓練と人材の育成が不可欠である。そのため、アジア・大洋州地域のNGOを中心とする関係者を対象にしたトレーニングへの支援を行う(UNHCRが「アジア・大洋州地域国際人道支援センター」計画を策定)。UNHCRの「センター」計画に対しては通信教育や講習会等を行う経費に対する「人間の安全保障基金」からの拠出を積極的に検討する。
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