外交政策

ワシントン条約第16回締約国会議(概要と評価)

平成25年3月18日

3月3日(日曜日)から14日(木曜日)にかけて、ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)第16回締約国会議(COP16)が開催されたところ、概要と評価は以下のとおり。
 
1. 会議の概要
(1)3月3日(日曜日)~14日(木曜日)まで、タイのバンコクにおいて開催。
全体会合:3~4日、第一及び第二委員会:5~13日、全体会合:13日~14日。
(2)わが国より、宮原・水産庁次長、香川・水産庁増殖推進部長、杉中・外務省地球環境課長他が出席。
 
2.議論の概要
(1)秘密投票に関する手続き規則の改正提案
秘密投票の実施要件を引き上げる提案2案について、審議の結果、修正提案も含めて投票で否決され、我が国の主張どおり、現行の手続き規則が維持されることとなった。
 
(2)主要附属書改正提案(全70提案種)
(ア) ホッキョクグマ
附属書IIから商業目的の国際取引を原則禁止する附属書Iに移動する米国提案。気候変動による減少の懸念であるため、取引規制の必要性について賛否が分かれ、投票により否決された。
(イ) イシガメ類
リュウキュウヤマガメを含むアジア産イシガメ科15種を附属書IIに新規掲載する米国および中国の共同提案。全会一致で可決された。これにより、日本からのリュウキュウヤマガメを附属書IIに掲載する提案は審議されなかった。
(ウ) サメ・エイ類
ヨゴレ、シュモクザメ3種、ニシネズミザメ及びマンタ類が附属書IIに掲載されることが決定した。
 
3.わが国の対応
日本政府は、昨年11月以降、秘密投票の実施要件を引き上げる提案に反対するよう、各国に働きかけを実施(我が方公館より任国ハイレベルへの働きかけ、政務レベルでの会談等の機会を通じた申し入れ、各国へのミッションの派遣等)。
 
4.評価
今次会議における我が国にとっての主要議題は、手続き規則・秘密投票の実施要件を引き上げる提案、我が国も食用に消費するサメ3件(ヨゴレ、シュモクザメ3種、ニシネズミザメ)の附属書II掲載提案、及び、我が国として初の提案となるリュウキュウヤマガメの附属書II掲載提案、であった。
 
(1) 秘密投票
実施要件を引き上げる提案については、年末の早い段階から各国へ積極的な働きかけを行いつつ、現場でも柔軟な対応を行い、手続き規則の修正要件に関する動議(Point of Order)をかけたことが奏功し、本提案が最終的に反対多数で否決された。これにより、これまで不明であった手続き規則の改正の手続きが明確化され、秘密投票を行う権利が確保されたことは大きな成果であった。
 
(2) 海産種(サメ3件及びマンタ)の掲載提案
わが国は、商業漁業対象種の管理は地域漁業管理機関(RFMO)で行うべきとの考えから、海産種のCITES附属書掲載に反対していたが、投票により附属書掲載が決定された。今回の決定によって、商業漁業種の保存・管理にCITESの関与を求める声が大きくなることが予想される。今後、CITESとRFMOの関係のあり方について検討する必要がある。

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