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街中いたるところで高層ビルやマンションの建設が進み、道路には日本車が溢れ、市場には商品が豊富に並んでいる。
ミシミシと音がするような都市の発展が肌で感じられる、バングラデシュの首都ダッカ市。
人口は570万人(ダッカ首都圏1300万人)、人口密度は43,000人/km2(東京23区の3倍以上)の世界有数の人口密集都市だ。
一方で、貧しい農村部から職を求めて移動してくる人々が後を絶たない。
人口増加と無秩序な都市拡大が加速している。
ゴミが河川を汚染する。
人が生活すれば必ずゴミが発生する。
毎日大量に発生するゴミの管理は、ダッカ市が抱える深刻で緊急の課題の一つだ。
現在、市が収集するゴミは実際に発生しているゴミ量の約43%にしか満たない。
置き去りにされたゴミは、街の衛生状況を著しく悪化させている。
また、雨季にはゴミが排水溝に詰まって浸水を引き起こし、上水道の原水でもある河川の水質汚染の原因ともなっている。
都市活動全体に関わる問題なのである。
ゴミの負の影響を最も受けやすいのは、条件の悪い地域に肩を寄せ合うように暮らす貧困層の人々である事実も見過ごせない。
居住環境を脅かすゴミ。
将来はますます深刻になるであろうダッカのゴミ問題に対し、JICAは2003年12月に技術協力(開発調査)を開始した。
ダッカの都市環境の改善を目指して、市職員と日本人専門家が協力してゴミ管理の将来計画を作成し、計画を実行に移す取り組みを二人三脚で行っている。
ゴミ問題を解決する上で最も重要で最も難しいのは、人々のゴミや衛生に対する意識を高め、行動を変えること。
協力事業では、まず、排水溝や道に捨てたゴミが、自分たちの生活や環境にどう跳ね返ってくるか、住民に理解してもらうところからスタートした。
家庭から出たゴミをコミュニティで収集する方法について、住民と議論を重ねた。
子供たちは街をきれいにするキャンペーンのマスコットを考えた。
意識を高める仕掛けの一つとして、各コミュニティのゴミに対する取り組みを競い合うコンテストを行った。
試行錯誤の取り組みの中で、徐々にではあるが、住民たちがゴミを自分達の問題としてとらえ始めていることを感じる。

各家庭の協力が重要。 |
 コミュニティでゴミを収集する。 |
ダッカ市の職員の意識も変わってきている。
経験や能力はまだ不足しているが、「ゴミを管理する」考え方と自分たち行政の使命を理解し始めている。
協力の過程の中で、もともと市の組織の中に存在しなかった、ゴミ管理のための部署が設立されたことは大きな一歩だ。
子供達の笑顔のために。
ゴミは社会を映す鏡。
ダッカの社会の仕組みを尊重したゴミ管理の将来計画は、2005年3月に出来上がった。
今後も、計画に基づく市の取り組みと住民の意識向上への支援が必要とされている。
時間はかかるが、自助努力を引き出しながら、粘り強く共に前進していくのが日本の技術協力。
安全に健康に暮らせる都市を次世代の子供たちに残すため、ダッカの挑戦はこれからも続いていく。
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