モーリタニアは,アフリカの最西端部分,モロッコの南,セネガルの北に位置する国です。
国土は日本の約3倍で,その3分の2は砂漠地帯です。
この砂漠はサン・テグジュペリの「星の王子さま」の舞台としても知られています。
国教はイスラム教で,街のあちこちにモスクが建ち並び,1日5回のお祈りの時間には町中にアザーン(礼拝への呼びかけ)が流れます。
公用語はアラビア語で実用言語としてはフランス語が使われています。

サハラ砂漠
日本では,地理的にも離れているため,あまりなじみがないかもしれませんが,スーパーに並ぶ「タコ」のパッケージで「モーリタニア」の国名を目にしたことがあるのではないでしょうか。
モーリタニアはおよそ750キロメートルに及ぶ海岸線をもち,その海域は世界でも最も豊かな漁場の一つです。
日本との関係も深く,モーリタニアの水産物の内およそ6割が日本向けであり,中でもタコは9割が日本に輸出されているなど,水産物の貿易は日本・モーリタニア関係の象徴となっています。
また,多くの鉱物資源にも恵まれ,特に「タジアスト金鉱山」の金生産量は現在年間25万オンスで,2014年には100万オンスにまで増加し,「アフリカ最大の金鉱山」となる見込みです。
他にも鉄,銅の生産を行っている他,石油,天然ガス,ウラン,レアアース,リン鉱石等の埋蔵が確認される等,多くのポテンシャルを持つ資源大国とも言えます。
さらに,モーリタニアには4つの古代都市が「ユネスコ世界文化遺産」として登録されている他,多くの歴史的に大変貴重な古文書や遺跡が発見され,歴史的,文化的にも重要な国です。

ユネスコ世界文化遺産「シンゲッティの塔」
このモーリタニアに,我が国は,2009年12月に日本大使館を開館し,2010年 2月に初代大使が着任しました。
2008年のクーデターの後,2009年には民主的な選挙によりアブデル・アジズ大統領が選出されました。
同大統領は,就任時に掲げた「腐敗との戦い」「貧困との戦い」「テロとの戦い」に真剣に取り組み,国民からも期待されています。
このため,「アラブの春」に象徴される周辺国の政情不安が高まる中にあっても,モーリタニアの政情は安定しています。
他方,2010年の経済成長率は5.2%と経済は発展しつつあるものの,国民の約3割が1日1ドル未満で生活している開発途上国であり,貧富の差,失業等の問題をかかえ,まだまだ援助を必要としています。
日本はモーリタニアに対し,1977年から水産分野を中心に,教育・保健・水分野や食糧安全保障分野における経済協力を実施してきました。
その援助は「きめの細かい住民に直接届く援助」として広く周知され,特に,無償資金協力で建設した小中学校や井戸,草の根・人間の安全保障無償資金協力で整備した保健センター等は住民の基礎生活基盤に直接貢献するものとして大変感謝されています。

無償資金協力で建設された教室で勉強する子供たち
また,国際機関との協力も積極的に行っており,UNICEFやUNHCR等の国連機関や世界銀行やアフリカ開発銀行との協力を行った実績もあります。
このような日本のモーリタニアに対する長年の経済協力の成果もあり,モーリタニアはとても「親日的」な国です。
2009年12月の日本大使館開館以降,2011年1月には菊田外務大臣政務官(当時)がモーリタニアを訪問,2011年11月にはハマディ外務大臣が,モーリタニアからは初めての外務省賓客として日本を訪問しました。
これら要人の相互訪問により,経済協力関係,民間投資の促進を含め二国間関係は大きく進展しました。
特に経済協力分野においては,大使館開館以降この2年間,援助を「日本の「顔」の見える援助」にするため,二国間援助,国際機関との協力を含め,日本の支援がモーリタニアのテレビや新聞等で取り上げられるよう,プロジェクト開始式典に大使館が積極的に参加する等,広報努力を行っています。
例えば,食糧援助の供与の際は「署名式の実施」,「米の引渡式の開催」,食糧援助積み立て資金(食糧援助で供与された米を販売した資金を積み立て,経済・社会開発に資するプロジェクト等の資金に充てる制度)を利用したプロジェクトとして行われた「米の無料配布式」に大使が出席する等,ひとつの援助で3回のアピールを行いました。
また,通常日本の援助の色が出にくい国際機関等と協力して行う援助に関しても,世銀のジャパン・ファンドによるNGO支援では地方での活動開始式に大使が出席し,地方の住民に対しても「顔の見える援助」になる様努めています。
昨年支援したUNICEFの「国連ミレニアム開発目標達成に向けた保健・教育支援プロジェクト」では,「プロジェクトの開始,予防接種キャンペーン」,「コールドチェーン(ワクチンを保管する為の冷蔵庫や保冷箱等の機材)の引き渡し」,「教材配布」の際には,それぞれ関係大臣出席の下式典を開催し,大使が出席し,テレビや新聞で大きく取り上げられました。特に「教材配布」式典に関わる写真はUNICEF東京事務所のホームページにも掲載され,モーリタニアにおける日本政府とUNICEFの友好的な協力関係として紹介されました。
このようにして,大使館開館により,日本の援助をより多くの人々にアピールすることが可能になりました。

ユニセフのMDGs達成に向けたプロジェクトの引渡式。東博史大使とユニセフ地域事務所代表と子供たち。 |

UNICEFのプロジェクトにより供与されたワクチン保存用冷蔵庫。日本のODA支援であることを示すステッカーが貼られている。 |
また,住民に直接届く援助として高く評価されている「草の根・人間の安全保障無償資金協力」に関しては,大使館開館以降,保健センター整備,職業訓練所整備等,3件の署名を行なっており,本年度の案件では「安全な水へのアクセス改善計画」を実施する予定です。

草の根・人間の安全保障無償資金協力で支援した保健センター整備計画の引渡式
今後も日本の対モーリタニア援助がモーリタニアと日本の友好的な二国間関係を形成する手段となる様,取り組んでいきます。
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東日本大震災を受け,モーリタニアからは義捐金の寄付がありました。また,チャリティ・イベントや募金活動も行われました。
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