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コンゴ民主共和国(旧ザイール)は、1997年まで続いたモブツ独裁政権時代、その後の内戦、すべての内戦当事者が参加した暫定政権時代という困難な時期を経て、この2006年12月、独立以来初めての民主化移行を成し遂げました。
首都キンシャサでは主要ドナーの経済協力担当官が毎週のように集い、民主化移行後の対コンゴ援助の優先分野を特定する作業を行っています。主要ドナーの目標は、コンゴ人に「民主主義への移行によって生活が改善した、やはり民主化してよかった」という実感を持ってもらえるようなインパクトのある支援を行うことです。長い間武力によって物事を決定してきたこの国に民主主義が定着し、社会的な安定が確保されるためには、こうした国民の実感が必要なのです。
そのためにも、主要ドナーが今のコンゴの現状とニーズを把握し、ドナー間で重複が生じないように調整することで、全体としてインパクトのある援助を実現することが必要です。選挙プロセスの間、たびたびキンシャサ市内で銃撃戦が起こり、もしかしたらまた内戦が始まってしまうかもしれないという不安定な状況の中で、主要ドナーの間ではこうした粘り強い努力が積み重ねられたのです。
内戦により、我が国の二国間援助は草の根無償を除いて一端中断されました。現在でも、当地にJICA事務所はなく、JICA専門家や青年海外協力隊の方々もいません。当地では、在コンゴ民主共和国日本国大使館の経済協力担当のほか、在南アフリカ共和国JICA事務所から度々出張者がきてコンゴに対する協力を進めています。こうした制約の中、いかにして必要とされている援助を行うか、日本の顔の見える援助を行うかが課題です。
ここ数年、我が国は二国間食糧援助、UNICEFやUNDP等の国際機関を通じた人道援助、JICAによる警察研修等を行ってきました。徐々に我が国の援助の領域を拡大しつつありますが、民主的な新政権が発足すれば、主要ドナーと足並みを揃えて、本格的な支援を再開する必要があると思います。
他方、民主化移行を果たしたといっても、東部地域では依然として反政府武装集団と国軍との間の武力衝突や、紛争による避難民が故郷に帰ることができないという人間に対する直接の脅威が存在します。こうした地域は治安上の問題から、日本の援助関係者が入っていける状況ではありません。また、たとえ援助をしても治安が悪化すればそれが台無しになってしまう可能性もあります。しかし人道援助のニーズはこうした地域ほど高い。紛争と貧困は密接に繋がり合っているのです。
こうした地域で活動するNGO等から支援要請を受けるたびに、国民の税金で賄われている日本の援助を有意義に使用しなければならない制約と、だからといって何もしないで放置していいのかという良心との狭間で悩みます。こうした歯がゆさや無力感を抱えながらこの国に対する我が国の援助を考えています。
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