ODAとは? 援助政策

ミレニアム開発目標(MDGs)の目標8に関する報告書
BUILDING GLOBAL PARTNERSHIPS FOR DEVELOPMENT:Japan's Contribution to MDG 8
(和文概要)

平成17年9月9日

報告書本文(英文)PDF

 外務省は、本年9月に開催されるミレニアム宣言に関する首脳会合に向けて、MDGsの目標8に関する報告書(英文)を発表した。目標8は、主に先進国が取り組むべき指標をとりまとめたものであり、具体的にはODA、市場アクセス、債務の持続可能性等の援助、貿易、投資等を通じた開発途上国の開発全般に関する包括的、分野横断的な指標を定めている。本報告書は、第1章「政府開発援助(ODA)」、第2章「貿易・投資、その他政府資金の流れ(OOF)」、第3章「債務救済」の構成で、目標8に関連する項目ごとに1990年から現在までの日本の貢献をとりまとめ記述した。以下、本報告書の和文概要をまとめた。

第1章:政府開発援助(ODA)

1.ODA量

  • 日本は1991年から2000年まで世界最大のドナーであり、1990年から2003年までのODA総額は1533億ドルと世界のODAの5分の1を拠出。
  • 2003年の実績については89億ドル(ネット)。二国間ODAのうち53.6%がアジア向け(32億ドル)。
  • ODA対GNI比は1990年には0.31%、2003年には0.20%。
  • 2005年7月のG8グレンイーグルズ・サミットで小泉総理が今後5年間でODA事業量について100億ドルの積み増しを表明。アフリカ向けODAについても今後3年間で倍増を表明。
  • 開発資金の増加のためには、南南協力によるドナー層の拡大も重要。

2.国際機関を通じた援助

  • 2003年の実績は25億ドル、1990年から2003年の累積額は372億ドル(総額の約15%)で、DAC諸国中最大の貢献。
  • 主要な国連開発グループ(UNDG)機関へ8.7億ドルの拠出。国際開発金融機関(MDBs)へは14億ドルの拠出(2003年)。
  • MDBsに対する「東アジアの奇跡」等の主要な研究への支援を通じた知的貢献も実施。

3.後発開発途上国(LDC)、内陸開発途上国(LLDC)及び小島嶼開発途上国(SIDS)向け援助

  • 2003年のLDC向け援助実績は11億ドルであり、無償資金協力の供与相手国トップ5のうち3ヶ国がLDC(アフガニスタン、バングラデシュ、カンボジア)。
  • 1993年以降、基礎生活、インフラ、農業等の分野で127億ドル以上のアフリカ向け二国間ODAを実施。
  • LLDC向け経済インフラ支援は1990年代を通じて第1位(1995年2.9億ドル、1998年4.3億ドル、2000年2.7億ドル)、2003年にカザフスタンのアルマティで開催されたLLDC閣僚会議でも主要な役割を担った。
  • 2003年のSIDS向け支援総額は1.4億ドル、1997年から3年に一度の頻度で「太平洋・島サミット」を開催。第3回「太平洋・島サミット」では、太平洋島嶼地域の開発戦略である「沖縄イニシアティブ」を採択。

4.援助効果向上

  • 2000年以降、ODA大綱の改定、JICA及びJBICの組織改革等、援助効果向上のためODA改革を推進。
  • 2003年、2005年にそれぞれローマ、パリで開催されたハイレベル・フォーラムにおいても、準備のためのアジア地域ワークショップを開催するなど積極的な貢献。また、パリ・ハイレベル・フォーラムでは、日本独自に行動計画をとりまとめ公表。
  • ベトナム、バングラデシュ、タンザニア他で、援助効果向上の具体的な取組を実施。
  • アンタイド率についても、DAC勧告を忠実に実施。2003年の二国間ODAにおけるアンタイド率は96.1%。

5.経済成長を通じた貧困削減

  • 1990年から2001年までの東アジア・大洋州のODA受取額は781億ドルと、サブサハラ・アフリカの1107億ドルより少ないが、同期間における東アジア・大洋州の平均経済成長率は7.5%であり、2億人が貧困から脱出。
  • 日本は従来より経済インフラへの支援を重視しており、実績は1990年から2003年の累積で669億ドル。
  • アジアでの開発経験を生かし、貿易・投資の促進による民間セクター支援を主導してきた。2005年、アフリカの民間セクター開発のためのイニシアティブ(EPSA)を通じアフリカ開発銀行と連携して向こう5年間で、10億ドルを上限とした譲許的融資と4000万ドルを上限として無償支援を行う旨表明。
  • アフリカの農業の発展、農村生活の向上が貧困削減には不可欠との考えに基づき、ネリカ稲の開発・普及を含むアフリカの農業生産性を高める活動を支援。
  • 職業訓練支援に関する2003年の実績は478億ドルでDAC諸国中第2位。

6.基礎社会サービス向けODA

  • 基礎教育分野について、「成長のための基礎教育イニシアティブ(BEGIN)」の下、2002年度は2.3億ドル、2003年度は3.4億ドルの実績。途上国の万人のための教育(EFA)達成に向けた支援を強化。
  • 2000年の九州・沖縄サミットで発表した「沖縄感染症対策イニシアティブ(IDI)」のもと2000年度から2003年度の4年間で41億ドルの実績。
  • 世界エイズ・結核・マラリア対策基金へは2002年から2005年の4年間で3.3億ドルを拠出し、さらに今後当面5億ドルの拠出を実施する旨表明。
  • 「『保健と開発』に関するイニシアティブ(HDI)」に基づき2005年度から5年間で総額50億ドルを目途とする協力を実施。
  • 2005年6月に東京にて「保健MDGsに関するアジア太平洋ハイレベル・フォーラム」を開催。採択した議長総括を同年9月のミレニアム宣言に関する首脳会合等で発信予定。
  • 水・衛生分野における1998年から2002年の実績は世界全体の41%で世界最大のドナー国。
  • 2003年3月の第3回世界水フォーラム閣僚級国際会議において「日本水協力イニシアティブ」を発表。同イニシアティブに基づき2003年度からの2年間で約1500人の人材育成を実施。

7.防災への貢献

  • 2004年12月のスマトラ沖地震の際には迅速に5億ドルの支援を表明し(うち2.5億ドルが国際機関経由、2.5億ドルが二国間無償資金協力)、翌年1月中に支払いを終了。
  • 2005年1月神戸で開催された国連防災会議で「防災協力イニシアティブ」を発表。
  • 防災と災害復興分野における2004年度の資金協力実績は6.6億ドル。
  • 2005年4月のアジア・アフリカ首脳会議では、防災・災害復興対策について、アジア・アフリカ地域を中心として今後5年間で25億ドル以上(無償資金協力15億ドル以上を含む)の支援を行う旨表明。

第2章:貿易・投資、その他政府資金の流れ(OOF)

1.市場アクセス改善と貿易歪曲的措置の削減

  • 2003年4月のLDC産品向け無税・無枠の制度拡充により、LDCからの輸入金額の約93%(鉱工業産品に関してはほぼ100%)が無税・無枠。グレンイーグルズ・サミットでもLDC産品に対する市場アクセスの更なる拡大の意志を表明。
  • 繊維及び繊維製品については、2005年1月の繊維協定(ATC)失効以前より無税・無枠。
  • LDCからの農業産品の輸入額は2002年で3.8億ドルと、米国に次いで第2位、農業産品に対する輸出補助金もゼロを維持。
  • WTOドーハラウンドでは、農業や、LDC諸国にも特に裨益する非農産品市場アクセスの改善を目指し努力しているほか、主要ドナーとして貿易関連キャパビルの重要性についても強調。

2.貿易関連キャパシティの強化

  • 貿易キャパシティ育成支援のODA件数は年間1000件以上。
  • 貿易関連インフラ支援については1990年から2002年の累積でDAC諸国中最大の実績(道路:171億ドル(シェア45.4%)、鉄道:98億ドル(64.6%)、港湾:39億ドル(45.8%)、空港:50億ドル(72.8%))。
  • 1993年以降、アフリカ向けインフラ支援のため50億ドルを拠出。また、2004年11月にはTICADアジア・アフリカ貿易投資会議を東京で開催し、アフリカの貿易・投資促進のため、「適切な政策」、「商品開発」、「中小企業育成」、「民間企業の社会貢献」の4つのコンセプトを提示。

3.その他政府資金の流れ(OOF)と海外直接投資(FDI)

  • 途上国向けOOF、民間資金については、1990年代を通じて前者はDAC諸国中第1位(シェア平均43.3%)、後者は概ね第2位(シェア平均19.2%)。
  • FDIや経済協力の促進のために南南協力も重要との考えのもと、途上国二国間投資協定(BITs)交渉の主催、アフリカ・アジアビジネスフォーラムの開催、TICADエクスチェンジネットワークの設立等、積極的に貢献。

第3章:債務救済

  • 従来より、国際合意(トロント・ターム等)に基づく債務救済に取り組むとともに、1978年のUNCTADの貿易開発理事会決議に基づく債務救済を実施。
  • 重債務貧困国(HIPCs)に対しては、G7の全貢献分の約4分の1にあたる約54億ドル(2000年名目値)の債務救済を行うこととし、「拡大HIPCsイニシアティブ」を超えた自発的措置として他のG7諸国とともにODA及び適格な非ODA債権の100%削減を実施。
  • グレンイーグルズ・サミットでG8諸国は、適格なHIPCsがIMF、IDA及びAfDFに対して抱える債務残高を100%削減する提案に同意。
  • 拡大HIPCイニシアティブによる2004年の債務削減額は22億ドル(現在価値)で、G8諸国中最大規模(G8諸国貢献分の約21%)。

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