ODAとは?

ミレニアム開発目標(MDGs)とは

(Photo: Mika Tanimoto/JICA)

 ミレニアム(千年紀)とは、キリストの誕生から数えて1000年ごとの区切りを意味します。新しいミレニアムの始まりを目前にした2000年9月、147の国家元首を含む189の加盟国代表の出席の下、国連ミレニアム・サミットがニューヨークで開催され、21世紀の国際社会の目標として国連ミレニアム宣言が採択されました。ミレニアム宣言は、平和と安全、開発と貧困、環境、人権とグッドガバナンス(良い統治)、アフリカの特別なニーズなどを課題として掲げ、21世紀の国連の役割に関する明確な方向性を提示しました。

 この国連ミレニアム宣言と1990年代に開催された主要な国際会議やサミットで採択された国際開発目標を統合し、一つの共通の枠組みとしてまとめられたものがミレニアム開発目標(MDGs)です。

MDGs設定の背景

 1980年代には、多くの途上国で市場経済メカニズムに依拠する構造調整政策を通じた開発手法が採用されましたが、この手法はしばしば順調に進まず、また貧困の悪化をも引き起こすことがありました。その反省もあり1990年代は貧困に対する関心が高まり、1995年の世界社会開発サミットでは、人間中心の社会開発を目指し、世界の絶対的貧困を半減させるという目標が提示されました。続く1996年には日本が提案したOECD-DAC新開発戦略において国際開発目標(IDGs:International Development Goals)が採択され、そこでも2015年までに極端な貧困人口の割合を半減させるといった目標が掲げられました。MDGsはこのような人間を開発の中心に置く国際潮流を発展的に統合したものといえます。

8つの目標

 MDGsは以下の8つの目標を掲げており、その下にはより具体的な21のターゲットと60の指標が設定されています。ほとんどの目標は1990年を基準年とし、2015年を達成期限としています。

 それぞれの目標自体は必ずしも目新しいものではありません。しかし、先進国と開発途上国双方を含む世界中の指導者が、達成期限と具体的な数値目標を定め、これらの目標の実現を公約したこと、また2005年国連首脳会合や2010年のMDGs国連首脳会合などの機会に、首脳レベルでMDGs達成に向けた努力の強化を約束してきていることには大きな意義があります。

目標と主なターゲット

(ロゴ)MDG1
目標1:極度の貧困と飢餓の撲滅
  • 1日1.25ドル未満で生活する人口の割合を半減させる
  • 飢餓に苦しむ人口の割合を半減させる
(ロゴ)MDG2
目標2:初等教育の完全普及の達成
  • すべての子どもが男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする
(ロゴ)MDG3
目標3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
  • すべての教育レベルにおける男女格差を解消する
(ロゴ)MDG4
目標4:乳幼児死亡率の削減
  • 5歳未満児の死亡率を3分の1に削減する
(ロゴ)MDG5
目標5:妊産婦の健康の改善
  • 妊産婦の死亡率を4分の1に削減する
(ロゴ)MDG6
目標6: HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
  • HIV/エイズの蔓延を阻止し、その後減少させる
(ロゴ)MDG7
目標7:環境の持続可能性確保
  • 安全な飲料水と衛生施設を利用できない人口の割合を半減させる
(ロゴ)MDG8
目標8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
  • 民間部門と協力し、情報・通信分野の新技術による利益が得られるようにする

*ロゴは「特定非営利活動法人 ほっとけない 世界のまずしさ」が作成したもの。

MDGs一覧

ゴール 目標とターゲット 指標
ゴール 1:極度の貧困と飢餓の撲滅 ターゲット1.A:2015年までに1日1.25ドル未満で生活する人口の割合を1990年の水準の半数に減少させる。

1.1 1日1.25ドル(購買力平価)未満で生活する人口の割合
1.2 貧困ギャップ比率
1.3 国内消費全体のうち、最も貧しい5分の1の人口が占める割合

ターゲット1.B:女性、若者を含むすべての人々に、完全かつ生産的な雇用、そしてディーセント・ワークの提供を実現する。

1.4 就業者1人あたりのGDP成長率
1.5 労働年齢人口に占める就業者の割合
1.6 1日1ドル(購買力平価)未満で生活する就業者の割合

1.7 総就業者に占める自営業者と家族労働者の割合
ターゲット1.C:2015年までに飢餓に苦しむ人口の割合を1990年の水準の半数に減少させる。

1.8 低体重の5歳未満児の割合
1.9 カロリー消費が必要最低限のレベル未満の人口の割合

ゴール2:初等教育の完全普及の達成 ターゲット2.A:2015年までに、全ての子どもが男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする。

2.1 初等教育における純就学率
2.2 第1学年に就学した生徒のうち初等教育の最終学年まで到達する生徒の割合
2.3 15~24歳の男女の識字率

ゴール3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上 ターゲット3.A:可能な限り2005年までに、初等・中等教育における男女格差を解消し、2015年までに全ての教育レベルにおける男女格差を解消する。

3.1 初等・中等・高等教育における男子生徒に対する女子生徒の比率
3.2 非農業部門における女性賃金労働者の割合
3.3 国会における女性議員の割合

ゴール4:乳幼児死亡率の削減 ターゲット4.A:2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減する。

4.1 5歳未満児の死亡率
4.2 乳幼児死亡率
4.3 はしかの予防接種を受けた1歳児の割合

ゴール5:妊産婦の健康の改善 ターゲット5.A:2015年までに妊産婦の死亡率を1990年の水準の4分の1に削減する。

5.1 妊産婦死亡率
5.2 医師・助産婦の立ち会いによる出産の割合

ターゲット5.B:2015年までにリプロダクティブ・ヘルスへの普遍的アクセスを実現する。

5.3 避妊具普及率
5.4 青年期女子による出産率
5.5 産前ケアの機会 
5.6 家族計画の必要性が満たされていない割合

ゴール6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止 ターゲット6.A:HIV/エイズの蔓延を2015年までに食い止め、その後減少させる。

6.1 15~24歳のHIV感染率
6.2 最後のハイリスクな性交渉におけるコンドーム使用率
6.3 HIV/エイズに関する包括的かつ正確な情報を有する15~24歳の割合
6.4 10~14歳の、エイズ孤児ではない子どもの就学率に対するエイズ孤児の就学率

ターゲット6.B:2010年までにHIV/エイズの治療への普遍的アクセスを実現する。 6.5 治療を必要とするHIV感染者のうち、抗レトロウィルス薬へのアクセスを有する者の割合
ターゲット6.C:マラリア及びその他の主要な疾病の発生を2015年までに食い止め、その後発生率を減少させる。

6.6 マラリア有病率及びマラリアによる死亡率
6.7 殺虫剤処理済みの蚊帳を使用する5歳未満児の割合
6.8 適切な抗マラリア薬により治療を受ける5歳未満児の割合
6.9 結核の有病率及び結核による死亡率
6.10 DOTS(短期科学療法を用いた直接監視下治療)の下で発見され、治療された結核患者の割合

ゴール7:環境の持続可能性確保

ターゲット7.A:持続可能な開発の原則を国家政策及びプログラムに反映させ、環境資源の損失を減少させる。

ターゲット7.B:生物多様性の損失を2010年までに確実に減少させ、その後も継続的に減少させ続ける。

7.1 森林面積の割合
7.2 二酸化炭素の総排出量、一人当たり排出量、GDP1ドル(購買力平価)当たり排出量
7.3 オゾン層破壊物質の消費量
7.4 安全な生態系限界内での漁獲資源の割合
7.5 再生可能水資源総量の割合
7.6 保護対象となっている陸域と海域の割合
7.7 絶滅危機に瀕する生物の割合

ターゲット7.C:2015年までに、安全な飲料水及び衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減する。

7.8 改良飲料水源を継続して利用できる人口の割合
7.9 改良衛生施設を利用できる人口の割合

ターゲット7.D:2020年までに、少なくとも1億人のスラム居住者の生活を改善する。

7.10 スラムに居住する都市人口の割合

ゴール8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

ターゲット8.A:さらに開放的で、ルールに基づく、予測可能でかつ差別的でない貿易及び金融システムを構築する(良い統治、開発及び貧困削減を国内的及び国際的に公約することを含む。)
 
ターゲット8.B:後発開発途上国の特別なニーズに取り組む(後発開発途上国からの輸入品に対する無税・無枠、重債務貧困国(HIPC)に対する債務救済及び二国間債務の帳消しのための拡大プログラム、貧困削減にコミットしている国に対するより寛大なODAの供与を含む。)

ターゲット8.C:内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国の特別なニーズに取り組む(小島嶼開発途上国のための持続可能な開発プログラム及び第22回国連総会特別会合の規定に基づく。)


ターゲット8.D:債務を長期的に持続可能なものとするために、国内及び国際的措置を通じて開発途上国の債務問題に包括的に取り組む。

以下に挙げられた指標のいくつかについては、後発開発途上国、アフリカ、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国に関してそれぞれ個別にモニターされる。

政府開発援助(ODA)
8.1 ODA支出純額(全体および後発開発途上国向け)がOECD開発援助委員会(DAC)ドナー諸国の国民総所得(GNI)に占める割合
8.2 基礎的社会サービスに対するDACドナーの分野ごとに配分可能な二国間ODAの割合(基礎教育、基礎医療、栄養、安全な水及び衛生)
8.3 DACドナー諸国のアンタイド化された二国間ODAの割合
8.4 内陸開発途上国のGNIに対するODA受取額
8.5 小島嶼開発途上国のGNIに対するODA受取額
市場アクセス
8.6 先進国における、開発途上国及び後発開発途上国からの輸入品の無税で  
の輸入割合(価格ベース。武器を除く。)
8.7 先進国における、開発途上国からの農産品及び繊維・衣料輸入品に対す る平均関税率
8.8 OECD諸国における国内農業補助金の国内総生産(GDP)比
8.9 貿易キャパシティ育成支援のためのODAの割合
債務持続可能性
8.10 HIPCイニシアティブの決定時点及び完了時点に到達した国の数
8.11 HIPCイニシアティブ及びMDRIイニシアティブの下でコミットされた債務救済額
8.12 商品及びサービスの輸出額に対する債務返済額の割合

ターゲット8.E:製薬会社と協力して、開発途上国において人々が安価で必要不可欠な医薬品を入手できるようにする。

8.13 安価で必要不可欠な医薬品を継続的に入手できる人口の割合

ターゲット8.F:民間部門と協力して、特に情報・通信における新技術による利益が得られるようにする。

8.14 人口100人当たりの電話回線加入者数
8.15 人口100人当たりの携帯電話加入者数
8.16 人口100人当たりのインターネット利用者数

MDGsの達成状況

 国連はMDGsの達成状況に関する報告書を毎年発行しています。主な指標の地域ごとの達成状況は、以下のプログレスチャートにまとめられています。

 詳細については、国連ミレニアム開発目標報告(2012英語版(PDF)2011英語版(PDF)他のサイトへ)をご参照ください。

(図)MDGsの達成状況

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