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対中ODA(詳細)

1.対中ODAの基本方針

 我が国の安全と繁栄を維持・強化するためには、平和な国際環境の保持が必要であり、特に我が国が位置する東アジア地域の安定と繁栄が不可欠です。そのためには、地域のいかなる国も孤立することなく、協力していくような環境を醸成する必要があり、中国がより開かれ、安定した社会となり、国際社会の一員としての責任を一層果たしていくようになることが我が国にとって望ましい姿です。
我が国は、中国が国際社会への関与と参加を深めるよう働きかけるとともに、中国自身のそうした方向での努力を支援していく必要があります。
このような観点から、我が国としても、政治面、経済面、文化面など広範な分野での二国間協力・交流や、草の根レベルでの人的交流、学術交流などの強化を通じ、中国との間で幅広い重層的な関係を構築していくとともに、両国間の相互理解及び相互信頼の増進を図ることが極めて重要です。また、民間の貿易・投資活動の発展に加えて、ODAを通じて中国の改革・開放政策を支援していくことも引き続き大きな意義を有しています。
近年、アジア太平洋地域においては、アジア太平洋経済協力(APEC:Asia Pacific Economic Cooperation)、ASEAN+3(日中韓)、ASEAN地域フォーラム(ARF:ASEAN Regional Forum)など、地域協力、地域対話のための枠組み作りが進んでおり、中国も最近これら枠組みに積極的に参画しています。こうした傾向を踏まえ、このような多国間協調の枠組みに対する中国の関与が一層強まるよう我が国としても更に可能な支援を行っていく必要があります。

2.対中ODAの歴史と現状

(イ) 歴史
我が国は、1979年の大平総理(当時)訪中の際、中国の近代化努力に対して我が国として出来る限りの協力をすることを表明して以来、中国が安定して発展し、また、日中間に友好な二国間関係が存在することは、我が国のみならずアジア太平洋地域の平和と繁栄にとり極めて重要との考えの下、ODA大綱を踏まえ、中国の援助需要、経済社会状況、日中二国間関係を総合的に判断の上、対中経済協力を実施してきています。( 関連リンク / 対中ODAの累積額(PDF)PDF / 中国に対する円借款の供与(2004年度分) / 中国に対する無償資金協力の供与(2004年度分)
我が国の対中ODAは、1970年代末、中国が改革開放政策に転換し、我が国に対し協力を要請してきたのに対し、改革開放政策の支持の一環として実施されてきたものです。以来、対中ODAは、中国の改革開放政策の維持・促進に貢献すると同時に、日中関係の主要な柱の一つとして安定的な日中関係を下支えする強固な基盤を構成してきました。さらに、対中ODAによる経済インフラ整備等を通じて中国経済が安定的に発展してきたことは、我が国にとっても利益をもたらし、ひいてはアジア太平洋地域の安定にも貢献してきました。

(ロ) 現状
我が国ODAによるインフラ整備等は、中国における投資環境の改善にも貢献し、日中の民間経済関係の進展にも大きく寄与してきており、中国側も、様々な場で、このような我が国の対中ODAに対して高い評価と感謝の意を表明してきています。
他方、我が国の厳しい財政事情や中国の経済発展、軍事力の近代化やビジネスの競争相手としての存在感の増大といった変化を背景に、我が国国内において、対中ODAに対する厳しい批判が存在します。また、中国の急速な経済発展は、中国の援助需要を大きく変化させました。
これらに応えるべく、国民各層に存在する様々な意見や議論等を踏まえ、2001年10月に政府は「対中国経済協力計画」を策定しました。同計画では、我が国国民の理解と支持が得られるよう国益の観点に立って個々の案件を精査することとしています(重点分野は以下3.のとおり。)。


3.対中国経済協力計画(2001年10月)

 従来型の沿海部中心のインフラ整備から環境保全、内陸部の民生向上や社会開発、人材育成、制度作り、技術移転などを中心とする分野をより重視すること、また、日中間の相互理解促進により資するよう一層の努力を払うこと等に重点を置くこととしています。
関連リンク / 国別援助計画(対中国経済協力計画)

(イ) 環境問題など地球的規模の問題に対処するための協力
環境保全(水資源管理、森林保全・造成、環境情報の作成、対応政策に関する調査研究)、新・再生可能エネルギーの導入及び省エネルギー促進、感染症対策(HIV/AIDS、結核)の協力を行います。
関連リンク / 日本の対中環境ODA

(ロ) 改革・開放支援
世界経済との一体化支援(制度整備や人材育成支援を含む市場経済化促進、世界基準・ルール(WTO協定を含む)への理解促進)、ガバナンス強化支援(法の支配や行政における透明性・効率性向上、草の根レベルでの啓発・教育活動支援)を行います。

(ハ) 相互理解の増進
専門家派遣・研修員受入・留学生支援・青年交流・文化交流・学術交流・大学間交流などの強化(日本研究促進、日中共同研究を含む)、留学生受入の環境整備、観光促進のための政策提言・人造りなどを行います。

(ニ) 貧困克服のための支援
貧困対策に関する政策・制度面での整備・人造り、貧困層を対象とした草の根レベルの保健・教育分野の支援、貧困人口を多く抱える地域の民生向上に向けた協力で貧困層に裨益するもの(日本農業などへの影響の有無に留意)を支援します。

(ホ) 民間活動への支援
中国側の投資受入のための基盤整備努力支援(知的所有権保護政策の強化など)、我が国の優れた設備、システム、技術などの活用を図ることができる案件の発掘努力を行います。

(ヘ) 多国間協力の推進
日中両国による第三国に対する支援、東アジアにおける環境分野などでの域内協力の推進を行います。


参考:対中国事業開発等金融(非ODA)(国際協力銀行により実施)


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