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国際麻薬統制サミット2002 議長サマリー
(仮訳)

平成14年4月24日


 「国際麻薬統制サミット2002」が、2002年4月23,24の両日、麻薬・覚せい剤乱用防止対策推進議員連盟、日本国政府及び国連薬物統制計画(UNDCP)の共催で東京にて開催され、アジア、欧州、米州から35カ国、1地域及び6国際機関から議員、政府関係者及び専門家が出席した。出席者は、2日間にわたり、友好的雰囲気の中、国際的薬物問題に関し自由かつ打ち解けた意見交換を行った。


1. 本サミットの総合議長は、サミットでの議論を以下のように要約する。
(1) 開幕セッションでは、総合議長が日本の薬物問題の歴史を概観し、アジアで初めて本件サミットを開催する意義を強調した。続いて、欧州議会、米国議会及びUNDCPの代表者が、4年前の第1回国際麻薬統制サミット以来の進展及び国際的な薬物問題の現況を概観した。

(2) セッション1では、ボリビアの麻薬対策努力及びアフガニスタンと周辺国の薬物問題の動向に焦点を当てつつ、国際的薬物問題の現状が議論された。アフガニスタン代表は、アフガニスタン暫定政権の麻薬撲滅への強い決意を表明した。参加者は、ケシ栽培の背景を議論し、キャパシティ・ビルディング(能力開発)、持続的な開発及び地域的協力の面からアフガニスタンの麻薬対策を支援する重要性を強調した。

(3) セッション2では、アンフェタミン型覚せい剤(ATS)及び他の合成薬物の国際市場の動向に焦点があてられた。参加者は、製造が容易でありかつ、コストがあまりかからないことから、ATSの不正な製造が顕著に増加していることに留意し、ATSの不正製造及び不正取引に組織犯罪が関与している点、テロリズムと麻薬取引がリンクしていることが指摘された。特に、若年層がATSの危険性を十分に認識していないことに鑑み、ATSの害に関する正確な情報を与えることと、効果的な教育を行うことが緊急に求められている点についても指摘された。取締機関の間で情報や経験を共有する重要性についても強調された。

(4) セッション3では、ATS及び他の合成薬物の製造に用いられる前駆化学物質の統制について議論された。参加者は、ATS及び他の合成薬物の不正な製造を根絶するために、前駆化学物質の統制についての地域的・国際的協力を強化すべしとの意見を共有した。この点で、ATS前駆化学物質に関する国際会議を国際麻薬統制委員会(INCB)が2002年6月に開催することを歓迎した。参加者は、取締を目的として、不純物分析により薬物の由来解明を行う研究所の国際的ネットワークを構築することが必要であると認識した。

(5) セッション4では、薬物の不正取引対策が議論された。密輸情報の交換やリエゾンオフィサーの派遣も含めた法執行機関同士の国際協力の重要性が強調され、コンテナー用大型X線検査装置等先端技術の活用の必要性が指摘された。また、前駆化学物質の統制のための化学産業との協力が重要であるとの認識が共有された。

(6) セッション5では、各国における薬物需要対策について討議された。参加者は、青少年におけるATS及びその他の合成薬物の乱用状況の悪化に懸念を表明し、青少年における薬物乱用の防止を薬物需要削減における最優先の課題とすることで一致した。このためには、青少年に対する乱用防止活動が重要であり、薬物問題に関する正確かつ説得力あるメッセージを伝えること、ボランティア活動等を通じ青少年に自らの問題として薬物乱用を考えさせることの重要性が認識された。さらに、薬物乱用防止における民間団体の活動を一層支援すべきことで一致した。


2. 会議における議論に基づき、議長は、以下の諸点を世界の議会人及び政策決定者のための指針として提案する。
(1) 国際社会は、アフガニスタンの薬物対策を、特に代替作物開発及び薬物不正取引防止の点で強く支援するべきである。

(2) 薬物問題対策は、アフガニスタンで行われる二国間及び多国間のすべての開発プロジェクトに盛り込まれるべきである。

(3) 世界的な広がりを見せつつある合成薬物の新たな脅威に対処するために、取締と教育を含めた総合的な対策を強化するべきである。

(4) 前駆化学物質を監視・統制する機構と不正流通を防止する手続きを改善するべきである。不純物分析による薬物の由来解明を行う国際的なネットワークの構築が奨励される。

(5) 各国の取締機関の間で、情報交換とともに、薬物の密輸に対する国際的な取締協力を推進する努力が払われるべきである。

(6) 需要削減を効果的に行うためには、学校における薬物教育、薬物乱用者の治療・リハビリテーションが強調されるべきである。


 国際麻薬統制サミット2002の出席者は、アジアで初めてサミットを開催した共催三者がとったイニシアティブに対し謝意を表明した。また、多くの点で率直かつ活発な議論を行うことができ、このような本件サミットの精神が将来のサミットにおいても引き続き示されることを希望した。スウェーデン代表が、次回の麻薬統制サミットを主催する意向を表明し、参加者はスウェーデンによるこの提案を歓迎し、2003年スウェーデンで再会する意向を表明した。


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