我が国は、「政府開発援助大綱」において環境問題などの地球的規模の問題への取組を我が国援助の重点課題に位置付け、「政府開発援助に関する中期政策」においても環境保全を重点課題に掲げている。また我が国は、2002年8月の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」の機会にそれまでの「21世紀に向けた環境開発支援構想(ISD)」を改め環境協力の理念・方針・行動計画を示した「持続可能な開発のための環境保全イニシアティブ(EcoISD)」を策定し、途上国の「持続可能な開発」の実現に向けた努力を積極的に支援している。
1992年6月の国連環境開発会議(UNCED)において、1992年度より5年間で環境分野の援助を9,000億円から1兆円を目途として大幅に拡充・強化する旨発表した。
1992年度から1996年度までの5年間で環境分野の援助は約1兆4,400億円となり、UNCEDの際に表明された目標額を4割以上上回る実績を達成した。その後も1997年の国連環境開発特別総会の機会に発表したISDに基づき、支援を進めてきた。
我が国の環境ODAの具体的な対象分野としては、居住環境(上下水道整備、廃棄物処理施設整備等)、森林保全、公害対策(大気汚染対策、水質汚濁対策等)、防災、自然環境保全、地球温暖化対策等が挙げられる。また、途上国の環境問題対処能力の向上を重視しており、タイ、インドネシア、中国、メキシコ、チリ、エジプトにおいて環境センターの設置等を通じた人づくりを行っている。
地球温暖化対策関連では、1997年12月の気候変動枠組条約第3回締約国会議の機会に我が国が発表した京都イニシアティブを受けて、温暖化対策関連分野における研修等により1998年度から2001年度までの4年間で約6,400人の人材育成を、1997年12月から2002年3月までで56件、約7,400億円の温暖化対策関連の円借款を実施している。
援助実施に際しての環境配慮について、政府においては、援助に関する開発途上国との協議等様々な機会を通じて供与国に環境配慮を重視する我が国の姿勢を伝えるとともに、個別プロジェクトの採択、実施、評価のあらゆる段階において環境配慮に留意している。
援助実施機関においてもさまざまな形で環境配慮の強化に努めている。JICA(国際協力機構)やJBIC(国際協力銀行)では、環境・社会面での配慮の確認を早期かつ効果的に実施するため、環境・社会配慮確認のためのガイドラインを作成し、これに基づきプロジェクトを実施する際に想定される環境・社会への影響について確認している。
2002年に発表したEcoISDを着実に実施する。具体的な取組は以下のとおり。
(a)2002年度から5年間で5000人の環境分野の人材育成に協力する。
(b)環境分野の案件に対する円借款は引き続き譲許的な条件で供与する。
(c)地球環境無償資金協力の充実を図る。
(d)国際機関等との広範囲な連携の促進を図る。
(e)環境ODAの事後評価の充実に向け、評価手法の一層の改善を図る。