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地球環境

持続可能な開発委員会
(Commission on Sustainable Development:CSD)



平成17年8月
1.設立経緯

(1) 92年6月に開催された国連環境開発会議(UNCED。所謂「地球サミット」)において採択された「アジェンダ21」において、「ハイレベルな『持続可能な開発委員会』を国連憲章第68条に従い設立するべきである」とされた。

(2) 同年12月、第47回国連総会(決議47/191)において、同会議のフォローアップの着実な実施を国際的にレビューし、今後の行動計画を練っていくための機構を設立することを決定。これを受け、翌93年の経済社会理事会組織会期(決定1993/207)において経社理の機能委員会として持続可能な開発委員会が正式に設立された。

2.目的・任務

(1) 第47回国連総会における決議47/191は、CSDの役割として、次の点を期待した。

(イ) 「アジェンダ21」の実施進捗振りのモニター及びレビュー
(ロ) 各国政府の活動についての情報の検討
(ハ) 「アジェンダ21」の資金源及びメカニズムの妥当性についての定期的見直し
(ニ) NGOとの対話を強化
(ホ) 環境関連条約の実施の進捗振りの検討
(ヘ) 経社理を通じて総会に対して適切な勧告をすること

(2) 2002年9月の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(WSSD:World Summit on Sustainable Development「ヨハネスブルグ・サミット」)で採択された「実施計画」は、「CSDは、引き続き国連システム内の持続可能な開発に関するハイレベル委員会であり続けるべき」、「関係する機関及び組織の役割を考慮しつつ、強化される必要がある。拡充された持続可能な開発委員会の役割には、アジェンダ21の実施進捗状況のレビュー及びイニシアティヴ、パートナーシップ間の統一性の醸成に対する進捗状況の監視が含まれるべきである。」とし、その役割について追加的に以下を規定した。

(イ) アジェンダ21の実施進捗状況をレビューし、評価し、より一層の実施を促進すること
(ロ) 個別の部門別問題の部門横断的な側面に焦点を当て、ハイレベル・セグメントを通じて持続可能な開発の様々な側面と部門を取り扱うに当たっての閣僚間のやり取り等を通じ、改善された政策統合のための場を提供すること
(ハ) アジェンダ21の実施に関する新たな挑戦課題と機会に取り組むこと
(ニ) 委員会は、委員会の会合での交渉を2年毎に限定して、アジェンダ21の実施に関する行動に焦点を当てるべきであること
(ホ) 各会合で検討されるテーマ数を限定すること

3.メンバー国の構成

(1) 国連及び専門機関加盟国の中から経社理理事国により選出された53か国(アジア11、アフリカ13、ラ米10、東欧6、西欧その他13)から構成されている。任期は3年。CSDメンバー国以外の国連加盟国及び専門機関は、オブザーバーとして参加できる。国連システム、国際金融機関、WTO等はCSDに対して支援、助言する。EUは投票権を与えられてはいないが、全面的に参加している。

(2) 我が国は、1993年2月の設立時以来、メンバー国に選出されており、2003年から2006年までの任期国を選出する2002年CSD選挙(4月の経社理再開組織会期で実施)において再選を果たした。

4.事務局

 CSDに対する支援を行う事務局の機能は、国連経済社会局(Department of Economic Social Affairs:DESA)持続可能な開発部(Division for Sustainable Development)が担当している。

5.これまでの活動

(1) 年1回、ニューヨーク(国連本部)において、通常は2月に2週間の準備会合(会期間作業部会)、4月に2週間の本会合が開催される。

(2) 本会合には、閣僚を含めハイレベルの代表が出席している。

(3) 第1会期は93年6月に開催され、93年から97年までの多年度主題別行動計画(注)を採択した。
(注)アジェンダ21の全40章を9つのクラスターに分類し、94年より96年までに章毎のレビューを一通り終了し、97年には国連環境開発特別総会の準備に向けアジェンダ21の実施状況につき総括的な評価を行う。

(4) 以後、第2会期は94年5月、第3回会合(宮下環境庁長官(当時)が代表)は95年4月、第4回会合(岩垂環境庁長官(当時)が代表)は96年4月に開催され、多年度主題別行動計画に基づき討議を行った。

(5) 95年の第3会期では、森林問題を包括的に検討する「森林に関する政府間パネル(IPF)」の設置を決定した。

(6) 第5会期は97年4月に、「国連環境開発特別総会(UNGASS)」(同年6月、ニューヨークで開催)の最終交渉会合として開催され、特総採択文書案の審議を行った。

(7) 上記UNGASSで採択された98年から2002年までの多年度作業計画は、「分野別事項」「分野横断別事項」「経済分野/主たるグループ」の3分野からそれぞれテーマを設定し、そのテーマに関連するアジェンダ21の章について、毎年の会合でレビューすることとしている。

(8) 98年4月の第6会期は、上記作業計画策定後の初めての会合として「淡水管理への戦略的アプローチ」「小島嶼諸国の持続可能な開発」「技術移転の向上・教育・科学・啓発」「産業界」につき議論を行い、各テーマに関する決定を採択した。我が国代表は、山本環境政務次官。

(9) 99年4月の第7会期は、「海洋と海」「消費と生産パターンの変更」「観光と持続可能な開発」「小島嶼国の持続可能な開発のための行動計画の包括的な見直し」につき議論を行い、各テーマに関する決定を採択した。
 上記テーマのうち、「小島嶼国」のセッションは、同年9月に開催された「小島嶼国の持続可能な開発のための行動計画の見直しに関する特別総会」の準備会合として位置づけられ、右特別総会での採択文書及び宣言の素案作成作業を行った。また、毎年実施される海洋と海洋法に関する事務総長報告について分野横断的に審議するシステムの必要性が指摘された。我が国代表は、小池地球環境問題担当大使、田中環境事務次官。

(10) 2000年4月24日から5月5日に開催された第8会期会合では、「UNCED以降の進捗に係る2002年のレビュー(いわゆる「リオ+10」)の準備をはじめ、「農業」「資金」「経済成長、貿易及び投資」「土地資源の統合的計画・管理」等について議論が行われ、各テーマに関する決定を採択した。我が国代表は、山本外務政務次官、岡田環境事務次官。

(11) 第9会期会合は2001年4月16日~27日に開催。多年度作業計画にのっとり、「エネルギー」「運輸」「大気保全」「意思決定のための情報」及び「持続可能な開発に資する環境づくりのための国際協力」に関する決定を採択した。我が国代表は川口環境大臣、朝海地球環境問題等担当大使。

(12) 第10会期は、2002年のヨハネスブルグ・サミットの準備委員会となり、第1回会合は2001年4月30日~5月2日に開催され、赤阪国連代表部大使がビューロー・メンバー(準備委員会副議長)に就任した。その後、各地域で開催される準備会合(アジア太平洋地域準備会合は同年11月にカンボジアで開催)の結果を踏まえ、2002年1月~2月、3月~4月、5月~6月の計4回準備会合が開催された。5月の第4回準備会合は、インドネシアのバリで閣僚級会合として開催された。我が国からは、大木環境大臣、朝海地球環境問題等担当大使、農林水産副大臣、国土交通副大臣他が出席した。
 8月26日から9月4日に開催されたヨハネスブルグ・サミットには、小泉総理、川口外務大臣、大木環境大臣を始めとして関係各省の副大臣・政務官が出席したほか、超党派の国会議員団と多数のNGO等が参加した。
 サミットの準備プロセスでは、アジェンダ21の包括的レビューだけではなく、21世紀の環境政策の指針を示すべく、92年の国連環境開発会議(UNCED)以降生じた新たな挑戦や機会への対応等についても議論され、首脳級全体会合において、「実施計画」(持続可能な開発を進めるための各国の指針となる包括的文書)と「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言」(首脳の持続可能な開発に向けた政治的意思を示す文書)を採択した。我が国よりは、小泉総理が、演説、ラウンドテーブルへの参加を通じて、持続可能な開発にとって人づくり、就中教育の重要性を強調、「小泉構想」(開発・環境面での人材育成等の具体的支援策)の実施を通じた日本の貢献の決意を示した。

(13) 第11会期は、2003年の4月28日から5月9日まで国連本部で開催され(議長:ムーサ・南ア環境観光大臣)は、次の点が決定された。

(イ) アジェンダ21、アジェンダ21の一層の実施のための計画、及びヨハネスブルグ実施計画の実施推進のため、今後はCSDは、2年を1サイクルとし、1年目にレビュー会合(4・5月)、2年目に政策会合(4・5月)を開催する。両会合に関係大臣の参加するハイレベル・セグメントを設ける。各国からの報告等を基に作成される国連事務総長による現状報告書等を評価するレビュー会合においては、地域の経験についての情報交換、専門家との対話も行い、議長サマリーを含むレビュー会合の報告書が作成される。政策年においては、レビュー会合の報告書、事務総長報告書等を踏まえ、2・3月に準備会合が開催され、同会合での議論を踏まえ、議長が政策会合で交渉される文書の案を作成する。地域については、国連の地域経済委員会が中心となり、域内の小地域の取り組みとの連携も図りながら、可能な限り、レビュー会合の前に地域会合を開催し、事務総長報告書やCSD会合への材料を提供する。

(ロ) 2004年以降6サイクルにおいて中心的に取り上げるテーマ群と各サイクルで取り上げる分野横断的事項を決定。第1サイクルは、水等、第2サイクルはエネルギー等。第7サイクルにおいては、実施状況の総括を行う。

(14) 第12会期は、2004年4月14日から同30日まで国連本部において開催され、冒頭3日間は翌2005年1月にモーリシャスで開催された「小島嶼開発途上国国際会議」の準備会合として、同会議の成果文書としてナッソー戦略文書の案文について協議した。
 同会期は、ヨハネスブルグ・サミットをフォローアップする多年度作業計画の初めてのサイクルとして、水、衛生、人間居住についてレビューし、4月28-30日のハイレベル・セグメントには、100人近い閣僚級が参加。我が国よりは、小池環境大臣、林国土交通副大臣が出席。議論の成果は、統合的水管理計画の策定の促進、ローカルレベルでの住民参加型取組みの強化、新たな資金調達方法の開拓、パートナーシップの重要性とその改善・強化の必要性等を内容とする議長サマリーとして取り纏められた。

(15) 第13回会期は第1サイクルの政策年にあたり、2005年4月11-22日の期間にNYの国連本部で開催され、水、衛生、人間居住について、昨年のCSD12で確認された各国の現況を踏まえ、政策オプション、実施計画など今後の更なる取組について討議を行った。4月19-22日のハイレベル・セグメントには我が国より、村田防災大臣が11日の開会セッションにおいて国連世界防災会議の概要を報告し、ハイレベル・セグメントにおいては、高野環境副大臣が我が国の施策につき紹介した。議論・交渉の結果は、「政策決定文書」として取りまとめられた。

(16) 2005年より新たな2年度サイクル(CSD14及びCSD15)が始まり、「持続可能な開発のためのエネルギー、工業開発、大気汚染・大気、気候変動」がテーマとして取り扱われる予定。



リンク:国連事務局 http://www.un.org/esa/sustdev/csd/


目次


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