漁業

マグロ漁業

1.マグロ漁業の現状

2.マグロ類の保存管理に関する国際的な枠組み

3.国際的なルールを遵守しない漁業の根絶に向けた取り組み

4.国連食糧農業機関(FAO)における取り組み

5.日本における取り組み


1.マグロ漁業の現状

 現在、全世界では約187.1万トンのマグロが漁獲されており(2006年FAO統計クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハタ、ビンナガの5種)、日本は、約21.6万トンを漁獲し、約25.7万トンを輸入しています。(2006年財務省貿易統計、農林水産省漁業生産統計、水産庁 クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハタ、ビンナガの5種)
 マグロ類等の高度回遊性魚類資源は、その生息水域が広範であることから、国連海洋法条約にも規定されているとおり、これら資源の持続可能な利用のために、地域毎に関係国が適切な保存管理の枠組みを作り協力していくことが必要であることが国際的に認識されており、各地域漁業管理機関において保存・管理措置が採られています。日本は、マグロ資源の持続可能な利用の推進並びに我が国マグロ類漁業の発展及び安定的供給確保のために、国際的な資源管理に積極的に関与していくことが不可欠です。

(図)主要なまぐろ類


2.マグロ類の保存管理に関する国際的な枠組み

 日本は、責任ある漁業国として、各地域の漁業管理機関に積極的に参加し、国際的なルールを守って漁業を行っています。これまで、大西洋の「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」、東部太平洋の「全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)」、インド洋の「インド洋まぐろ類委員会(IOTC)」、ミナミマグロが回遊する南半球水域の「みなみまぐろ保存委員会(CCSBT)」、地中海の「地中海漁業一般委員会(GFCM)」の5つが存在し、加盟国が協力して資源の保存管理に取り組んできました。また、世界のマグロ類漁業生産の半分、日本のマグロ類漁業生産の約80%を占める中西部太平洋における資源の保存管理のための委員会を設立する条約(中西部太平洋まぐろ類条約(WCPFC))が2004年6月に発効しました。日本は2005年7月、同条約に加盟しました。
 また2006年8月、日本は、タラ、カレイ等のストラドリング魚類資源及びマグロ、カツオ等の高度回遊性魚類資源の保存管理のための一般原則等について定めた国連公海漁業協定を批准しました。

(図)世界の主な地域漁業管理機関


3.国際的なルールを遵守しない漁業の根絶に向けた取組

 各地域漁業管理機関がマグロ資源の保存管理のために定めた規制を逃れるため、地域漁業管理機関の非締約国等に船籍を移して無秩序な操業を行う便宜置籍船(FOC:Flag of Convenience)など、ルールを守らない漁業が国際的な問題となっています。

 国際的なルールを遵守しない便宜置籍漁船等による無秩序な操業はIllegal(違法)、Unreported(無報告)、Unregulated(無規制)の頭文字をとってIUU漁業と呼ばれています。ICCATでは、IUU漁業を行っている漁船リストを作成し、輸入業者等に対し、IUU漁船によって漁獲されたマグロの買付けをしないよう、また、船用機器の製造者等に対し、IUU漁船に船用機器が装備されないよう要請を行う決議が採択されたほか、便宜置籍漁船の船籍国(ボリビア、グルジア)産のメバチマグロの輸入禁止措置が実施されています。また、他の地域漁業管理機関においてもデータ収集制度、漁船登録制度、監視制度等の対策が取られています。さらに、近年、大西洋、インド洋、東部太平洋におけるマグロ類保存のための各地域漁業管理機関において、日本のイニシアチブにより、ポジティブリスト措置(注)を導入しました。

(注)
 規制を遵守している正規船のリストを作成することにより、同リストに掲載されていないIUU漁船からの輸入を認めないとする措置です。
 近年、ICCATでは、地中海における蓄養事業の拡大防止、データ収集の向上を目的として、規制を遵守している正規蓄養場のリストを作成することにより、同リストに掲載されていない蓄養場からの輸入を認めないとする措置も導入しました。

4.国連食糧農業機関(FAO)における取組

 FAOにおいて、便宜置籍漁船問題に対処するため、「保存及び管理のための国際的な措置の公海上の漁船による遵守を促進するための協定」(いわゆる「フラッギング協定(遵守協定)」)が策定され、日本は2000年6月、これを締結しました。同協定は公海において操業する漁船に関する旗国の責任を明確化し、便宜置籍漁船が保存管理措置を遵守せずに操業を行うことを防止することを目的としています。
 また、2001年2月、FAO水産委員会において、IUU漁業廃絶に向けた「IUU漁業をなくすための国際行動計画(IPOA-IUU)」が採択されました。これは、自国民の実効的な管理、検査・管理・監視システムの強化と実施、市場関連措置等を含んだ内容となっています。

5.日本における取組

 日本においては、各地域漁業管理機関において決定された管理措置を遵守するとともに、貿易情報収集、輸入業者への指導、消費者への情報提供等を行っています。
 また、2000年12月に、マグロ類等の事業者団体によって「社団法人・責任あるまぐろ漁業推進機構(OPRT)」が設立され、IUU漁船の廃絶に向けた取組を行っています。

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