(1)ABTC保持者が、ABTCの裏面に記載されたABTC制度参加国・地域に短期商用目的で入国・滞在する際には、旅券及びABTCのみで(つまり査証無しで)入国審査を受けることができる。入国が許可されれば、その参加国・地域の法令に従い、おおむね2か月又は3か月の滞在ができる。ABTCの有効期間は、ABTCの交付日から3年間(旅券の有効期間の残りが3年未満の場合はその期間)。
(2)ABTCは、申請者の属する各国政府又は各地域行政府が、ほかの参加各国・地域から当該申請者について事前審査の承認を受けた上で、交付する(日本は外務省)。ABTC交付対象者の基本要件は、
(イ)犯罪歴を有さず、(ロ)有効な旅券を有する、(ハ)商用目的でAPEC域内を短期かつ頻繁に移動する必要のある真正なビジネス関係者となっている。
(3)ABTC保持者は、入国審査の際にABTC専用レーン(日本の場合、成田国際空港、関西国際空港、中部国際空港及び羽田空港に専用レーンを設置)を利用することができ、円滑な審査を受けられる。なお、ABTCの裏面に記載がないABTC制度参加国・地域及び暫定参加国においても、短期商用目的で入国・滞在する際、ABTCを提示することによりABTC専用レーンを利用することができる(注)が、裏面に記載がない(事前審査の承認を受けていない)国・地域については、当該国・地域の査証が免除される又は査証手続が免除される(査証が自動的に付与される)ことにはならないため、併せて有効な査証の提示が必要となる。
(注)ABTC制度参加国・地域のうち、中国及びチャイニーズ・タイペイを除く16の国・地域及び暫定参加国(カナダ、米国)において、平成20年6月(マレーシアは同年8月、日本は同年10月)から実施。
日本のビジネス関係者から、ABTCに参加すべきとの強い要望が、日本政府に出されていたところ、2002年10月、メキシコ(ロス・カボス)で開催されたAPEC首脳会議で、小泉総理から日本の参加意向を表明し、2003年4月1日から運用を開始した。(なお、日本の運用開始以降にABTCの運用を開始したのは、タイ(2003年6月)、ブルネイ(2003年8月)、ペルー(2003年11月)、中国(2004年3月)、インドネシア(2004年5月)、シンガポール(2005年10月)、パプアニューギニア(2005年12月)、ベトナム(2006年1月)、メキシコ(2007年9月)。)
(1)1996年以来、APECビジネス諮問委員会(ABAC)(注)は、APEC域内におけるビジネス関係者の移動を促進するためにABTCを提言した。同提言を受け、1996年のマニラ(フィリピン)におけるAPEC首脳会議で、ラモス・フィリピン大統領、金泳三・韓国大統領及びハワード豪州首相(いずれも当時)が本制度を試験運用することに合意した。
(注)APECビジネス諮問委員会(ABAC)
1995年に大阪で開催されたAPEC閣僚会議及び首脳会議において設立が決定。APEC首脳に対してアジア太平洋地域のビジネス部門の優先事項等に関する提言を提出。
(2)1997年5月に上記3エコノミーにより試行が開始され、その後参加国・地域が拡大した。現在、18か国・地域が参加(豪州、ブルネイ、チリ、中国、中国香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、シンガポール、チャイニーズ・タイペイ、タイ、ベトナム)。カナダ、米国及びロシアの3か国が暫定参加(参加準備中)。