経済

APEC貿易担当大臣会合の概要

平成24年6月5日

  • (写真)APEC貿易担当大臣会合の概要-1
    会合における山口副大臣の発言場面
  • (写真)APEC貿易担当大臣会合の概要-2
    貿易担当大臣集合写真
  • (写真)APEC貿易担当大臣会合の概要-3
    共同記者会見

 6月4日及び5日,ロシア・カザン市において,APEC貿易担当大臣(MRT)会合が開催された。APEC21エコノミーの貿易担当閣僚等が参加し,我が国からは,枝野幸男経済産業大臣及び山口壯外務副大臣が出席した。会合の成果として,「閣僚声明(日本語骨子(PDF)英語原文(他のサイトヘ))」及び「多角的貿易体制への支持と保護主義抑止に関する閣僚声明(日本語仮訳(PDF)英語原文(他のサイトヘ))」が発出された。議論の概要は以下のとおり。

1.多角的貿易体制への支持

  1. (1)パスカル・ラミーWTO(世界貿易機関)事務局長から,1)世界経済がリスクに直面する中で進行する保護主義措置の増加に危機感を持つべき旨,2)WTOにおける交渉については,情報技術協定(ITA)の拡大,貿易円滑化,後発開発途上国(LDC)の加盟促進及びサービス貿易について作業が進行中であり,特に貿易円滑化について,APECの貢献を期待する旨発言があった。
  2. (2)これを受け,全ての閣僚が保護主義抑止の重要性で一致し,昨年のAPECホノルルで首脳が表明したコミットメント(WTO整合的な措置を含む2015年末までのスタンドスティル(新規の保護主義措置の不導入),ロールバック(既存の保護主義措置の是正)及びWTO整合的であっても貿易歪曲効果が強い措置の最大限の自制に関するコミットメント)を再確認した。
  3. (3)他方,WTOにおける交渉については,ほとんどの閣僚が,上記(1)の全ての作業を促進すべき旨主張したが,一部のエコノミーの閣僚は,LDC加盟促進を除いて慎重な姿勢を見せた。

2.ロシアAPECの優先課題

 ロシアAPECの4つの優先課題(貿易・投資の自由化及び地域経済統合,食料安全保障,サプライチェーン,イノベーション)に沿って,9月のウラジオストク首脳・閣僚会議に向けた議論の進展を確認し,今後の作業につき指示を出した。

(1)貿易・投資の自由化及び地域経済統合

  1. ア 域内の自由貿易の強化に取り組む決意を再確認した。また,FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の実現に向けた道筋について議論を行った。我が国から,高いレベルの経済連携を目指したFTAAPが域内の経済成長を促す基盤としてより重要性を増していることを指摘し,その実現に向けて,我が国として引き続き主導的役割を果たしていく考えを表明した。
  2. イ WTO情報技術協定(ITA)の対象範囲・メンバーシップの拡大交渉を開始すること及びその早期妥結への支持が表明された。
  3. ウ 9月のウラジオストク閣僚会議までに首脳からの指示であるAPEC環境物品リストの作成を完了することを決意し,全ての利用可能なリソースを尽くすことを表明した。
  4. エ 将来のFTAAPに向けて本年に取り組む「次世代型」貿易・投資課題として,FTAの透明性を取り上げることを承認し,9月の閣僚会議で成果を報告するよう指示した。

(2)食料安全保障の強化

  1. ア 第2回食料安全保障担当大臣会合(5月30~31日)で発出されたカザン宣言を踏まえ,域内の食料安全保障の強化に向けて,農業投資の促進,食料市場の発展のための取組について議論を行った。
  2. イ 我が国から責任ある農業投資原則(PRAI)やアジア太平洋食料安全保障プラットフォームの重要性を指摘した。

(3)信頼できるサプライチェーンの構築

  1. ア 信頼できるサプライチェーンを構築するために取り組むべき措置について議論を行った。この中で,域内の災害への強靱性を高めていくことの重要性が確認された。
  2. イ また,「APECサプライチェーン連結枠組行動計画」に沿って,具体的成果が得られるよう作業を加速させることが確認された。

(4)イノベーション促進のための緊密な協力

  1. ア イノベーション政策におけるビジネス界及び学界の関与を高めるための方策について議論を行った。
  2. イ 教育・科学,人材養成,ジェンダー等についてAPECエコノミーの協力を促進するための措置について議論を行い,今後の作業方針につき一致した。我が国から,イノベーション促進のためには,知的財産権の保護や内外無差別のビジネス環境整備の重要性等を指摘し,APEC域内の「信頼」の基盤を築くことが重要である旨指摘した。

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