平成22年2月23日
外務省・経済産業省
2月22日及び23日,広島市において,第1回APEC高級実務者会合(SOM1)を開催(中村滋外務省国際貿易・経済担当大使及び西山英彦経済産業省大臣官房審議官(通商政策局担当)が議長を務め,平松賢司外務省経済局審議官及び塩田誠経済産業省大臣官房審議官(国際地域政策担当)を含めた21エコノミーの高級実務者が参加)。
我が国が,議長として,以下の主要分野に関する叩き台を提示し議論。
我が国より,「均衡ある成長」,「あまねく広がる成長」,「持続可能な成長」及び「革新的な成長」を主たる要素とする成長戦略の基本的枠組みを説明した。各エコノミーとも経済危機後の成長のあり方を考える上で本件は重要であるとして,今後はあり得べき重点分野,具体的なプロジェクトの特定を中心として議論を深めることとなった。
食料安全保障,感染症対策,テロ対策,災害への備えを始めとした人間の安全保障に関連する諸分野につき議論。特に食料安全保障に対する関心は高く,各取組を今後さらに強化することを確認。
経済・技術協力活動の強化・合理化に関する我が国の提案が正式に承認され,同活動の中期的な優先分野について一致。より効果的かつ焦点を絞った活動を実施していくことを確認。
国際・地域経済を取り巻く新たな課題に適切に対応できる意味のある枠組みとしてAPECの意味を再構築すべく,組織論的な側面も含め今後さらに検討することとなった。
今次会合は,我が国が2010年APECの議長として主催する最初の公式会合。我が国が準備した議論の叩き台も含め,各エコノミーが活発に議論を展開し,今後の方向性を探った。各エコノミーより,諸分野について,我が国の議長としての取組・準備を高く評価する旨発言がなされ,引き続き我が国のイニシアティブの下で作業を加速させることを確認した。本年11月に開催される首脳・閣僚会議に向け,各分野で具体的な成果を得るべく,今次会議の議論も踏まえ,引き続き検討・作業を進めていく。
なお,今次会合に併せて「APECジュニア会議in広島2010」を開催するなど,広島市,広島県及び地元企業等の協力を得て,成功裏に会合が開催された。