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会議・会合

APEC貿易担当大臣会合 議長声明(仮訳)

序文

  1. 我々,APEC貿易担当大臣は,2010年6月5日及び6日に札幌において,日本の岡田克也外務大臣及び直嶋正行経済産業大臣議長の下で会合を持った。
  2. 我々は,パスカル・ラミー世界貿易機関(WTO)事務局長,APECビジネス諮問委員会(ABAC),太平洋経済協力会議,東南アジア諸国連合及びAPEC事務局の同会合参加を歓迎した。
  3. APECは,最近の経済危機の中にあっても,貿易及び投資の自由化及び円滑化の課題に積極的に取り組んできた。本年は,先進エコノミーが,自由で開かれた貿易及び投資というボゴール目標の達成を目指す,APECにとって重要な節目の年である。この地域の将来の繁栄を確かなものにするために進むべき道筋を示すことが重要である。2010年APECのテーマは,「チェンジ・アンド・アクション」である。すなわち,このテーマは,APECが,変動する世界情勢の中において,今後も重要かつ今日的な役割を果たし続けることができるよう,必要な「チェンジ」を構想し,それを具体的な「アクション」に移したいという発想に基づいている。このような考えの下,我々は,次の優先事項を中心に議論した。
    • (1)ボゴール目標の達成評価
    • (2)地域経済統合(REI)の強化のためのAPECの作業の今後の方向性
    • (3)地域全体の成長戦略の策定
    • (4)より安全な,回復力のある経済を確実なものとするための人間の安全保障の推進

世界経済情勢

  1. 世界経済は,2008年の経済・金融危機にもかかわらず,各エコノミーによる積極的な政策対応及び国際社会による共同の努力の結果,回復に向かっている。しかし,物価の安定,雇用創出,雇用調整の一層の円滑化及び需要の拡大といった課題をいまだ抱えている。アジア太平洋地域は,世界経済の中でますます重要な地位を占めるに至っている。地域の構築された生産ネットワークは,貿易及び投資を通じて,エコノミーが比較優位の恩恵を享受することを可能にする。我々は,地域を越えて,世界経済の発展に対する責任を共に負うことを決意した。我々は,アジア太平洋地域において,長期的で持続可能な経済成長を通じ,更なる繁栄と幸福のための強固な基盤を再構築する必要がある。そのため,我々は,地域経済統合を強化するための作業を更に加速化させる必要がある。昨年,首脳から指示のあったとおり,APECが成長戦略を策定することも,必要かつ時宜にかなったものである。ここ札幌における議論の前提として,我々は,世界経済の現状に関する理解を共有し,具体的な取組について以下のとおり検討した。

ボゴール目標

  1. 1994年,インドネシアのボゴールにおいて,APEC首脳は,APECエコノミーが,アジア太平洋において自由で開かれた貿易及び投資を,先進エコノミーについては2010年までに,途上エコノミーについては2020年までに達成するというアジア太平洋地域のビジョンを定めた。それ以来,APECエコノミーは,ボゴール目標達成に向けて,大阪行動指針,APECマニラ行動計画,上海アコード,釜山ロードマップ及びハノイ行動計画の実施を含め,個別に及び共同で数多くの具体的措置をとってきた。これらの措置は,地域の著しい経済成長に重要な貢献をしてきた。
  2. 我々は,13APECエコノミー(「2010年エコノミー」)によるボゴール目標の達成状況について集中的な討議を実施している。このグループは,5先進エコノミー(豪州,カナダ,日本,ニュージーランド,米国)及び自ら進んで2010年の評価の対象に加わった8途上エコノミー(チリ,中国香港,韓国,マレーシア,メキシコ,ペルー,シンガポール,チャイニーズ・タイペイ)を含む。我々は,今回の評価に途上エコノミーが自ら進んで参加したことを歓迎した。我々は,APEC地域における貿易及び投資の自由化及び円滑化の評価報告書に関し,実務者による作業の進展を歓迎した。今回の議論の結果,我々は,評価の大筋について共通の理解に達した。我々は,ボゴール目標に向けた著しい進展を示すとともに,貿易及び投資の自由化及び円滑化に向けて世界を先導する地域としてのAPECの地位を確立するためになすべき残りの作業を特定する力強い,信頼性のある報告書を期待する。我々は,閣僚及び首脳による検討及び承認のため,横浜において評価報告書を提出するための作業を完了するよう高級実務者に指示した。

地域経済統合

アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を達成するためのあり得べき道筋の探求

  1. 我々は,地域貿易協定(RTA)や自由貿易協定(FTA)といったアジア太平洋地域における経済アーキテクチャーに関連する最近の進展についての議論を含む,FTAAPを達成するためのあり得べき道筋を探求するための進展を歓迎した。我々は,2009年のAPEC首脳の指示に従って実施されている,FTAAPを達成するための一連のあり得べき道筋の探求の成果について,2010年11月までに報告を行うよう高級実務者に指示した。アジア太平洋地域における地域経済統合の強化に向けた努力は,こうした取組に寄与し得る。

地域経済統合の主要分野

  1. 我々は,投資,任意規格及び強制規格,貿易円滑化,原産地規則,知的財産権,環境物品・サービス(EGS),ビジネス環境の改善等の地域経済統合の主要分野で実施されている作業を賞賛した。我々は,2010年11月までにこれらの各分野において具体的な成果を挙げるよう高級実務者に指示した。

(投資)

  1. 我々は,「投資のためのロードマップ」の作成を通じた,投資分野における共通化の促進についての前進を歓迎した。我々は,ロードマップを2010年の成果として発展させるよう高級実務者に指示した。

(任意規格及び強制規格)

  1. アジア太平洋における地域経済統合を強化するためには,任意規格・強制規格・適合性評価手続が国際貿易を不必要に阻害しないことを確保する必要がある。不必要な技術的障害を防止するため,我々は2010年11月までにAPEC規制協力プロセスを創設するよう実務者に指示した。また我々は,2010年11月までに,任意規格作成プロセスへの民間の関与を促進するためにAPECエコノミーがとりうる措置について合意するよう実務者に指示した。我々は,適合性評価を改善し,国際標準化に関する協力を促進し,各エコノミーが任意規格や強制規格に関する問題に対処する能力構築を行うための作業を前進させるようAPECに促した。

(原産地規則関連文書及び手続の簡素化)

  1. 我々は,APEC原産地自己証明パスファインダーへのブルネイ及びマレーシアの参加を歓迎するとともに,メンバーが原産地自己証明制度を成功裏に実施できるよう支援することを目指した能力構築プログラムを承認した。我々は,原産地規則分野における世界税関機構(WCO)との協力を歓迎した。我々は,中小企業を含むビジネスがRTA及びFTAを更に活用するのを支援するため,原産地規則をビジネスにとってより使いやすいものとする努力を強化するよう高級実務者に指示した。

(サプライチェーンの連結)

  1. 我々は,地域のサプライチェーンを通じた物品,サービス及びビジネス旅行者の円滑な流れを容易にすることの重要性を強調した。この関連で,我々は,物流・輸送網の連結改善により,時間,費用及び不確実性の更なる削減を目指し,8つの優先的な課題の各々に対処するための具体的行動を特定するAPECサプライチェーン連結枠組行動計画の策定を歓迎した。また我々は,優先的な課題を除去するための具体的作業の開始を歓迎した。我々は,2010年11月までに,関連するAPECフォーラム及びABACと緊密に協力しながら同行動計画を完成するよう,また,APECの測定可能な成果目標を策定するよう,実務者に指示した。

(認定事業者(AEO)制度及び貿易再開)

  1. 首脳は,昨年,APEC貿易再開計画パイロット演習の勧告を承認するとともに,AEO制度を構築する重要性を再確認した。我々は,APECエコノミーが,WCOの提唱する,貿易の安全を確保しつつ貿易円滑化を推進するAEO制度の構築を支援するAEO行動計画の策定を歓迎した。我々はまた,貿易再開のための協調したコミュニケーション・メカニズムの構築に向けたAPECの税関当局の作業を評価した。

(貿易円滑化のための透明性の向上)

  1. 我々は,ビジネスが情報を入手できるよう,また,APEC地域のRTA及びFTAの恩恵を十分に享受できるよう支援するための昨年の我々の指示を受けて,関税率及び原産地規則に関するAPEC透明性イニシアティブにおいて著しい進展がみられたことを賞賛した。我々は,APEC統合ウェブサイト(WebTR)の設置を歓迎するとともに,ポータル・サイトの立ち上げに向けた実務者の努力を賞賛した。我々は,本年11月までのWebTRの完成に期待する。我々は,税関関連情報等,APECが貿易円滑化のための透明性を向上させる追加的な方策を特定するよう高級実務者に指示した。我々は,物流ビジネスに関する情報をより入手しやすくすることによって透明性を向上するためのAPEC物流ウェブサイトの新設を賞賛した。

(知的財産権の強化)

  1. 我々は,知的財産権の保護及び執行を強化するという我々のコミットメントを再確認し,創造及び技術革新を奨励し,知的財産権の良好な管理及び利用の手段を与えるインセンティブの提供及び保護のための,包括的で均衡ある知的財産制度の重要性を再表明する。我々は,イノベーション促進のための地球規模知的財産基盤を構築することを目指し,本年着手された,人材育成及び特許審査協力に係るイニシアティブについて,取組を強化する。我々は,特許取得手続に関するAPEC協力イニシアティブの実施を歓迎した。我々は更に,衛星電波及び有線信号の窃取に対応するための方策の探求に関して行われた作業に留意するとともに,APEC模倣品・海賊版対策イニシアティブ及び関連する能力構築活動のような協調した対策や,知財権担当当局及び利害関係者の間の情報共有を通じて模倣品及び海賊版の拡散を防止するために行われた作業にも,留意した。

 (環境物品・サービス(EGS))

  1. 我々は,EGS作業計画を実施するためのAPECの取組を歓迎するとともに,本年の閣僚会議に進ちょくを報告できるよう,経済・技術協力(ECOTECH)及び関連フォーラム間の更に緊密な協力を通じて各エコノミーがEGSセクターを発展させる能力を高めるための取組を含む具体的な活動を更に実施するよう高級実務者に指示した。我々は,持続的な経済成長を促進するとともに,気候変動を含む環境課題に対応するためには,EGSの更なる普及と活用が重要であることを確認し,WTOドーハ・ラウンドにおけるEGS交渉の進展を支持する。

(ビジネス環境の改善)

  1. 2015年までに,ビジネスを25パーセント安く,迅速に,そして容易に行えるよう,及び2011年までに中間的に5パーセントの改善を達成するため,能力構築活動が実施されている。我々は,11月の首脳会議までに,複数年計画の最初の段階として,「起業」,「資金調達」,「契約履行」,「許可取得」及び「越境貿易」の優先5分野においてセミナー/ワークショップを完了する。計画の次の段階として,我々は,APEC全域の中間及び最終目標の達成を支援するため,追加的な能力構築活動を実施する。

(地域経済統合の強化のための能力構築の必要性)

  1. アジア太平洋地域において包括的で,質が高く,大規模なFTAが急速に拡大にしていることを受け,我々は,地域経済統合強化のためのAPECの作業の一部として,能力構築を通じて先進エコノミーと途上エコノミーとの間の隔たりをなくすことの重要性を認識した。この関連で,我々は,地域経済統合の強化のための能力構築の必要性を特定するための提案に留意した。

成長戦略

  1. 成長戦略は,均衡があり,あまねく広がり,持続可能で,革新的で,安全な経済成長を達成することを目指すものである。これらの特性は,お互いが排他的ではなく,深く関連し合っている。我々は,同戦略が,ECOTECH及び能力構築を含む,APECが付加価値を有し得る分野での強みに焦点を当てる,複数年に及ぶ行動計画から成るべきであるということを改めて確認した。我々は,高級実務者に対し,横浜において同戦略を完成するよう奨励した。8月に別府で行われるAPEC成長戦略ハイレベル会合は,産学官の参加者間の議論に基づき,同戦略の方向性について共通理解を形成することを目的としている。エネルギー,人材養成,中小企業,電気通信・情報産業,財務その他の関連する分野別大臣会合は,成長戦略の策定に貴重な貢献を行い得る。

構造改革

  1. 構造改革は,持続的な経済成長を達成し,地域経済統合を推進する上で重要なものであり,成長戦略において不可欠な役割を果たす。我々は,構造改革実施のための首脳の課題(LAISR)の下で特定された5分野における進展を歓迎した。本年はLAISRの最終年であり,我々は,高級実務者に対し,今日までの進展を再検討し,同戦略を支える野心的ながらも実際的な新たな構造改革アジェンダを策定するよう奨励した。

人間の安全保障

  1. 我々は,防災,テロ対策,腐敗対策,保健及び食料安全保障を含む人間の安全保障分野における本年のAPECの取組に留意した。我々は,高級実務者に対し,商業及び貿易に対する潜在的な脅威及び途絶を減じ,それらに備え,安全で,回復力のある経済・社会環境を達成するための域内の能力向上のための取組を強化するよう指示した。アジア太平洋地域が直面する課題は広範にわたるが,我々は,この分野における協調的な取組を通じて未来を形成しなければならない。食料安全保障については,アジア太平洋地域におけるその重要性にかんがみ,10月に新潟で開催される食料安全保障担当大臣会合の成果として,域内の食料安全保障を強化するための具体的行動が得られることを期待する。

デジタル格差への対処

  1. 我々は,APECの都市部,地方部及び農村部社会の人々がインターネットを通じた情報及びサービスにアクセスすることを可能にすることの重要性に留意し,地域のデジタル格差縮減に向けて貢献するAPECデジタル機会センター・プロジェクトの進展を歓迎した。

ECOTECHの強化

  1. 我々は,マニラ枠組みへの首脳のコミットメントを再確認し,ECOTECHが2010年以降も非常に重大な役割を果たし続けることを確認した。我々は,特定された優先分野にまたがる戦略的,結果志向かつ複数年にわたるアプローチを通じたECOTECH活動の強化を歓迎した。

利害関係者のAPECへの関与

  1. 我々は,ABAC及び他の利害関係者との継続的な官民交流を支持した。我々は,民間セクターによる,化学ダイアローグ,ライフサイエンス・イノベーション・フォーラムや自動車ダイアローグにおける,APECの成長と経済統合の優先事項につながる重要な成果を前進させる建設的な関与を歓迎した。また,ライフサイエンス・サプライチェーンの完全性を確保するためのイニシアティブを追求し,化学品の健全な管理と化学業界の成長のための戦略的枠組みを構築し,また自動車業界のグリーン成長を促進する措置をとり続けるよう,実務者に指示した。

APEC事務局機能の強化

  1. 2010年以降のAPECの活動を支えるため,APEC事務局の機能を強化させる必要がある。このため,我々は,政策支援ユニット(PSU)の活動期間を延長することに合意した。また,我々は,PSUに対する資金的支援の在り方及び具体的な延長期間を引き続き検討するよう高級実務者に指示した。我々は,事務局及びAPECフォーラムの説明責任及び透明性の向上のための努力を賞賛した。

横浜に向けて

  1. APECは,地域を取り巻く新しい状況の下で新たな道を進み,新たな局面へ向かわなければならない。札幌での議論を踏まえ,我々は,横浜の閣僚会議を,アジア太平洋の未来及びAPECのビジョンを探求し,首脳に勧告を提出する機会にする。我々は,高級実務者に対し,そのための作業を加速するよう指示した。

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