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平成21年3月
人口:約8,616万人(2008年)
面積:約33万平方キロメートル(九州を除いた日本の面積に相当)
人種:ベトナム民族(キン族)約86%、他に中国人(華僑)1.3%、クメール(カンボディア)1%を始め、山地を中心に53の少数民族が居住。
宗教:仏教80%(うち政府登録信徒は約12%)、カトリック約7%(2005年政府登録ベース)、その他カオダイ教、ホアハオ教等の土着宗教。
名目GDP:約849億ドル(2008年越統計総局。約8兆円。2007年は約709億ドル)
一人当たりGDP:835ドル(2008年越統計総局。2007年は809ドル。日本の1/40程度)
経済成長率:7.79%(2004年)→8.44%(2005年)→8.17%(2006年)→8.48%(2007年)→6.23%(2008年)
(1)1986年より導入されたドイモイ(刷新)政策は、その後の最高指導部の数次に亘る交代を経つつも継続されてきているが、他方、ドイモイの進展の裏で、貧富の差の拡大、汚職の蔓延、官僚主義の弊害や散発する暴動などのマイナス面も顕在化している。
(2)2006年4月の第10回共産党大会(5年に1度開催)においては、ドイモイ政策20年を総括し、ドイモイ路線の継続、低開発状態からの早期の脱出、汚職追放への決意が確認された。また党規約が改正され党員の私営経済活動への参加が認められた。ルオン国家主席、カイ首相は引退。党書記長にはマイン書記長が再選された。2006年5月〜6月の第11期第9回国会にて、チョン国会議長、チエット国家主席、ズン首相が新たに選出され、一部閣僚が交代した。2007年5月、5年に一度の国会議員選挙が行われ、マイン書記長を始めとする首脳陣はいずれも当選し、同年7月〜8月の新期(第12期)第一回国会において、チョン国会議長、チエット国家主席、ズン首相の再任が承認された。また、同国会では、省庁改編(中央省庁数の削減)、一部閣僚の交代(副首相2名の追加等)の他、今期国会議員の任期を4年に短縮し、地方議会(人民評議会)議員の任期を2年延長させることが決定され、次回選挙(2011年)より、国会、地方議会選挙と共産党大会が同一年に行われることとなった。
(1)1989年頃よりドイモイの成果が上がり始め、1995〜1996年には9%台の高い経済成長を続けた。しかし、1997年に入り、成長率の鈍化等の傾向が表面化したのに加え、アジア経済危機の影響を受け、外国直接投資が急減し、1999年の成長率は4.8%に低下した。
(2)その後、成長率は改善し、2000年には6.7%、2003年には7.2%、2005年には8.4%、2007年には8.5%と推移。特に2000年から施行された会社法(2005年11月には改正法が成立)により、民間企業の設立手続が簡素化された結果企業設立が加速し国内の景気が回復した。近年ベトナムは一層の市場経済化と国際経済への統合を推し進めており、2007年1月、WTOに正式加盟を果たしたが、慢性的な貿易赤字、未成熟な投資環境等懸念材料も残っている。
(3)2008年上半期は、深刻なインフレ(2008年6月の対前年同月比は26.8%)及び貿易赤字等の影響で成長率は6.5%と鈍化。政府は、インフレ抑制及び経済の安定化のため、金融・財政引締め策や貿易赤字抑制策をとり、持続的成長を図るべく努力し、同年10月以降物価上昇率は対前月比でマイナスとなったものの(12月のCPIは前月比0.68%減・対前年末比19.9%増。但し2009年1月は旧正月前の需要増加により前月比0.32%増)、2008年の平均物価上昇率は対前年平均値比22.97%と大幅に上昇。
(4)2008年後半の国際金融危機及び世界経済の減速は、同年末にはベトナムの輸出産業や外国投資、国内企業の業績等にも悪影響を及ぼしており、同年の経済成長率は6.23%に低下(2008年目標値は7.0%)。政府は、10億ドルの景気刺激策を利用して、優先的投資案件の金利を補填し、生産活動及び雇用創出を促進する方針を表明する等、引き続きインフレリスクを回避しつつ持続的経済成長を維持し、国民の福利厚生を充実させる方針。また、政府は2009年のGDP成長率目標値を6.5%へと下方修正した。
(5)最近の経済指標は以下のとおり。
GDP(経済)成長率(2008年速報):6.23%(2007年は8.5%)
インフレ率(2008年前年末比):19.9%(2006年は6.6%、2007年は12.6%)
失業率(2008年):4.65%(2006年は4.8%、2007年は4.64%)
外国投資(認可ベース、2008年):640億ドル(2007年は203億ドル)
貿易収支(2008年):▲175.1億ドル(2006年は▲50.6億ドル、2007年は141.2億ドル)
輸出(2008年):629.1億ドル(前年比+29.5%)
輸入(2008年):804.2億ドル(前年比+28.3%)
(1)基本方針は全方位外交、対外開放、地域・国際社会への統合の推進。
(2)1995年7月、ASEANに正式加盟、1998年12月には第6回ASEAN公式首脳会議を主催した。2001年7月には、ASEAN議長国として一連の外相会合をハノイにおいて主催した。2004年10月にはASEM首脳会合を、2006年11月にはAPEC首脳会議を主催した。また、2008年1月には初めて国連安保理非常任理事国(任期2008〜2009年)となった。
(3)米国とは1995年7月に外交関係を樹立。1997年5月に大使交換。2000年11月にはクリントン大統領が、南北ベトナム統一(1976年7月)後、米大統領として初めて訪越。米越通商協定は2000年7月に署名され、2001年12月に批准書交換を了し発効した。2005年6月カイ首相はベトナム戦争後首相として初めて訪米した。2006年11月APEC首脳会議出席及び越政府招待による公式訪問のためブッシュ大統領が訪越した。2007年6月にはチエット国家主席が(ベトナム戦争後初の国家主席の訪米)、2008年6月にはズン首相が訪米する等、越米関係は経済面を中心に(米国はベトナムにとって最大の輸出国)近年急速に改善。他方、人権、宗教を巡っては依然意見の相違あり。
(4)中国とは、1979年に戦火を交えたが、1991年11月に関係正常化。2008年5月のマイン書記長訪日時の際の共同宣言では、従来の「16文字(善隣友好、全面協力、長期安定、未来志向)」と「4つの良(良き隣人、良き友人、良き同志、良きパートナー)」に則り、「包括的かつ戦略的な協力パートナー」となることに合意。最近では、2005年7月にはルオン国家主席が訪中、2005年10月には胡錦濤国家主席が訪越、2006年8月にはマイン書記長が訪中、2006年11月には胡錦濤国家主席がAPEC首脳会議出席及び越政府招待による公式訪問のため訪越、2007年4月にはチョン国会議長が、5月にはチエット国家主席が、2008年5月にはマイン書記長が、10月にはズン首相(ASEM首脳会議にあわせ訪中)が訪中する等良好な関係が維持されている。1999年末には中越陸上国境協定が締結され、2008年末、両国は陸上国境画定作業及び陸上国境における標識敷設作業を完了させた。また、2000年末にはトンキン湾海上国境画定に関する協定が調印され、現在、トンキン湾外海域の境界画定交渉が行われている。但し、南沙問題は依然未解決。
(1)1993年3月のキエット首相訪日以後、関係緊密化が順調に進み、首脳間の往来も頻繁。1999年6月には秋篠宮同妃両殿下が日本の皇族として初めて御訪越された。2004年7月の川口外務大臣の訪越の際には「不朽のパートナーシップの新たな地平に向けて」と題した共同声明を発表した。2006年10月には、首相就任後初の二国間公式訪問としてズン首相が訪日し、安倍総理との間で「アジアの平和と繁栄のための戦略的なパートナーシップに向けて」と題する首脳間で初となる共同声明に合意、発表した。2006年11月には、安倍総理がAPEC首脳会議出席及び二国間公式訪問を行い、ズン首相と会談した他、同行した130人以上からなる経済ミッション及び越側経済界とともに官民合同会議を行った。2007年5月にはキエム副首相兼外相が訪日し、安倍総理への表敬の他、麻生外務大臣との間で両首脳間で設立が合意された日越協力委員会の第一回会合を開催した。2007年11月にはチエット国家主席が国賓として初めて訪日し、福田総理との間で44項目からなる「戦略的パートナーシップに向けたアジェンダ」(下記参照)を含む「深化する日越関係に関する共同声明」を発表した。
日越外交関係樹立35周年を迎えた2008年は、ベトナムにおける日越合同音楽祭や日本におけるベトナムフェスティバル等年間を通じ多くの記念行事が両国において行われた。
2008年2月には、日越外交関係樹立35周年を迎えた機会にベトナム国家からの招待を受け、皇太子殿下が初めてベトナムを御訪問され、チエット国家主席を表敬された他、ハノイ、ダナン、ホイアン、フエ、ホーチミンを御視察になった。
※「戦略的パートナーシップに向けたアジェンダ」(44項目)の要旨
(2)経済協力
1992年11月以降経済協力再開。日本は越にとって最大の援助国。2007年度の援助供与額は、円借、無償、技協合わせて総額約1052億円。
| 2000年度 | 2001年度 | 2002年度 | 2003年度 | 2004年度 | 2005年度 | 2006年度 | 2007年度 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 円借款 | 709.04 | 743.14 | 793.30 | 793.30 | 820.00 | 908.20 | 950.78 | 978.53 |
| 無償資金協力 | 80.67 | 83.65 | 52.37 | 56.50 | 49.14 | 44.65 | 30.97 | 21.18 |
| 技術協力 | 74.32 | 79.09 | 67.08 | 55.77 | 57.11 | 56.61 | 52.75 | 51.98 |

(注)円借款及び無償資金協力は原則として交換公文ベース。技術協力はJICA経費実績ベース。
(3)投資
対越累積投資額は、日本は2008年11月まで約171.4億ドルで、国・地域別の認可額で台湾、マレーシアに次ぎ第3位。但し実行ベースでは第1位(51.8億ドル)。2008年は、出光興産、三井化学、クウェート国際石油グループの合弁による製油所建設案件(62億ドル)等の大型事業が認可されたこともあり、新規投資認可額(72.9億ドル)は前年(9.5億ドル)から大幅に増加。

出所:計画投資省(2008年12月)
(4)日越投資協定
ベトナムにおける外国投資の環境を改善するため、1999年3月の首脳会談(小渕総理・カイ首相)において、両国間の投資協定について予備的協議を開始することで一致。その後、2003年11月14日、川口外務大臣とフック計画投資大臣が投資協定に署名。2004年5月、衆参両院にて承認された。2004年11月19日ハノイにて交換公文が行われ、12月19日から協定が発効。本協定は、日本が過去に締結した投資協定と比較して、投資の自由化及び投資家の権利保護の観点からレベルの高い協定である。
(5)日越共同イニシアティブ
2003年4月、日ベトナム両国政府により、ベトナムの投資環境改善を目的として立ち上げられた。同年12月には行動計画44項目が採択され、その後2年間にわたり、行動計画の進展に関するモニタリング作業が実施され、2005年11月、行動計画の85%を達成したことが確認された。2006年7月には第2フェーズが開始され、新たに80の評価項目に合意、2007年11月、全体の93%が予定通りに実施されたことが確認された。本イニシアティブ実施によるベトナムの投資環境改善の効果もあり、2003年から3年間で日本の対越直接投資(新規・認可ベース)は10倍以上に増加。08年7月には第3フェーズの行動計画策定を開始するキックオフ会合が開催され、各ワーキングチームによる議論を経て、同年11月の合同委員会において37目からなる行動計画が策定された。今後、2年間にわたり同行動計画の進捗を双方でモニタリングし、2011年11月に最終評価を行う。
(6)日越経済連携協定
2005年12月の東アジアサミットの際の日越首脳会談において、二国間の経済連携協定交渉の開始に向け、2006年より共同検討会合を開始し早期に正式交渉に移行することを両首脳間で合意。同年2月に第一回共同検討会合が、4月に第二回共同検討会合が開催され、共同検討会合として正式交渉の早期開始を両国政府に提言することに合意。同年10月の日越首脳会談において正式交渉を2007年1月に開催することに合意。同年1月に東京で第一回交渉を行って以降これまで7回の交渉会合(及び4回の中間会合)を行った。
本協定は、関税の撤廃・削減、サービス貿易の自由化及び関連分野の連携強化を図ることにより、日越間の貿易の拡大、投資貿易の促進及び経済関係全般の強化を図るもの。ベトナムにとっては初めての二国間EPAとなる。
人の移動(ベトナム人看護師・介護福祉士の将来における受入れの可能性)については、協定発効後に継続して協議 (可能であれば協定発効後1年以内、遅くとも2年以内に結論)を行うことになった。なお日越EPAにおいては、現行の入管制度の範囲内で、入国先の看護師国家資格を取得した者の入国及び一時的な滞在を相互に約束している。
(7)貿易
日越間の貿易は拡大、収支はほぼ均衡。日本からの主な輸出品は機械機器、鉄鋼、電子機器。日本の主な輸入品は原油、水産物、縫製品。日本はベトナムにとって中国に続く第2の貿易相手国・地域(2008年の各国貿易額:中国199億ドル、日本169億ドル、米国145億ドル)。2008年、日越間の貿易総額は2006年の首脳間共同声明における2010年までの達成目標150億ドルを2年前倒しで超過。

出所:越税関総局
(8)在留邦人数:7,036人(2008年10月現在。北中部:4028人、南部:3008人、同月比+25%)
日系企業数:824社(北部:340社、中部:35社、南部:449社(2009年1月現在))
(9)外国人・日本人入国者数の推移
| 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 入国者数(概算) | 233万 | 263万 | 243万 | 293万 | 348万 | 358万 | 423万 | 430万 |
| (伸び率) | +8.9% | +12.8% | -7.6% | +20.5% | +18.8% | +3.0% | +18.0% | +0.6% |
| うち日本人(概算) | 21万 | 28万 | 21万 | 27万 | 34万 | 38万 | 42万 | 39万 |
| (伸び率) | +43.5% | +36.4% | -25.1% | +27.5% | +26.7% | +13.4% | +9.0% | -6.1% |
(10)在日ベトナム人(外国人登録者)数:36,860人(2007年末現在。対前年比+13.5%)