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ライス米国国務長官の訪日
(小泉総理大臣表敬、日米外相会談、
細田官房長官との会談の概要)

平成17年7月12日

 ライス米国国務長官は、7月11日から12日の日程で訪日し、12日、小泉総理大臣への表敬、町村外務大臣との日米外相会談(ワーキング・ランチを含む)、細田官房長官との会談を行った。これらの会談・表敬におけるやりとりの概要以下のとおり。

I.小泉総理へのライス国務長官の表敬

1.天皇皇后両陛下のサイパン島御訪問

 小泉総理より、先般の天皇皇后両陛下のサイパン島御訪問に際しての米側の協力に謝意を表した。

2.国連改革

(1)小泉総理より、米国が日本の安保理常任理事国入りを支持していることに感謝する、この問題については、日本は現在G4の一員として努力を行っているところであるが、日米同盟と国際協調の両立を実現する観点からも国連改革を成し遂げることは非常に重要であると考えている、米国、そして国際社会の支持を得つつ進めていきたい旨の発言があった。

(2)これに対し、ライス国務長官より、日本の安保理常任理事国入り支持が米国の立場である、一方、米国としては、安保理改革とともに、国連全体の改革、例えば国連の運営、事務局、人権理事会等の改革をも重視しており、安保理改革もそういった全体の改革の中の一部として取り組んでいきたい、米国としては二ヶ国程度安保理常任理事国の追加をするとの提案を行っている、また、ある特定の国が安保理入りするのを反対しているということもない、いずれにせよ、引き続き日本と緊密に協議していきたいと述べた。

3.北朝鮮

(1)小泉総理より、六者会合が再開される見通しとなったが、米国が果たした努力を評価している、今後とも米国と一貫して緊密に協力していきたい、また、問題解決に向けて具体的な進展が得られることが重要である旨述べた。

(2)これに対し、ライス長官より、日本との緊密な協力を引き続き継続していきたい、今週後半に日米韓の高級事務レベル協議が行われるので、その際にも緊密に協議をしていきたい旨述べた。

4.在日米軍の兵力構成見直し

(1)ライス国務長官より、概要以下の発言があった。

(イ)本件については日米間で緊密に協議しているが、ブッシュ大統領と小泉総理の下、21世紀の日米同盟を構築していくとの視点からこの重要な取組を成し遂げていくことが重要と考えている、それが両首脳の歴史的業績となることを、ブッシュ大統領も自分(ライス長官)も期待している。

(ロ)本年2月の「2+2」会合において、日米間で共通戦略目標を見出すことが出来たのは有意義であった。

(ハ)日本と協議していく過程、特に小泉総理及び町村大臣等の閣僚との協議を通じ、沖縄を始めとする地元の負担の軽減と抑止力の維持の二つの点が重要であることはよく認識している。

(二)両者の間で現在鋭意協議が行われているが、9月頃にも何らかの成果をまとめるとの目標を持って、さらに精力的に協議を行っていくこととなった。

(2)これに対し、小泉総理より、沖縄を始めとする地元の負担軽減と抑止力の維持・確保は引き続き日本にとって非常に重要である、米国との協議を引き続き精力的に進めていくように自分としても努力したいと応えた。

5.イラク・アフガニスタンの復興及びテロとの闘い

(1)ライス長官より、イラク及びアフガニスタンにおける(自衛隊派遣を含む)日本の貢献を高く評価する旨述べた。

(2)小泉総理より、テロへの対応の重要性は自分としてもよく認識している、アフガニスタン及びイラクにおける復興支援の失敗は許されない、国際社会と協力しつつ対応していくことが重要である、また、先日ロンドンでテロ事件が起きたが、改めてテロへの対応を継続していくことの重要性を認識した旨述べた。

II.日米外相会談及びワーキング・ランチ

1.日米関係

(1)天皇皇后両陛下のサイパン御訪問
 町村大臣より、先の天皇皇后両陛下のサイパン島御訪問に際する米側の協力に謝意を表したのに対し、ライス長官より、素晴らしい御訪問でありお喜び申し上げるとの発言があった。

(2)在日米軍の兵力構成見直し
 ライス長官より、現在兵力構成見直しに関する協議が行われているが、これは21世紀の日米同盟を近代的なものにしていく歴史的作業であり、小泉総理及びブッシュ大統領のリーダーシップの下で本件が成し遂げられるべきものと考えている旨述べた。また、両外相は、今後も精力的に作業を進め、9月頃にも何らかの成果をまとめていくこととなった。町村大臣からは、抑止力の維持と沖縄をはじめとする地元の負担の軽減を確保することが重要であることを強調した。

(3)BSE
 町村大臣より、我が国としては、消費者の食の安全の確保を前提に、科学的知見に基づき、本件の早期解決に向けて引き続き努力したい、現在、食品安全委員会での科学的な審議が行われている旨述べた。これに対し、ライス長官より、関係者の努力を多とする、(早期解決に向けた)モメンタムを維持できることが重要である旨応えた。

(4)日米戦略対話、開発問題
 9月の国連総会の際に日程調整ができれば、両外相間で閣僚レベルの日米戦略対話を開催することで合意した。また、開発問題に関し、先般のサミットでも日米間で緊密な協調を行ったが、今後両国間でどのような協調を行うことが可能であるか、藪中外務審議官とシャイナー国務次官の間で協議を行っていくことで合意した。

2.北朝鮮

(1)町村大臣より概要以下のとおり述べた。
 六者会合が再開される見通しとなったことを歓迎したい。米国を始めとする関係国の努力を評価する。
 我が国としては、北朝鮮の核、ミサイル、拉致を始めとする人権問題を解決していくことが重要かつ必要と考えている。六者会合が再開された際、具体的進展が見られることが必要であり、北朝鮮が真剣かつ建設的な対応を行う必要がある。日米韓の緊密な連携を引き続き続けていきたい。
 拉致問題に関し、ライス長官をはじめ、米国の温かい理解と支援に感謝する。シーファー駐日大使には最近拉致被害者家族に対し心温まる対応を頂いたことに感謝する。日朝関係については、ここ半年の間交渉が実施されていない状態である。日本においては国民の間で北朝鮮の対応に対する不満が高まっており、経済制裁を政府に求める圧力も依然として強い。

(2)これに対し、ライス長官より概要以下のとおり述べた。
 シーファー大使が拉致被害者家族に対して示したように、米国としては、拉致問題に関し引き続き日本の立場を支持していく。
 六者会合が再開された際、北朝鮮が真剣に話し合う用意がある必要があり、実質的な成果をあげることが重要である。今週後半、日米韓三ヶ国で協議を行うが、引き続き日米韓で緊密に協力していきたい。北朝鮮が核の廃棄という選択を取らなければ、六者会合の進展は難しい。

3.国連・安保理改革

(1)ライス長官より、米国としては、国連全体がより効果的な組織となるよう幅広い改革が行われることが重要と考えている、日本の安保理常任理事国入りを完全に支持している旨述べた。

(2)これに対し町村大臣より、日本にとって安保理改革は非常に重要であるが、同時に我が国は国連全体の改革も重視しており米国と引き続き協力していきたい、安保理改革及び国連全体の改革を双方ともにモメンタムをもって実施していくことが重要である旨述べた。

(3)これを受けて、ライス長官より、二ヶ国程度の安保理常任理事国を増やすこと等を含む米国の改革案について説明があり、安保理改革については十分な時間をかけて出来るだけ広いコンセンサスを得ながら進めることが必要である旨述べた。

(4)両外相間で、安保理改革のための様々な案が提出され、また今後提出されようとしている中、安保理の実効性を高め、改革を進めるために引き続き緊密に協議・協力していくことで一致した。

4.テロとの闘い、イラク

(1)アフガニスタン
 ライス長官より、アフガニスタンにおけるテロとの闘い及び復興支援における日本の支援に対し謝意が表されたのに対し、町村大臣より、テロ特措法の期限が11月1日に到来する、今後とも米国と緊密に連絡をとっていくが、いずれにせよ、期限後の対応に関しては今後我が国として検討した上で自主的に判断していきたい旨述べた。

(2)イラク
 ライス長官より、イラクの治安の強化のためにイラク人の治安部隊の強化が進められていること、及び政治プロセス進展に向けた努力につき説明があり、日本よりイラク国民に対して素晴らしい支援を行っていることを高く評価する、また先般のブラッセルで開催されたイラク国際会議は世界各国が集まりイラクを支援するとのメッセージを発出することが出来た点で非常に有意義であったとの発言があった。

III.細田官房長官との会談

1.北朝鮮

(1)細田長官より、六者会合再開のために米国、中でもライス国務長官が果たされた大きな役割に感謝する、一年間中断していた六者会合再開の目途が立ったのは一つの前進ではあるが、重要なのは六者会合を通じ問題解決に向けて具体的な進展が得られることであり、そのためにも日米韓で緊密に連携することが重要である旨述べた。

(2)これに対し、ライス長官より、北朝鮮の核問題への対応を日米で協力して行ってきているが、今後とも緊密な協力を続けていきたい、話し合いのための話し合いの場ではなく、具体的な進展を得るために交渉に臨んでいきたい旨応えた。

(3)また、細田長官より拉致問題に関する日本の立場に対する米国の支持に感謝する旨述べたのに対し、ライス長官より、拉致問題は人権問題として米国としても極めて重視している、今後も引き続き日本の立場を支持していきたいと応えた。

2.BSE

(1)細田長官より、食品安全委員会で科学的な審議が行われており、今後とも我が国としては消費者の食の安全の確保を前提に、科学的知見に基づいて本件の早期解決に向けて引き続き努力していきたいと述べた。

(2)これに対し、ライス長官より、午前中に町村大臣から本件をめぐる状況についてご説明頂いた、牛肉貿易の早期再開を期待していると応えた。

3.在日米軍の兵力構成見直し

(1)細田長官より、抑止力の維持と沖縄を始めとする地元の負担の軽減という視点の下、引き続き協議を加速していきたい、9月頃にも何らかの成果をまとめたいと考えていると述べた。

(2)これに対し、ライス長官より、本件についてはブッシュ大統領と小泉総理の間で21世紀の日米同盟関係を構築していくということで、歴史的成果が成し遂げられることを期待している、米国としても、上記の時間的枠組みの下、成果を出せるよう、日本と協議していきたい旨応えた。

4.アフガニスタン・イラクの復興及びテロとの闘い

 ライス長官より、アフガニスタン及びイラクにおける日本の協力及び支持に感謝する、ロンドンでの今回のテロ事件を受け、テロとの闘いの努力をさらに進めていかなければならないと感じた旨述べた。

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