
アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ
日本・ウクライナ共同声明(仮訳)
平成21年3月25日 於:東京
(骨子はこちら)
(英語版はこちら)
- ユーリヤ・ティモシェンコ・ウクライナ首相は日本国政府の招待により、2009年3月25日から26日まで日本を訪問し、3月25日に麻生太郎日本国総理大臣と会談を行った。同会談で、双方は二国間関係及び相互に関心を有するグローバルな問題を含む幅広い諸問題について意見交換を行った。
- 双方は、両国が共有する民主主義、自由、人権、法の支配及び市場経済といった基本的価値の重要性に言及しつつ、二国間関係を強化する重要性を強調した。双方は2008年3月東京で行われた、両国外相間の第2回日本・ウクライナ協力委員会会合やその他ハイレベルの政務協議をはじめとした、近年実施された両国間の活発で実りある対話を高く評価した。
- 双方は、特に貿易及び投資面での二国間経済関係の進展を歓迎した。日本側は、2008年5月16日にウクライナがWTOに加盟したことを歓迎した。双方は、世界的な経済危機の厳しい状況に言及しつつ、持続可能な経済成長、雇用及び繁栄のために、WTOの合意を尊重し、自由で開かれた貿易を維持・促進する重要性を強調し、現在広まっている保護主義に対して断固とした態度をとることの重要性を再確認した。
- 双方は、2009年3月9日に東京で開催され、エネルギー保全、ウクライナ産業の近代化における代替エネルギーの活用、及びウクライナのインフラ整備等の分野におけるビジネス面での協力可能性について協議された、日本経団連とウクライナ対日経済協力調整評議会との第2回経済合同委員会の成果を歓迎した。
双方はまた、日本貿易保険(NEXI)とウクライナ輸出入銀行との間で2009年3月25日に締結された覚書を歓迎した。日本側は、さらなる二国間経済関係発展のためにウクライナ側のビジネス環境改善のための継続的な努力の重要性を認識した。この点において、ウクライナ側は日本経済界の代表との集中的な対話を継続し、またウクライナにおける日本企業の活動を促進・支援していく意図を表明するとともに、ウクライナにおいて日本経済界の代表が参加する具体的なプロジェクトが実現することへの期待を表明した。
- 双方は世界経済危機が両国に及ぼす否定的な影響に関する懸念を表明した。これに関連し、双方は、国際通貨基金(IMF)のウクライナに対する2年間のスタンド・バイ・ローンが2008年11月5日に承認されたことを歓迎した。ウクライナ側は、IMFメンバー国へのタイムリーかつ効果的資金供与を目的とし、2009年2月13日に署名された日本のIMFへの最大1000億米ドルの融資取極を始めとする日本のIMFへの貢献を歓迎するとともに、ウクライナ経済の脆弱性を克服するためIMFを含む国際金融機関とさらに協力する意図を再確認した。日本側は、ウクライナ側の経済的困難を緩和する努力を支援するため、金融分野の専門家を派遣する用意があるとの意向を表明した。
- 双方は、気候変動が最も優先すべきグローバルな問題である旨認識した。双方は、2008年7月14日に行われた、京都議定書第6条及び第17条に基づき行われた、国連の気候変動枠組み条約及び京都議定書履行に向けた協力に関する日本国政府及びウクライナ政府間の覚書への署名、並びに2009年3月18日に行われたグリーン投資スキーム(GIS)実施に向けたガイドラインへの署名を歓迎した。2009年3月18日に独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)とウクライナ環境投資庁(NEIA)との間で締結した割当量(AAU)の取引に関する契約の締結について、双方は、ウクライナにおける温室効果ガスの削減やその他環境対策につながるよう、GISの下で具体的な環境対策実施を促進するために協力する意向を表明した。これに関し日本側は、双方の都合の良い時期に、日本の主要企業からなるミッションをウクライナに派遣する意図を表明した。双方はまた、二国間経済関係を発展させ省エネ技術の普及を推進させるため、覚書の下で実施される共同実施(JI)の潜在力を認識した。
- 双方は、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量の少なくとも50%削減という長期目標を共有した。双方は、先進国の公平な国別排出削減目標の設定及び発展途上国への技術移転を通じた世界全体の削減の促進にあたってはセクター別アプローチを活用することが有効であることを強調した。双方は、共通だが差違のある責任、及びそれぞれの能力に応じて途上国が対策を講じるべきであるとの見解を共有した。双方は、後発発展途上国や小島嶼後発途上国といった気候変動に対し最も脆弱な国々との団結の必要性を認識するとともに、気候変動が国際安全保障に及ぼす影響についても考慮する必要性を認識した。双方は、2009年にコペンハーゲンで開かれる第15回国連気候変動枠組条約締約国会議において全ての主要経済国が責任ある形で参加する実効性のある2012年以降の枠組みを構築することについて協力する必要性を共有した。
- ウクライナ側は、政府開発援助を通した民主主義の定着、市場経済の確立及び保健医療サービスの改善に対する日本側の継続的な支援、特に2008年11月に開始されたボリスポリ国際空港開発プロジェクトに対する最初の円借款供与に対して謝意を表明した。双方は、同プロジェクトの円滑な実施と早期建設完了に向けて協力する決意を表明した。双方はまた、ウクライナにおける市場経済化を促進し、貿易投資及び日本文化・日本語を含めた様々な分野における二国間関係強化に寄与するキエフ工科大学のウクライナ・日本センターにおける技術協力プロジェクトの重要性を強調した。
- 双方は、第2回日本・ウクライナ科学技術協力委員会を双方にとり都合のよい時期に東京で開催すべく調整する意図を表明した。
- 双方は、日・ウクライナ核兵器廃棄協力委員会により実施されたプロジェクトへの満足を表明した。双方はまた、同委員会を通じて形成されている新規プロジェクトの最近の進展を歓迎した。
- 双方は、原子力安全基金(NSA)の枠組みにおける進展及び日本・ウクライナ間の協力を歓迎した。特にウクライナ側は、大きな成果を得た2008年6月のNSAプレッジング会合開催に際してのG8議長国としての日本の主導的役割に謝意を表明した。双方はまた、日本政府及び日本NGOの支援により成功裏に実施された、チェルノブイリ原子力発電所事故関連の様々な社会・経済プロジェクトに言及した。
- 双方は、国連及びその専門機関における日本とウクライナの間の協力を賞賛した。双方は、常任及び非常任双方の議席拡大を含む国連安全保障理事会改革の早期実現のために共に積極的に取り組んでいく決意を表明した。この文脈で、ウクライナ側は、日本国が安全保障理事会の常任理事国となることに対する支持を確認し、日本側は同支持に対する謝意を表明した。ウクライナ側は、国連安保理拡大に関するいかなる案においても東欧地域グループ諸国に対し非常任追加1議席を付与する必要性に関し、ウクライナ側の一貫した立場への日本の支持に対する希望を表明した。
- ウクライナ側は、「民主主義・経済発展のための機構-GUAM」に対する日本の支援、並びに日本とGUAMとの間の積極的協力及び対話を高く評価した。双方は、2009年2月19日及び20日東京において開催されたナショナル・コーディネーター会合並びに2009年2月1日から9日に東京において行われた貿易投資促進ワークショップに加えて、「GUAM+日本」対話の継続は、観光、貿易及び投資、省エネルギー及び環境保護といった相互の関心分野におけるさらなる協力のための強力な基盤を創設するとの確信を表明した。
- 双方は、北朝鮮情勢を含め、相互に関心を有する国際問題につき意見を交換し、北東アジアの平和と安定のためには、北朝鮮が既に発表した発射を取りやめることが重要であることを強調した。双方はまた、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決することが必要であるとの見解を共有した。
- 双方は、相互に関心を有するその他の国際情勢について意見交換を行った。