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日本とカタールの二国間経済関係の更なる深化に関する共同声明
(仮訳)
平成23年10月4日
(英語版)
2011年10月4日,玄葉光一郎外務大臣及び枝野幸男経済産業大臣とアブドッラー・ビン・ハマド・アル=アティーヤ・カタール国副首相兼首長府長官は,ムハンマド・サーレ・アル=サダ・カタール国エネルギー工業大臣の出席の下,東京において,日カタール合同経済委員会第6回会合を開催した。
[概観]
- 双方は,アル=サダ大臣を伴ったアティーヤ副首相一行の訪日の機会に,日・カタール合同経済委員会第6回会合並びにエネルギー作業部会及びビジネス環境整備・投資作業部会が開催されたことを歓迎した。
- 双方は,様々な分野における二国間関係の発展,特に,エネルギー分野における二国間の堅固なパートナーシップを通じて促進された,長年にわたる互恵関係に基づく経済関係及び2006年11月以来の日カタール合同経済委員会の貢献に満足の意を表した。
- 日本側は,東日本大震災に際してのカタール国民及び政府からのお見舞いの言葉と,震災復興のための温かな支援,即ち,1億米ドルの支援金の供与及び震災発生後の需要増加に対するLNGの追加供給に心から感謝の意を表した。日本側は,復興段階において支援金をいかに最適な方法で活用するかについて議論し,特定するための「復興支援委員会(RSC)(仮称)」が,カタール側によって設立されることに感謝の意を表した。双方は, RSCの議論に基づき,可能な限り早く,また2011年末までに,カタール側が具体的なプロジェクトを決定すべきであることを確認した。
- 日本側は,日本の農産品の安全性を確保するための取組について説明を行った。日本側は,被災地の現在の放射能レベルを含め,適時に必要な情報提供を継続することを約束し,原発事故以降に課せられた日本からの輸入品に対する現行の規制の緩和をカタール側に促した。カタール側は,それらの措置を再検討することを誓約した。
- 双方は,2012年が日カタール外交関係樹立40周年であることに言及しつつ,両国間の相互理解・信頼をより一層促進することの重要性を確認した。この関連で,双方は,二国間の重層的関係を強化するための多数の記念行事を実施し,二国間の投資フォーラムを含むプロジェクトを立ち上げる意向を表明した。
[エネルギー協力]
- 双方は,日本がカタールにとっての最初のLNG購入国であり,かつ,依然としてカタールからのLNGの世界最大の輸入国の一つであることを想起し,それぞれの経済における石油及びLNGの重要性とエネルギー分野における二国間協力を更に進展させることの重要性を再確認した。
- 日本側は,カタールが天然資源に関して世界的に信頼性の高い供給国であり続け,LNGの世界最大の生産国である同国が世界のエネルギー市場に対して重要な貢献国であり続けることへの期待を表明した。この文脈で,日本側は,2010年12月にカタール側のLNG生産能力が年間7,700万トンに拡大したことを祝福した。一方,カタール側は,日本を含む世界に石油,LPG及びLNGを相互に受入れ可能な条件で安定的かつ確実に供給し続ける意思を表明した。
- 双方は,市場の安定性を促進するため,市場の透明性及びエネルギーの適切な需給バランスが重要であるということで意見の一致をみた。双方は,エネルギー価格の不安定性と過度の変動がエネルギー産出者及び消費者の双方にとって望ましくないと述べた。また,双方は,市場の透明性の改善のため,エネルギー価格の安定化に資する共同機関データ・イニシアティブ(JODI)の更なる促進が必要であることを確認した。
- 日本側は,カタールの新たな大型LNGタンカー(Q-Flex及びQ-Max)の受入れの準備状況を説明し,日本向けタンカーの入港回数の大幅な増加を報告した。日本側は,カタールから日本へのLNG輸送の更なる改善及び拡充のために,迅速かつ適切な措置を継続する意思を表明した。カタール側は,日本側のかかる取組を評価し,カタールからの日本向けタンカーの入港回数の増加に関して満足の意を表明した。
- 双方は,適切なチャネルを通じて,エネルギー分野における上流及び下流部門を含め,投資活動の拡大に関する具体的案件に関する議論を継続することを再確認した。この関連で,双方は,2011年5月8日に日本企業とカタール政府との間で締結されたカタール沖ブロックAにおける探鉱・生産分与契約を歓迎した。
[ビジネス環境]
- 双方は,両国間のビジネス環境の更なる改善に向けて,
- (1)相互投資を促進するための議論を活性化するという意思を表明した。
- (2)9月23日にニューヨークで開催された日GCC外相会議(第2回戦略対話)において,日本とカタールとの間及び日本とGCC諸国全体との間の経済・ビジネス関係を認識しつつ,日本とGCCとの間の物品及びサービスの取引に関する自由貿易協定の交渉を再開するという決定を確認した。
- (3)カタール側は,WTOにおける貿易円滑化交渉において,日本側が,パイプラインや電気網等の一定のインフラを通じて移動する物品を通過の自由に関する条項に含めることの支援を検討することを歓迎した。
- 双方は,両国にとってより良いビジネス環境を創出するとの確固たる意思を表明し,民間セクターによる共同研究・開発への参加を奨励することの重要性を強調した。この文脈で,カタール側は,「カタール科学技術パーク」への日本企業の参加を歓迎し,その活動を支援することを表明した。
- 双方は,情報交換に関する書簡の交換を通じた金融庁とカタール金融センターとの間の協力の進展を歓迎した。
[インフラ]
- 双方は,両国の官民が実施するインフラ・プロジェクトにおける協力拡大への期待を表明した。カタール側は,日本企業による新ドーハ国際空港の建設を歓迎し,カタールのインフラ分野への更なる参入を期待した。
- 日本側は,2022年FIFAワールドカップをカタールが主催することへの祝意を表明し,競技場,宿泊施設,「新ドーハウェストベイ全自動無人運転車両」を含む輸送システム等のインフラの建設を含め,その開催準備に協力する用意がある意思を表明した。
- 日本側は,競技場,宿泊施設,輸送システム等の潜在的なインフラ・プロジェクトに関するセミナーを開催する意向を表明した。カタール側は,これらの事項に関する日本のイニシアティブを歓迎した。双方は,インフラ建設の分野における官民プロジェクトの協力拡大への期待を表明した。
- カタール側は,水需要の増加に対応するため,日本企業が最先端の技術でカタールの淡水化プロジェクトに参画することへの期待を表明した。日本側は,カタール国家食糧計画に協力し,日本の先進技術を活用した,灌漑農業のための淡水化プラント計画案を提出する意思を表明した。日本側は,日本企業が,現在契約可能なカタール発電造水会社の淡水化プロジェクトに参加することに関心を有していることを説明した。
- カタール側は,カタールが直面する水関連の課題の解決に貢献し得る上下水管理技術に関するセミナーを開催するという日本のイニシアティブを歓迎し,それが両国の官民プロジェクトにつながることへの期待を表明した。
[その他]
- 双方は,教育と人的資源の開発が国家の発展に不可欠であるという認識を共有し,教育分野での協力を進展させるとの意思を確認した。
- カタール側は,2011年11月1日から3日にドーハで開催される第3回カタール国際大学フェアへの参加に関心を有する日本の大学を招待した。日本側は,日本の大学の参加を促す用意があることを表明した。
- 双方は,情報通信技術分野における協力を拡大する意思を確認した。
- 双方は,両国間の文化交流の進展に満足の意を表し,芸術,遺産展覧会,博物館,カタール国民の日本語学習の振興等の分野で,二国間の文化協力の更なる拡大を探求する必要性を強調した。
- カタール側は,日カタール間の航空関係の拡大について希望を表明し,日本側はそれに留意した。
- 双方は,二国間の経済的関係をより一層深化するための本委員会の重要な役割を再確認し,本委員会の声明を実行して達成された成果の中間レビュー及びフォローアップとともに毎年議論を継続することの重要性を再確認した。双方は,来年,本委員会第7回会合を開催することを決定した。
- 日本国外務大臣
玄葉 光一郎
- カタール国副首相兼首長府長官
アブドッラー・ビン・ハマド・アル=アティーヤ
- 日本国経済産業大臣
枝野 幸男