3月15日(月曜日)から19日(金曜日)にかけて、中東主要国の有識者2名を招聘しました。日本滞在期間中、日本と中東の相互理解の深化に役立つ会談、ラウンドテーブル等の行事が行われました。事業の概要は次のとおりです。
- 被招聘者
・ アブデルモネム・サイード氏(エジプトの日刊紙アル・アハラム紙社主)
・ ファハド・アルスルタン氏(サウジアラビア・キング・アブドルアジーズ国民対話センター事務次長) - 主な行事
・ 外務省・財団法人中東調査会共催ラウンドテーブルへの出席
・ 武正外務副大臣、吉良外務大臣政務官との会談
・ 鳩山総理大臣及び横路衆議院議長へのアブデルモネム・サイード・アル・アハラム紙社主によるインタビュー
・ 我が国有識者との意見交換
・ 都内科学技術施設視察 - 概要
(1)外務省・財団法人中東調査会共催ラウンドテーブル(16日)
本件招聘の機会に、日本の中東有識者を交え、「発展する中東と日本」のテーマの下、ラウンドテーブルを開催(司会:有馬龍夫中東調査会理事長。アラブ側参加者:被招聘者2名、ワリード・シアム在本邦パレスチナ常駐総代表。日本側参加者:浦野義頼早稲田大学中東総合研究所長、内藤正典一橋大学大学院社会学研究科教授、田中浩一郎日本エネルギー経済研究所中東研究センター長、鈴木敏郎外務省中東アフリカ局長(オブザーバー)。佐々木幹夫中東調査会会長及び鈴木中東アフリカ局長が冒頭挨拶を行った)。
本ラウンドテーブルでは、豊富なエネルギー資源や人的資源を有し、近代化と発展を遂げつつある中東が、その一方で不安定な地域情勢や種々の経済的・社会的課題をいかに克服していけるのか、そして、そのために我が国としてどのような協力を行い得るのかをテーマに議論を行った。参加者からは、次のような問題提起がなされた。
・ 中東には近代化が進まない国家や失敗国家がある一方で、中東の安定化のために努力するとともに、自国の改革や発展を遂げている成熟した国家も存在する。
・ 教育は過激主義を根絶し、経済を発展させる上で有効。この点で、戦後の目覚ましい経済成長を遂げる原動力となった日本の教育制度はモデルとなり得る。
・ 日本は中東での植民地経験がなく、中東各国と友好関係を有するとの有利な立場にあり、ぜひとも中東で一層の役割を果たしてほしい。
・ 日本は、戦後の経済復興の経験を活かし、教育や人材育成など、重層的関係の構築が必要。
・ 相互利益のあるところに対話が存在するのであり、その意味で日アラブ間の対話を継続・発展させていくことは有意義。
(2)武正外務副大臣、吉良外務大臣政務官との会談(18日)
被招聘者2名は、外務省に武正副大臣を表敬し、また、吉良政務官主催の昼食会に参加した。被招聘者らは、中東和平をはじめとする地域の平和に果たす日本の立場と役割を評価するとともに、石油を越えた多様な分野での日本との関係の発展を希望する旨述べた。一方、武正副大臣及び吉良政務官からは、包括的中東和平実現と中東地域の安定確保を日本として引き続き支援する立場を伝えるとともに、重層的関係の構築を重視している旨述べた。(3)その他の行事
被招聘者らは、17日にパナソニックセンター東京、18日に独立行政法人 産業技術総合研究所臨海副都心センターをそれぞれ視察し、日本の高い科学技術の説明を受けた。また、複数の日本の中東関係有識者と懇談し、意見交換を行った。
