中東

世界地図 アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ

第2回「日本とイスラム世界との未来への対話」(「未来対話」)セミナー
(概要と評価)

平成24年3月

1 概要

  1. (1) 2月29日(水曜日)及び3月1日(木曜日),第2回「日本とイスラム世界との未来への対話」セミナー(略称:「未来対話」)が,日本側から約40名,イスラム側から約30名の有識者,ジャーナリスト,青年等が参加してヨルダンのアンマンにおいて開催された(参加者リスト(PDF))。今次「未来対話」セミナーでは,坂場三男日本政府代表/文化交流担当大使が日本政府を代表して開会挨拶を行い,ヨルダン側からはサラーハ・ジャッラール・ヨルダン文化大臣列席の下にバシール・アル・ゾアビ・ヨルダン大学学長代行等が挨拶を行った(議題(PDF))。
  2. (2) 「未来対話」は,日本とイスラム世界の有識者等が特定のテーマについて議論することにより,我が国とイスラム諸国との相互理解を深めるとともに,イスラム世界との対話を重視する我が国の姿勢をイスラム世界全体に発信すること等を目的としたセミナーであり,外務省とイスラム諸国の特定ホスト国との主催により,2011年から2013年までの3年間にわたり開催されることとなっている。第1回目の「未来対話」セミナーは,昨年3月,アラブ首長国連邦のアブダビにおいて,日本外務省とザーイド大学の主催により開催されたが,今回の第2回セミナーは,日本外務省とヨルダン大学の主催により行われ,笹川平和財団中東イスラム基金,筑波大学,日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所が共催機関として,また,JICAが協力機関として参加した。イスラム側からは,主催国のヨルダンの他,レバノン,エジプト,サウジアラビア,バーレーン,チュニジア,イラン,インドネシア,マレーシアの有識者等が参加した。
  3. (3) 「未来対話」においては,「未来の世代のための社会経済発展と文化の調和」という3回のセミナーに対する統一テーマの下,各回のセミナーに副題が設けられた。今次第2回セミナーの副題は,当初から「若者たちに未来への展望を開く能力開発」とされていたが,過去1年間に,イスラム諸国においては,チュニジア,エジプト等においていわゆる「アラブの春」の拡大が見られ,また,我が国においては,東日本大震災が発生した。このようにイスラム世界及び日本の双方とも大きな社会的変革を余儀なくされたことを踏まえて,今次セミナーでは,これら2つの要素も議題の中に組み込まれ,議論されることとなった。
  4. (4) 2月29日の開会セッションにおいては,前述のとおり,サラーハ・ジャッラール・ヨルダン文化大臣の列席の下に,我が国からは坂場三男日本政府代表/文化交流担当大使,ヨルダン側を代表してバシール・アル・ゾアビ・ヨルダン大学学長代行がスピーチを行った。また,ポップカルチャー分野で著名な櫻井孝昌氏(コンテンツ・メディア・プロデューサー)が基調講演を行った。開会式及び基調講演の際にはヨルダン大学学生等も含め約150名が参加した。
  5. (5) また,個別セッションに関しては,第1セッションは「世代を超えて継承され,再創造される伝統」について,第2セッションにおいては「多様な価値と調和する技術と文化」の問題が,第3セッションでは次の世代を担う若者に対する「教育と社会開発」のあり方が議論された。第4セッションでは「域外専門家及び外国メディアの視点」から「アラブの春」について議論がなされた。第5セッションは,昨年の第1回セミナーに引き続き「青年交流セッション」が設けられ,日本とヨルダンの青年及び海外青年協力隊員(JOCV)が「若者と社会の変革」について活発な議論を行った。最後の閉会セッションでは,来年の「未来対話」セミナーが最終回として東京で開催され,第1回及び今次第2回のセミナーの成果を総括する形で行われることが確認されるとともに,東京セミナー後も,何らかの形で日本とイスラム世界との対話が継続されるべき旨イスラム側から提言があった。また,青年交流プログラムについても東京セミナーにおいて引き続き実施されるべきことが確認された。

2 評価

  1. (1) 第1回「未来対話」アブダビ・セミナーに続いて,今次会合においても,日本とイスラム世界の有識者,ジャーナリスト,青年等が特定のテーマについて議論を交わすことにより相互理解を深め,同時にイスラム世界との対話を重視する我が国の姿勢をイスラム世界全体に発信する良い機会となった。
  2. (2) 今次「未来対話」セミナーにおいては,日本のポップカルチャーがイスラム諸国を含め,世界に広く普及しつつある現状が紹介されるとともに,中東イスラム諸国の高い出生率と社会格差,日本とイスラム諸国に共通する若年層の雇用不安等が議論されたが,これら問題は,チュニジア,エジプト等の最近の「アラブの春」や民主化の動きの背景にあるものであり,同問題への我が国の官民双方によるこれまでの支援に対する評価と今後の更なる協力・交流の強化に対する期待が複数のイスラム諸国有識者から表明された。
  3. (3) 今回の「未来対話」においても,日本側においては,主催者である外務省の下に,有識者,大学や研究機関,ジャーナリスト,若者等が,それぞれが協力できるリソースを提供し合いつつ集合し,イスラム世界との自由闊達な対話と交流を行うことができ,これら有識者等からは,本件「未来対話」の枠組みの有用性と意義,及び対話継続についての期待が表明された。また,対話継続に対する期待については,多くのイスラム諸国からも表明された。
  4. (4) 青年交流セッションについては,公募により選出された日本側5名,ヨルダン大学の学生5名(当初ヨルダン大学及びイスラム諸国からの留学生10名が参加予定であったが大雪のためヨルダン大学の学生5名のみの参加となった),ヨルダンで活動しているJOCV5名が参加した。セッションでは,日本及びヨルダンの青年双方から,それぞれの国の社会の問題点や若者の社会参画・貢献や変革を担う若者の現状等が紹介され,また,ヨルダンで活動していいるJOCVからは,活動の現状について報告があり,活発な意見交換が行われた。対話や協力が有識者間に限られず,世代を超えて拡大していくためにも,本セッションのような次世代を担う若者間の交流の重要性が再確認された。

Adobe Acrobat Readerダウンロード Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータに対応したソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る