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中南米鉱物資源セミナー <概要と評価>

平成13年12月10日

6日、外務省とJBIC共催の下標記セミナーを開催。中南米5カ国よりの鉱物資源分野関係者によって、各国の鉱物資源開発の現状や投資機会をテーマとした講演及びパネルディスカッションが行われた。
日本の鉱物資源関連業界の関係者約120名が聴衆として参加する中で、各講演者からは自国(自社)の開発計画に対する日本からの投資及び同分野での貿易拡大に強い期待が示され、質疑応答では活発な意見交換がなされた。
このセミナー及び関連行事を通じて、日本企業による同分野での貿易・投資が促進され、ひいては今後の両地域間の経済関係が一層強化されることが期待される。


開催の背景

1.最近の中南米情勢と日本との関係

 中南米は政治的には概ね安定しており、経済的にも継続的な経済発展が見られる中、欧米を中心とした外国企業の活発な投資が行われている。他方、日本の企業活動はこの10年間横ばいで、同地域におけるシェアは減少し、プレゼンスの低下が見られる。

2.資源分野における中南米の可能性

(1) 中南米地域は経済発展が見られると同時に、石油に代表されるエネギー、食糧、及び銅、鉄鉱石等の鉱物資源の一大供給地でもある。

(2) 鉱物資源については、例えば鉄鉱石の生産高でブラジルは世界第2位、銅鉱石でチリは1位を占める。加えて、ここ10年の中南米における民営化や法整備による投資環境の向上は、世界の探鉱投資を中南米に急激にシフトさせている。

(3) 日本は現在、銅の約50%、銀の42%、鉄鉱石の約24%を中南米に依存して居る。現在良好な中南米諸国からの鉱物資源の安定供給の継続に努めつつ、中南米との経済関係が一層強化されることが期待される。


3.「中南米資源フォーラム」の立ち上げ

(1) 天然資源の切り口から中南米の潜在力を捉え直し、日本への資源安定供給への貢献及び日本と中南米の貿易・投資関係の促進を図ることを目的として、当課は2000年より勉強会「中南米資源フォーラム」(エネルギー分科会と鉱物資源分科会)を立ち上げ、経済産業省、JBIC、JETRO、石油公団、金属鉱業事業団の参加の下で研究を行った。

(2) 今次セミナーは右鉱物資源分科会の一環として、中南米主要鉱物資源産出国の官民関係者幹部を招き、各国の鉱物資源事情と展望を紹介することで、日本の関連民間企業等がその可能性を再認識し、鉱物資源関連ビジネスの増進へとつなげることを目的として開催した。なお、エネルギー分野については、本年3月、米州開発銀行とともに「中南米石油資源セミナー」を既に開催している。


セミナーの概要

 以上の背景から12月6日(木)、「中南米鉱物資源セミナー」が開催され、中南米5カ国の鉱物資源分野関係者により、第一部では「各国の中南米の鉱物資源探鉱・開発のポテンシャル及び日本への期待」を主要テーマとした講演会を実施し、また第二部では「各国の鉱物資源分野における投資機会と有効な促進策」をテーマにパネルディスカッションを行った(肩書き、講演タイトル等別添プログラム参照)。概要は以下の通り。


1.第一部:講演

(1) 元アルゼンティン鉱業次官のメイラン氏は、西部アンデス地方の鉱山開発に対してチリとの間で発効した鉱業統合条約が大きなインパクトをもたらす旨強調。

(2) ボリヴィア経済開発省のバスケス氏は、わが国ODAによる鉱物資源調査に感謝しつつ、同国の鉱床は未だ殆ど開発されてないとしてその可能性をアピール。

(3) ブラジル・リオドセ社のリバニオ氏は、同社は国営企業時代に日本とのナショナルプロジェクトにおいて大きな成功を得た、民営化を経て、現在新経営陣の下で行っている利益倍増10年計画においても日本企業とのビジネスを求めている旨説明。

(4) チリ銅公社のモラレス氏は、世界一の銅生産を誇る同社の民間企業に劣らぬ競争力を指摘し、最近進めている第三国における他社との共同開発事業を宣伝。

(5) ヴェネズエラ・フェロミネラ公社のピント氏は、同社が同国東部ガイアナ地方の鉱物資源開発を通じてヴェネズエラの脱石油依存化を目指している旨、日本では一部を除きあまり馴染みがないだけに、かかる機会は大変貴重である旨発言。


2.第二部:パネルディスカッション

(1) 鉱物資源開発における政府の役割については、法的インフラ整備を越えた輸送等の物理的インフラ整備をどこまで行うかで、自社が鉄道を有するリオドセ社とその他公社系でニュアンスの違いがあったが、概ね政府は民間に対してインフラ整備のインセンティブを与えるに止めるべきとの意見であった。

(2) 他方、各国における様々な投資リスクについては、各国(社)ともこれを否定、また、今後想定される環境規制の強化にかかるコストへの対応についても、各国(社)ともこれをクリアしていく自信を見せた。


関連行事

 セミナー関連行事としては、日本鉱業協会(日本の鉱山会社8社が加盟)、金属鉱業事業団、資源エネルギー庁鉱物資源課、総合商社との間で積極的な意見交換がなされた。日本からは主に、日本の鉱物資源政策や日本民間企業に対する具体的支援策等の説明がなされたのに対し、中南米各国からは今回の意見交換を通じて両国間の鉱物資源分野における関係強化が実現し、今後同分野の探査、開発において日本の積極的な協力と一層の貿易・投資の拡大を期待する旨発言があった。

評価

  1. 100人を超える聴衆との活発な質疑応答がなされたセミナーに加え、日本官民関係者による関連行事を通じて、中南米鉱物資源分野に対する日本官民の関心の高さが確かめられた。

  2. 本セミナーが今後の日本と中南米間の鉱物資源関連ビジネスの増進の一助となり、ひいては貿易・投資促進を通じて両地域間の経済関係が強化されることが期待される。

  3. 石油分野に次ぐ今次セミナーの成功を受け、今後は南米資源関連インフラ整備分野も視野に入れた官民関係者による国際会議を開催することも検討していく予定。

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