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平成20年4月
4月22日(火曜日)、クウェート・シェラトンホテルに於いて本会合が開催されたところ、概要以下のとおり。本会合にはイラク周辺6か国(サウジアラビア、クウェート、ヨルダン、シリア、イラン、トルコ)及びエジプト、バーレーン、国連、GCC、アラブ連盟、イスラム諸国会議機構(OIC)、P5、G8、EU等が参加。我が国からは小野寺外務副大臣が出席。スピーチ別添。
冒頭、ナーセル・クウェート首相よりポイント以下のとおり述べた。
(1)イラクの平和と安定の重要性を国際社会にアピールする会合をホスト出来光栄。この会議の成功に向けた参加国の努力に感謝。会議を通じ国際社会の目標が達成されることを期待。
(2)イラクの安定と平和は、国際社会にとって極めて重要であり、周辺国拡大外相会合が3回目の開催を迎え、参加国が増加したことは、国際社会の関心の高さの証である。
(3)クウェートは、イラクの文化的、社会的、経済的、政治的回復を支援する。イラクの内政不干渉の原則の重要性を強調する。
(4)クウェートはイラクを苦しめているあらゆる形態のテロリズムを非難する。国際社会に対し、テロと戦うイラク政府を支援するよう呼びかける。
(5)クウェートはイラク政府のすべての民兵と非合法武装集団の解体へのコミットメントを歓迎する。
(6)クウェートはイラクの避難民の人道状況に関心があり、この分野における支援の提供等最近イニシアチブを発揮している。
マーリキー・イラク首相よりポイント以下のとおり述べた。
(1)昨年5月の第1回会合、昨年11月の第2回会合に比して、イラクの政治、治安状況ははるかに改善した。国民融和は促進され、イラク治安部隊の能力は向上した。
(2)アンバール県では法の支配や日常生活が回復し、バスラではすべての政治勢力の統合を通じ、テロリスト集団を除去し、民兵を解体し、すべての武器を政府に集約した。10月までに地方選挙を実施する予定である。これらはすべて国民融和促進の象徴である。
(3)憲法に基づいた政策を実施する統一されたイラクは、地域的、国際的な対話の拠点となる熱意を有しており、この積極的な役割を強化していく。イラクは近隣国と善隣な関係を築くための一層の努力を払う。
(4)イラクは他国からの内政干渉を拒否する。依然、武器や資金の提供、テロリストの訓練等、近隣国からの介入が継続している。イラクは、テロリストにイラクの領土からの活動をさせない。テロリストの進入の防止のため引き続き国境管理措置を徹底するよう求める。
(5)イラクが抱える債務及び補償が多額にのぼり、各国からの救済措置を要請する。
(6)アラブの同胞に、バグダッドでの外交使節の開設又は再開を求める。治安情勢を理由にしないでほしい。
パスコウ国連政務次長よりポイント以下のとおり述べた。
(1)国連安保理決議1770に基づき、UNAMIは特に前回のイスタンブールでの会議以降、イラクの政治対話の促進に努力した。
(2)ヨルダン、シリアにおけるイラク避難民の問題の解決に国連は努力している。
(3)第1回のシャルム・エル・シェイクの会議以降の3つのワーキング・グループ(エネルギー、難民・避難民、治安協力)の活動を歓迎する。
(4)国連は、イラク外務省に設置されたアドホック・サポート・メカニズムを積極的に支援する。
(5)アハマディネジャド・イラン大統領のイラク訪問のように、最近イラクと近隣国の関係改善の努力に言及する。
(6)国連は、イラク・コンパクトを通じた地域対話を支援するようイラク及びドナー国に呼びかける。5月29日にストックホルムで開催されるイラク・コンパクト会合につきスウェーデン政府に感謝する。
主要国の発言以下のとおり。
(1)ライス米国務長官
(イ)米はイラクの統一、繁栄を実現するため、政治、経済、治安面でイラクにコミットする。前回のイスタンブール会合以降、2008年の予算案の承認、責任と公正法案の採択等の進展がみられた。国民融和も促進されている。
(ロ)他方で、憲法修正、石油・ガス法案等の課題もある。
(ハ)バスラにおいてイラク政府は決定的な行動を起こした。外国部隊によるイラク治安部隊の訓練のおかげで、イラク治安部隊はテロリスト、犯罪者の一掃に成功した。
(ニ)米はイラクの難民・避難民問題に対し、多額の支援を提供し、解決に向け努力を継続している。
(ホ)国民融和、地域対話、選挙等におけるUNAMI、デミストウラ代表の役割を支持する。
(ヘ)各国の外交使節の開設又は再開を呼びかける。
(ト)次回会合をバグダッドで開催することを歓迎する。
(2)モッタキ・イラン外相
(イ)イラクの治安改善、国家統一、復興のためには近隣諸国が支援することが重要。イランはイラクに必要な支援を実施している。
(ロ)テロリスト撲滅のためにはイラクとの相互協力が重要であり、一方的なイニシアチブは望ましくない。イランはイラク問題に関する他国の介入を拒否する。
(ハ)外国のプレゼンスがイラクの情勢を複雑にしている。外国部隊の間違った政策によりイラクでテロが蔓延っている。イラク治安部隊が自立することを期待する。近隣国はテロに対しともに闘う必要がある。
(ニ)近隣国がイラクにおける外交使節を開設又は再開させることはイラクにおける協力を進める上で良い要因である。
(ホ)イラクが次回会合をホストすることを評価する。
多くの国から発言のあった事項次の通り。
(1)イラクに於ける各種の進展を歓迎。国民和解の一層の進展を期待。最近の治安改善の努力を評価。
(2)前回会合以降の3つのワーキング・グループの開催、アドホック・サポート・メカニズムの設置等を評価。
(3)難民、国内避難民への支援が重要。シリア、ヨルダンによる支援を評価。
(4)国連の役割の拡大を歓迎。国連の貢献を評価。
(5)バグダッドへの外交使節団の開設、再開、格上げを奨励。
(6)地域対話の拡大を支持。
会合の最後に最終声明が採択され、21項目が合意されたところ主要点以下のとおり。
(1)イラクの独立、主権、国家統一、領土的一体性、アラブ及びイスラムのアイデンティティーを再確認。イラク内政不干渉の原則の遵守等を尊重。
(2)憲法に則って選ばれたイラク政府と国民議会の努力への完全な支持を再確認。
(3)平和、安定、安全を促進するための国際社会及びイラク周辺国のコミットメントを再確認。
(4)イラク政府のイニシアティブにより設立され、イスタンブール会合で承認された、周辺国拡大会合やワーキング・グループのフォローアップを行う“アド・ホック・サポート・メカニズム”との協力を再確認。
(5)エネルギー、難民・避難民、治安分野の3つのワーキング・グループへの提案を採択し、その提案を実行することの重要性を確認。
(6)政治対話、国民融和の強化、難民、国内避難民の支援、人権擁護の促進についてのイラク政府の努力を支援。
(7)イラクの安定と統一のため、イラク国民による政治対話及び国民融和を奨励。
(8)イラクの国民融和達成の重要性とイラク政府及びアラブ連盟の役割を強調。
(9)全ての民兵と政府外の武装勢力を解体し、法の支配を確立させること、及び、国家が武装治安部隊の唯一の保持者であることのイラク政府のコミットメントを歓迎。
(10)イラク難民をホストしているシリア、ヨルダン政府の断固とした努力を認識。また、国際社会による難民への支援増加を要請。
(11)イラク・コンパクトの重要性を認識。政治、経済改革、キャパビルを通じたイラク政府への支援をコミット。パリクラブの決定を歓迎し、その他の全ての対イラク債権国も同様に続くことを希望。イラク・コンパクト閣僚級会合をホストするスウェーデン政府の決定を歓迎。
(12)国連の努力を再確認し、2007年の国連決議1770号及びその他の諸決議に基づくUNAMIの重要な役割を称賛。
(13)全ての国、就中イラク周辺国に、イラクへの在外公館の開設、又は再開させること、又、既存の外交団は大使を派遣し、二国間関係を改善、発展させることを要請。
(14)イラクにおけるすべてのテロ行為を非難し、これらテロ行為の即時の停止を要求。イラク政府の対テロの取組を支援。
(15)イラク及び周辺国の国境管理強化の重要性を確認。
(16)次回会合をバグダッドで開催するとの希望と期待を表明。