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イラク情勢(最近の動き)

2月16日 8:00

 2月16日午前8時までの主な動き。

 主な動き

●13日、リチャードソン米国連大使が来日。橋本総理、小渕外相、柳井外務事務次官と会談。14日付国内各紙は、橋本総理は、「最終的に武力行使するのであれば支持する」と発言した(朝日1面)等報じている。
●13日、コーエン米国防長官はモスクワにて露のプリマコフ外相、セルゲーエフ国防相と会談。セルゲーエフ国防相は、武力行使は米露の安全保障関係に重大な危機を及ぼすと発言。
●13日、アナン国連事務総長はP5大使と協議。同事務総長は協議終了後、大統領施設8ヶ所の実地調査を行い、大統領施設の場所等を特定するため15日よりバクダッドに調査チームを派遣する旨発表した。15日、調査チームはバクダッドに到着した。

1.我が国

○イラク在留邦人については、これまで当方が把握していた2名に加え、新たに1名(日本のNGOより派遣された日本人男性)が1月末より現地で活動していることが判明。

2.米国

○13日、クリントン米大統領は「ロシアの反対姿勢が米国の対応を妨げることにはならない」と表明。同日、米国務省はオルブライト国務長官、コーエン国防長官、バーガー補佐官が18日に米政府の立場を説明するために国内(オハイオ州コロンバス等)を遊説する旨発表。
○13日、バーガー国家安全保障担当大統領補佐官が、イラク情勢に関し行った演説にて「英、独、西、ポルトガル、デンマーク、ハンガリー、ポーランド、チェコ、豪、NZ、加を含む多くの友好国及び同盟国が、兵力、基地、あるいは後方支援を提供する用意を表明しており、そのリストは毎日、長くなっている」旨述べ、また、「如何なる軍事行動にもリスクやコストはつきものである」として米軍にも死傷者が出るおそれがあることを示唆した。
○13日付報道によれば、シェルトン米統合参謀本部議長は、「対イラク攻撃計画」の策定(注)が終了したことを明らかにした。

(注)同議長によれば第1派の攻撃でF117戦闘機が首都バグダッド周辺の防空施設を攻撃し防空能力を破壊した上で、空中発射巡航ミサイルとトマホーク巡航ミサイルなどで大量破壊兵器貯蔵施設などへの攻撃を実施する。また、議長は、攻撃が行われればイラク一般市民の犠牲が避けられず、化学・生物兵器の貯蔵場所が完全に把握できない等の理由で米軍側の犠牲を覚悟していることを明らかにした。

○15日付ワシントン・ポストによれば、米軍の湾岸地域における武器集積状況の調査及び軍関係者のインタビューによれば、爆撃は1日300回、広範囲の標的に対して加えられ、攻撃は2日間から5日間に及ぶと見られる。爆撃の総数は約1,000回に及び、91年の湾岸戦争の際にも匹敵する可能性がある。イラク市民及び兵士の犠牲者は1,500名、米軍パイロットにも少数の犠牲者が予想されている。
○国防省によると、15日、F117Aステルス爆撃機6機がニューメキシコ州の基地から湾岸に向け出発し、一連の兵力増派はほぼ完了した。

3.イラク

○13日、アル・カイシ外務次官は大統領関連施設8カ所の所在地(詳細不明)を明らかにした。
○13日付アラブ圏紙アルハヤトによれば、サッハーフ外相はイラクが射程150kmの新型国産地対地ミサイル「サメド」の発射実験を行った旨述べた。同ミサイルの開発は13日に国連安保理で正式に確認された。
○14日、サッハーフ外相はジョルダンを訪問しフセイン国王、ハッサン皇太子と会談。同外相は、16日にパリ入りして17日にシラク仏大統領と会談する旨の報道あり。

4.各国の動向

(英)12日、英国はイラクの限定的石油輸出枠拡大を支持する安保理決議案を提出。
(仏)12日、シラク大統領は「平和的解決が可能だと考えているし望んでいる」と発言。同日、外務省報道官はイラク外相提案につき、幾つかの初めの一歩がとられたところであると述べた上で、国連事務総長がバクダッドを訪問することが重要だと思うと発言。
(中)12日、在露大使は、17、18日に同地を訪問する李首相がエリツィン大統領と会談する旨発表(12日、李首相は欧州、露訪問に出発)。
 14日、銭其シン外交部長、リチャードソン米大統領特使と会談。
 中国は外交的解決をすべしとの立場を繰り返したが、米が武力行使を行った際の米中関係への否定的影響については発言なし。米側は中国の態度は柔軟(receptive)であると表している。
(露)12日付「ワシントン・ポスト」紙は、国連査察官が昨年秋に、95年に露がイラクと生物兵器開発関連装置の売却に合意したことを示す証拠を入手した旨報道(露外務省は否定)。
 13日、プリマコフ外相は、「アナン国連事務総長がイラクへ行くまで、外交的解決の努力が失敗したとは言えない」と発言。
 イラクを訪問した下院議員団(ジリノフスキー自民党党首他)は、14日、バクダッドでラマダン副大統領官邸を視察した。団員のマカショフ議員は訪問後、「いかなる細菌兵器も存在しなかった」と述べた(ロシア独立テレビ)。
(西)13日、マトゥーテス外相は、外交努力が尽き、イラクを武力制裁する場合、新たな国連決議は必要ないとの考えを表明。
(ハンガリー)13日、コバーチ外相は、平和的手段による危機回避が不可能ならば、同国は対イラク軍事行動に参加する用意があると発言。
(蘭)13日の閣議にて、内閣は、フリゲート艦1隻をペルシャ湾岸地域に派遣することを決定した。(ただし、軍事行動に参加するか否かは改めて内閣が決定する。現時点では内閣は、更なる外交的・政治的努力がなされる必要があると見ている。)
(ノールウェー)ヴォッレベック外相は、政府は米国に対し如何なる支援を行いうるか検討中である旨(10日に米側より照会があった由)、イラクに対する軍事攻撃は安保理決議の枠内として弁護しうると考えている旨発言。
(NZ)13日、シップリー首相はクリントン米大統領との電話会談において「国連などを通じてあらゆる外交努力をすべきだ」と発言。NZは10日に米国から対イラク攻撃における協力要請を受けており、16日の閣議で検討される由。
(アルゼンティン)13日、ディ・テラ外務大臣及びドミンゲス国防大臣は共同で記者記者会見を行い、全ての外交的手段が尽きた場合には軍事医療チーム約100名を派遣する用意がある旨発表。
(サウディ)15日付報道によれば、スルタン国防相は、「イラク攻撃時におけるサウディ国内軍事基地の使用には絶対に反対する」と述べる一方、「サウディは国際社会の一員であり国際社会の支援していることを支援する」と述べた。
(クウェイト) 報道(15日付アラブ・タイムズ紙)によると、クウェイトは予想されるイラクの報復攻撃に備え、北部国境地域に地上部隊を集結させている。
(リビア)外務省筋によれば、リビアは、加及び豪に対し、右両国がアラブ及びイラクに対する米国の攻撃に参加した場合、右両国の企業との契約を破棄する旨述べた由(11日国営通信)。

5.国連関係の動き

○13日、アナン国連事務総長はP5大使と協議。同事務総長は協議終了後、大統領施設8ヶ所の実地調査を行うためバクダッドに調査チームを派遣する旨発表した。派遣されるのはスウェーデン人の団長とオーストリア人技師2人の計3人で、大統領施設の場所等を特定する。調査チームは15日にバクダッド入りし、作業は3、4日かかる予定。



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