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(意義及び概要) 平成12年10月 1.作成の意義(1)日独関係は伝統的に良好に推移。日独両国が世界第2、3位の経済大国としてグローバル・パートナーシップを展開していくにあたっては、96年に外相レベルで作成された「日独行動計画」が基盤となってきた。 (2)他方、我が国はEUとの間で、来年より「日欧協力の10年」と題し、日欧協力の一層の発展に努めていくことになっており、そのような日欧協力の重要な基礎の一つとして日独協力関係の更なる拡充を図っていくことが肝要。 (3)以上に鑑み、日独協力の新たな基礎としての政治文書「21世紀における日独関係、7つの協力の柱」を作成し、今次日独外相定期協議を機に両外相間で交換することとした。 2.7つの協力分野 上記趣旨に鑑みて、本件文書では日独間で今後協力関係を強化していくべき柱を以下の7つに絞り込んだ。
協力の7つの柱 日独両国は自由と民主主義、人権と法の支配、並びに国際協調を基調としている。両国は、世界有数の経済大国として、21世紀の開始にあたり、国際社会に対して果たすべき共通の責任と共通の貢献を認識している。また両国は、地球規模の、あるいは成熟した社会として共有する特有な問題の解決に向けても協力しつつある。 日本とドイツは、アジアと欧州という異なる歴史的、文化的及び地理的な文脈において発展してきている。両国は、それぞれの地域において特別な責任を負っている。このため、両国は、多くの共通点にもかかわらず、異なる思考及び行動のアプローチを有している。それ故にこそ、両国が国際社会の中で緊密に協調し、21世紀においても対話と協力を一層深めていくことが重要である。 躍動する欧州の動向を踏まえ、日独協力も日欧協力の深化というプロセスの中に位置付けられるべきである。2000年7月19日に実施された日・EU首脳協議において、新しいミレニアムの最初の10年を「日欧協力の10年」とすることにつき意見の一致をみた。ドイツは、欧州の重要な一員として、この協力の形成のために積極的に貢献していく。 これらの課題を踏まえ、また、1997年10月4日に作成された新たな「日独パートナーシップのための行動計画」を基礎とし、日独両国の外務大臣は2000年10月30日に東京で実施された定期協議において、両国が21世紀をむかえるにあたり、特に集中して協力を進める7つの分野につき意見の一致をみた。両国政府は、日独関係に関心を有する両国の全ての人と組織に対し、これらの分野における協力の推進に賛同するよう呼びかけるものである。両国外務大臣は将来においてもまた、定期的な年次協議において、これらの協力の進捗状況を確認し、その更なる発展のための指針を与えることとなろう。 2000年10月30日、東京
1.国連
国連が新しい世紀を迎えるにあたり直面している種々の挑戦に対処するにあたって、日独両国は自らが国際社会全体に対し負っている特別の責任を認識している。 2.G8及び紛争予防
国際社会の平和と安全の維持のためにG8が果たす役割が増大している。G8は、1999年、ドイツ議長国の下、コソヴォ紛争の解決及び南東欧安定協定の成立のために決定的な貢献を行った。 3.地域的安全保障
両国政府は、欧州とアジアの各々の安全保障を巡る環境は、相互に密接な関連を有するとの認識の下、双方の地域における安全保障上の問題と見通しに関する対話を促進し、相互理解を一層深めていく。日本と欧州連合との間では、経済関係と並んでとりわけ政治関係の持つ意義が益々大きくなってきている。日独両国政府は2000年7月19日に作成された日・EU首脳協議共同結論文書に則った日本と欧州連合との間のパートナーシップが具体的な政策や行動の調整に結実するよう、協力を強化していく。 4.軍備管理・軍縮、不拡散
両国政府は、大量破壊兵器とその運搬手段及び通常兵器の軍備管理・軍縮、不拡散が国際社会の平和と安定、及び日独両国の安全保障上の関心の確保のために持つ重要な意義を強調し、この分野での協力関係を強化していく。両国政府は共に非核兵器国として核兵器不拡散条約(NPT)締約国となっており、包括的核実験禁止条約(CTBT)を既に批准している。両国は、化学兵器禁止条約(CWC)と生物兵器禁止条約(BWC)の締約国でもある。
5.ユネスコ 日本とドイツは、ユネスコが21世紀の課題に対処できるよう、ユネスコ改革に対する共通の関心を強調し、その改革について協力する。 1.世界経済の安定した成長のための協力
日本とドイツの政府は、それぞれ世界第2位、第3位の経済大国として、その責任をあらためて認識し、他のG7諸国とも協力しつつ、世界経済の安定的な成長のために努力する。 2.多角的貿易体制の強化のための協力
両国政府は、合意により定められた協定を基礎とする多角的貿易体制の発展が国際社会にとって不可欠であるとの認識を新たにし、WTO体制の一層の強化のために積極的に努力していく。また、G8沖縄サミットにおける議論を踏まえ、多様な利益がバランス良く反映された幅広いラウンドの可能な限り早期の立ち上げに向けて引き続き協力していく。 3.アジア地域と欧州地域との経済関係強化のための協力 両国政府は、アジアと欧州との間の経済関係の拡大が、両地域間の強固なパートナーシップの基盤となっていることを認識し、両地域間の経済面での協力関係をリードする。両国は、アジア地域と欧州地域の経済の安定及び成長のため、これまでASEMにおいて進展してきた貿易及び投資の促進をはじめとする経済面での協力を高く評価すると共に、経済分野においてもASEMプロセスにおける協力を今後も深化させていく。 4.貧困の克服と途上国援助に関する協力
日本とドイツの政府は、リーディング・ドナーとして、開発途上国の発展への貢献を通じた国際社会全体の繁栄と安定のための協力を一層強化していく。 1.人権の世界的な実現のための協力 両国政府は、人権が普遍的な価値を有することをあらためて確認し、人権の保護・促進のための協力を推進する。両国政府は、とりわけ国連の機関において、人権に関する協議を強化し、国連における人権のための手段の拡大を持続的に支援する。 2.地球環境問題の解決のための協力
両国政府は、地球温暖化対策、オゾン層保護、砂漠化防止、生物多様性の保護、酸性雨対策、大気汚染防止、水資源及び海洋汚染対策、土壌汚染対策、及び廃棄物処理等の分野で、その先進的なテクノロジーを活用し、緊密な情報交換を促進し、既存の密接な協力関係を拡大していく。 3.エネルギー分野における協力
両国政府は、エネルギー多様化、省エネ・エネルギー効率向上、環境問題への取り組みを強化すべく長期的な協力を推進する。また、再生可能なエネルギーの開発、利用の促進に関する協力を推進する。 4.社会システムの発展のための協力
両国政府は、双方が先進国として抱える、雇用、高齢化及び社会保障といった共通の課題の解決のために引き続き協力していくと共に、女性の社会的地位の向上と児童の福祉の向上といった地球規模の社会問題の解決にも積極的に取り組んでいく。 5.組織的犯罪の撲滅のための協力 両国政府は、社会の基本ルールに挑戦し、平穏な市民生活と社会・経済活動を脅かす国際組織犯罪に効果的に対処するため、国連やG8における取り組み等を通じ密接な協力を継続する。 1.朝鮮半島
両国政府は、朝鮮半島における南北間の対話の進展、とりわけ南北首脳会談の成功裡の開催を歓迎する。 2.中国
両国政府は、地域の安定のために中国が鍵となる役割を果たしていること、及び中国が国際社会の中で占める重要性をあらためて認識し、中国の改革・開放政策に対する支援に関する日独間の対話を引き続き推進する。 3.旧ユーゴ
1999年にコソヴォ紛争が激化した際に、日本がユーゴにおいてドイツの利益代表を務めたことや、日独両国がG8コソヴォ・ワーキンググループの共同議長を務めてきたことは、両国政府の強い信頼関係及び緊密な協力関係の証である。 4.ロシア 両国政府は、ロシアの安定と繁栄により双方が関心を有していることを確認する。ロシアの経済的・政治的発展は、アジア及び欧州の安定にとって決定的な影響を及ぼす。特に両国政府はロシアに関するハイレベルの対話を継続し、国際社会の問題の解決へのロシアの関与を促進し、可能な範囲内でロシアにおける改革プロセスを引き続き支援する。 5.南アジア 両国政府は、南アジアの緊張及び核開発が、南アジア地域のみならず、その範囲を越えて、安全と安定にとっての深刻な危機を意味しているとの点で一致している。両国政府は、インドとパキスタンが可能な限り早期に対話を再開するよう求めるとともに、インドとパキスタンの双方に対し、核不拡散・軍縮体制の強化に向けた国際的努力に加わるよう求めていく。両国政府は、南アジア全体の安定、信頼情勢に向けできる範囲で貢献を行うことを、政策の一つの重要な目標と見なしている。そのため両国政府は協力し、それぞれが得てきた知見についての意見交換を引き続き行っていく。 6.NIS 両国政府は、欧州とアジアの双方に属する中央アジアとコーカサス諸国が、安全保障上も経済上も重要な意義を有することに鑑み、この地域の安定と繁栄に対する支援に関し協調を図るため意見交換を行っていく。 7.中東・湾岸地域
両国政府は、中東の公正、永続的かつ包括的和平の実現のために、関係当事者の努力に加え、両国を含む国際社会全体による更なる努力が必要であることを確認する。また両国政府は、湾岸地域の安定は国際社会の平和と安定のために不可欠であるという点で一致している。 8.中南米
両国政府は、中南米が経済成長を遂げつつあることに鑑みて、この地域の現状と将来的展望に係る意見交換を促進する。 9.東チモール 両国政府は、東チモールの独立プロセスと国造りを極めて重視している。両国政府は、東チモール人及び国連東チモール暫定行政機構の取り組みに対する支援を引き続き積極的に行っていく。 10.アフリカ 両国政府は、アフリカ諸国の政治的安定及び開発が、21世紀の国際社会全体の安定及び繁栄の不可欠の要素であるとの認識を共有し、アフリカの政治的安定及び開発実現に対する支援に関し協調を図るため意見交換を行っていく。 1.要人往来
両国政府は1993年9月の天皇皇后両陛下による御訪独、及び1997年4月のヘルツォーク連邦大統領の国賓としての訪日が、両国と両国民の伝統的な友好関係にとり画期的な出来事であったと評価している。 2.議員交流
両国政府は、双方の友好議員連盟が各々、政治的な議論の中で相手国の地位を確保し、双方向的な理解の促進のために貢献していることを歓迎する。 3.外交当局間協力
両国外務大臣は少なくとも年1~2回、多数国間協議の機会をとらえて定期的に協議を実施する。これに加えて、少なくとも2年に1回は相互訪問を実施すると共に、二国間関係にも重点を置いた集中的な意見交換が行われるべきである。 4.防衛・国防関係協力 両国政府は、両国の防衛・国防当局間で実施されている対話を歓迎し、これを引き続き実施していく。 5.法の分野での協力
両国政府は、両国外務省の条約局長レヴェルでの二国間の協議を継続し、国際刑事裁判所及び国連海洋法条約を中心とする現下の海洋法秩序等の両国の関心事項を含む幅広い事項について議論を行う。 1.貿易及び投資の強化
両国政府は、二国間経済関係の強化のために引き続き緊密に協力する。このため、両国政府は、貿易・投資、財政金融を含めた経済関係当局間の定期的な意見交換を通じ、これらの分野における両国間の相互理解と協力を促進する。 2.社会問題に関する対話 両国政府は、首脳レヴェルでのイニシアティヴにより2000年4月に、日独の政府・労働者・使用者の代表者の間で、雇用・労働分野における実りある対話が開始されたことを歓迎し、原則として三年に一度の間隔でこの政労使交流を継続していく。 3.科学技術関係協力、日独ハイテク環境技術評議会
両国政府は、日独科学技術協力協定の枠組みで行われている包括的な協力を評価する。同協定に基づき、過去25年以上に亘り、双方の国立研究機関、国立大学、その他の研究機関が参加しての、緊密な関係のネットワークが発展し、科学技術協力合同委員会の調整の下、多数の共同研究が実施されている。両国政府は、これらの将来有望な協力を両国の関係強化のための重要な手段であると位置付け、これらの協力を引き続き促進する。 1.日独フォーラム 両国政府は、両国の政治、経済、メディアにおいて指導的立場にある者達が出席する中、8回の会合を実施してきた日独フォーラムの活動を高く評価する。日独フォーラムは両国首脳にあてた提言を発出することにより、日独間の相互理解の強化のために貢献してきている。 2.ベルリン日独センター 連邦政府及び日本大使館のベルリン移転によって、日独センターが二国間関係の発展のために果たす責任は増大した。両国政府は、ベルリン日独センターが将来においても引き続き出会いの場としての役割を果たしていくことができるように、緊密に協力していく。 3.文化・メディア関係協力
両国政府は、日独間における伝統的に緊密な文化関係を評価し、この分野での交流を引き続き促進する。 4.青少年交流
両国政府は、次世代の友好関係の担い手である青少年の間における交流の拡大のために、1997年の「日独青少年交流の強化についての共同発表」が着実に執行されるよう努力していく。 |
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