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平成12年6月 1.言語フィジー系はフィジー語、インド系はヒンディー語を使用。公用語、共通語としては英語が使用されている。中学校以上は全て英語による教育となることもあり、多くの国民は英語に不自由しない。なお、インド系の使用するヒンディー語は、インドのヒンディーを基本にインドの各言語を加味してインド諸語族間の共通語としたもの(「ピジン・ヒンディー」と呼ばれる)で、インドのヒンディー語とは多少異なる。 2.宗教 1830年にキリスト教が伝来して以来普及が急速に進み、現在ではフィジー系のほぼ全てがキリスト教徒となっている。中でもメソディスト派がフィジー系の8割を占め、世論形成上大きな力を持っている。他方インド系は、ヒンズー教徒が8割で、イスラム教徒がそれに続き、少数のシーク教徒、キリスト教徒がいる。 3.パシフィック・ウェイ 南太平洋を語るとき、必ずキーワードとして用いられる概念に「パシフィック・ウェイ」という言葉がある。これは、1970年、まだ独立間もないフィジーのマラ首相(当時)が国連総会における演説の中で用いたもので、西欧的合理主義に対して、太平洋の住民から提起した「我が道=太平洋流」という考え方に立ち、緩やかな経済発展、コンセンサス方式による意思の決定など、伝統文化を踏まえた独自の流儀を強調したものである。 4.「フィジー」の起源 「フィジー」の名は、現地語の”viti”(ヴィティ)から来ており、これを西洋人がフィジーと記したことによる。”viti”の由来は、諸説あり定かではないが、「昔、初めてフィジーに人がやってきたとき、島は一面ジャングルだった。人々は森を切り拓き村を作っていったが、この木を切る作業を”viti”といい、それが島の名前になった。」という説が有力である。 ちなみにフィジーはヴィティ・レヴ島とヴァヌア・レヴ島の大きな二つの島を持ち、伝説ではヴィティ・レヴ島に最初に人が来たとされる。 5.「国技」ラグビー ラグビーは、とりわけフィジー系先住民間では、国技に相当する人気スポーツである。その実力にも定評があり、87年の第1回ワールドカップでは世界の強豪を相手にベスト8に進出し、その華麗なパスワークは「フィジアン・マジック」と賞された。また、7人制ラグビーでは世界選手権に相当する香港カップで90年から92年まで3連覇を達成、さらに99年も優勝を果たし、7人制ラグビーの王者となった。 こうした優れた選手を擁するフィジーには日本のラグビー界も注目しており、香港カップ3連覇の立役者で国民的英雄のセレヴィ選手が98年まで三菱自工京都で活躍していたほか、多くの選手が日本でプレーしている。 6.秘酒ヤンゴナ ヤンゴナは別名カヴァともいい、コショウ科の木の根を叩いて潰し、それを水で絞った泥色の液体である。日本では全く馴染みはないが、フィジー、サモア、トンガ、ヴァヌアツといった南太平洋の国々ではお馴染みの飲み物で、「秘酒」とは言ってもアルコール分は含んでいない。この飲み物には鎮静効果があり、飲むほどに全身の力が抜け、だるくなってくる。昔からヤンゴナは儀式には欠かせない飲み物として使用されており、さながら日本の茶道のように厳しい作法もある。現在でも様々な式典にはこのヤンゴナの儀式が欠かせず、外交団も一度はこの洗礼を受ける。 フィジーでは、ヤンゴナはインド系住民も含めて一般人が嗜好品として気軽に飲用する程に普及しており、夕方にはあちこちのオフィスや家庭でヤンゴナを酌み交わす姿が見受けられる。 7.幻の名花、タンギモウジア フィジーで3番目に大きい島タベウニの山奥深くにタンギモウジア湖という湖があり、そのほとりに咲く花であり別名「乙女の涙」と言う。世界中でここにしか咲かないといわれている。着性植物で大木のそばに寄り添うようにして育つが、8月から1月にかけて赤と白の小さな花がたくさん咲き、その先端から水が滴り落ちる。その姿があたかも美女が悲しげに泣く姿を連想させることから、このような別称がついた。 地元にはこの花にまつわる次のような伝説がある。昔フィジーの王女が戦士と許されぬ恋仲になり、山中で密かに逢うことにしていたが、それが発覚し戦士は殺害されてしまった。恋人の死を知らぬ王女は山中で何日も泣き続け、その姿がこの花になった…。 タンギモウジアはフィジーの観光ポスターにもなっているが、実物を見た人は少ない。 |
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