スペインにおける日・EU市民交流年は、1月12日、上妻宏光バンドの津軽三味線の音色とともに開幕しました。スペインとアジア諸国との文化交流を担う「カサ・アシア」やスペイン政府関係者の協力のもと、当日は2,000人を収容するバルセロナのアウディトリ・ホールが満席となり、津軽三味線の軽快かつ迫力ある演奏で聴衆を惹きつけました。また、和楽器三味線と洋楽器が奏でる多様なリズムや絶妙なハーモニーが会場内に美しく響き渡り、東洋と西洋が融合する全く新しい音響芸術が披露され、会場は熱気に包まれました。
前述のカサ・アシアが主催する恒例行事「アジア・フェスティバル」では、本年が日・EU市民交流年であることから、日本がゲスト・カントリーとなりました。同フェスティバルは、マドリード及びバルセロナ両都市において開催され、ゲスト・カントリーに相応しく多くの日本関連行事が実施されました。当地でも関心の高い歌舞伎、狂言、能楽といった古典芸能から、舞踏、ロック公演などの現代芸能に至るまで幅広い日本の舞台芸術公演を実施することができ、参加者からの極めて高い評価を得ました。
この他にも、文楽をはじめとする舞台公演、「日本の知覚展」などの現代美術展、池坊宗匠による生け花デモンストレーション、「漆の美」展、各地における日本文化週間から、地域に密着した文化活動に至るまで様々な日本紹介文化事業が多くの都市において実施されました。
これらの事業は、日本とスペインとの交流促進に大きく貢献しました。在スペイン日本国大使館及び在バルセロナ日本国総領事館としては、日・EU市民交流年を通して培われた対日関心の高まりを捉え、両国の関係発展のために、今後とも積極的に広報文化活動に取り組んでいきたいと考えます。 |