日本・EU
-21世紀へのグローバル・パートナーシップ-
平成11年7月
| 日本とEU
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| 日本とEUは、極めて広範且つ多様な分野で協力関係を築き上げてきています。このリーフレットでは、相互依存の深まる今日の世界における主要な課題に重点を置きつつ、日EU間の幅広い協力を紹介しています。
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21世紀に向けた日欧関係の新たなステップ
(本広報資料の趣旨)
日本とEUは、極めて広範且つ多様な分野で協力関係を築き上げてきています。このリーフレットでは、相互依存の深まる今日の世界における主要な課題に重点を置きつつ、日EU間の幅広い協力を紹介しています。21世紀に向けて日EUパートナーシップを強化していく意義をご理解いただく上で一助となれば幸いです。
包括的対話
欧州と日本で毎年交互に開催される日EU定期首脳協議は、日EU関係について議論し、将来の指針を与える、日EU間の政治日程上最も重要な会議です。日EU双方の最高政治責任者の間で、グローバルな問題や日EU関係に影響を及ぼすその他の諸問題について話し合う機会でもあります。日EU閣僚会議では、貿易・経済関係や日欧協力について、日本政府の関係閣僚と欧州委員会の関係委員が一堂に会し、議論を行います。また、日EUトロイカ(EU加盟国のうち前の議長国、現在の議長国及び次の議長国の3ヶ国+欧州委員会)外相協議及び政務局長協議が定期的に開催され、政治・外交政策上の課題について意見交換が行われています。さらに、日EU高級事務レベル協議では、日本政府の外務審議官と欧州委員会の対外関係総局長が議長を務め日本の関係省庁と欧州委員会関係総局の当局者が参加し、日EU関係について包括的に概観しています。
政治関係
今日、世界では相互依存関係が深まっており、アジア地域の出来事がヨーロッパ地域に、ヨーロッパ地域の出来事がアジア地域に、相互にますます大きな影響を与えるようになってきています。こうした中で、日本とEUはあらゆるレベルで対話を深め協力とパートナーシップを強化し、共同して公正かつ安定した国際秩序の推進、及び国際社会が直面するグローバルな問題に貢献することを目指しています。重要な政治分野における協力の一つとして、北朝鮮において、日本とEUは、北東アジアの安全保障・安定を高め、核拡散を防止するため、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の場で協力しています。また、欧州では、日本はボスニア・ヘルツェゴヴィビナの再建のため、様々な分野において重要な援助を行っています。
貿易・金融・経済関係
日本は欧州にとって重要な市場であり、欧州は日本にとって重要な市場です。日本とEUは、多国間及び二国間の貿易問題について緊密に協力し、貿易の促進、市場アクセスの改善および対外投資に好ましい環境の整備を図っています。特に規制緩和については、日本とEUそれぞれにおける規制緩和プロセスに成果をもたらす双方向の対話を実施してきています。
また、マクロ経済政策や、欧州経済通貨統合(EMU)、日本の金融関係部門における改革の進展をはじめとする通貨・金融問題についても定期協議を行い、情報交換により相互理解を深めています。
さらに、欧州企業の若手経営者を対象とした研修プログラムや「EUゲートウェイ・トゥ・ジャパン」キャンペーンも実施され、日EU間の貿易やビジネス交流の拡大に貢献してきています。
産業協力
産業分野においては、過去10年間に広範な協力事業が実施されてきました。
1987年に東京、1996年にブリュッセルに設立された日EU産業協力センターは、各種研修コースや欧州企業の経営者を対象とした特定事項訪日ミッションを企画しています。また、欧州において日本の工学部学生を対象に、日本において欧州の工学部学生を対象に、それぞれ語学研修と社内実務研修を組み合わせた「新ヴォルカヌス・プログラム」と呼ばれる研修コースを実施しています。こうした産業協力センターの事業に加えて、自動車部品、家庭用電気製品を含む各種産業分野において、産業協力が進展しています。日本政府と欧州委員会は、産業政策上の諸問題に関する対話及び日EUの産業政策の収斂を推進するため、様々な専門的作業グループを設置しています。
環境
環境問題に関する対話と協力は、1977年に正式に開始され、1992年以降、日EU環境高級事務レベル会合が定期的に開催されています。環境問題が政治課題としてますます重要性を増すに伴い、日本とEUが話し合う機会も急速に増えてきています。
最近では、地球温暖化防止条約に基づく国際協力プロセス、特に1997年12月の京都会議において、より緊密な日EU協力の必要性が明らかとなりました。気候変動のみならず、オゾン層破壊、生物多様性、持続可能な森林経営等の他の地球環境上の課題に取り組むため、日本とEUが一層緊密なパートナーシップを構築する必要があることが、これ程明白となったことはかつてありません。
科学技術
科学技術分野における協力は、日EU間で行う協力と、日本とEUが共に参加する多国間協力を通じて進展してきています。
1993年の第5回日・EC閣僚会合において、意見交換、情報交換による科学技術協力の促進を目的として、日EU科学技術フォーラムを設立することが決定されました。第3回会合が、1998年9月に開催されました。日本とEUは、熱核融合、グローバルな気候変動、地震、新エネルギー技術等多くの研究分野において、協力を強化してきています。
原子力
日本で使用する原子燃料のベルギーにおける成型加工に関し、1997年2月、外交上の公文の交換が行われました。
日本とEUは、日本と欧州原子力共同体(ユーラトム)が、原子力の平和利用の分野において長期的かつ安定した協力を行うことの重要性を認識しています。
このような協力の基礎となる協定を作成するため、交渉が開始されることとなっています。
漁業
日本とEUは、多くの地域漁業機関において、漁業資源の持続可能な管理・保存のため緊密に協力しています。
水産物貿易問題に関する日EU間の協議は、1997年7月に開始されました。様々な国際的枠組みにおけるこうした協力を更に発展させるとともに、日EU間の漁業問題を議論するため、日本とEUは年一回高級事務レベルで会合を開催することで合意しました。第1回会合は、1998年7月にブリュッセルで開催されました。
教育
1991年の「日・EC共同宣言」は、高等教育及び研修分野における協力関係の構築を謳っています。1996年6月、ベルギーのルーヴェンで、教育に関する日EUラウンド・テーブルが開催されました。
科学技術および教育分野は、1997年9月に東京で開催された日EU協力会議のテーマとなりました。会議では、これらの分野において、協力事業を強化し日EUパートナーシップの質を更に向上させるとともに、会議で表明された協力の意思を実践に移していく必要があることが強調されました。
こうした各種協議に加え、従来より経験の共有と情報交換に努めてきた結果、日本とEUがお互いにそれぞれの制度や伝統に関する理解を深め、将来に向けてより緊密な協力に繋がり得る素地が整いつつあります。
電気通信
取り組みやイニシアティヴが極めて多種多様であることが、この分野における日EU関係の特徴です。日本とEUが定期的に行っている情報交換では、規制面、市場参入、電子商取引をはじめとする情報化社会の発展の概観、次世代携帯電話システム、研究・開発における協力を取り上げています。
日EU通信フォーラムには、広範な民間通信部門の代表者が一堂に会し、情報交換および関連の問題について議論を行っています。
文化・広報
毎年、EU全加盟国と日本のジャーナリストが一堂に会し日EUジャーナリスト会議が行われ、政治・経済界から著名人の出席も得て、共通の関心事項について意見交換を行っています。こうした会合は、日欧間で相互に知識を深め、有益なネットワーク作りに寄与しています。
日本政府が実施している報道関係者招聘事業を通じて、毎年EU諸国のジャーナリスト20~30人が日本をよりよく知る機会を得ています。
欧州委員会は、毎年11~15人の日本人の若手ジャーナリストの招聘事業を実施しており、これら日本人ジャーナリストは、マーストリヒトにある欧州ジャーナリストセンターで、EUの諸制度および日EU関係の概観について講義を受けます。
「ヨーロピアン・ビジターズ・プログラム」は、社会の他の様々な分野で活躍する日欧の若手指導者達の出会いの場を広げ、ネットワークを拡大することに寄与しています。
日本の外務省が実施している各種実務者招聘は、EU内の広範な実務者、政治家、その他有識者等を対象としています。
運輸
年1回の高級事務レベル協議および各種専門家ミッションの機会に、日EU相互の利益に資する事項、およびそのいずれかが特に関心を有する事項について幅広い議論を行っています。こうした会合は、日EU間の相互理解の増進に寄与しています。航空の安全性や効率性を向上することを目指し、全世界的にシームレスな衛星航法システムを構築する可能性について議論してきたことは、その一例です。また、規制関連問題に関しても定期的な意見交換が行われ、海運の安全、運輸と環境の問題について協力が行われています。
消費者政策
日本とEUにおける消費者政策の動向に関する高級事務レベル協議は2年に1回開催され、特に健康、安全および経済上の消費者利益に関連した諸問題に焦点を当てた意見交換を行っています。
競争政策
競争政策分野における日EU間の対話は、競争政策の実施に関する情報交換を行うとともに、競争規則の例外および適用除外の見直しについて話し合うことを目的としています。日本の公正取引委員会と欧州委員会の間で、年1回、定期的に競争政策に関する意見交換を行っています。
社会問題
社会問題の分野における日EU協力は1992年に始まりました。年1回日EU双方の政・労・使3者が一堂に会する日EU労働セミナーや、専門家交流事業を通じて、関係者間で労使関係や雇用、社会保障政策について様々な交流や議論が実現するに至っています。
日本とEUは、それぞれの社会保障制度が共に今日の社会・経済の抜本的な構造変化の影響を受けているとの見方を共有しており、この分野での協力を強化してきました。労働市場をこうした変化に適応させる必要性、高齢化に起因する諸課題、社会保障制度の適用について、日EU間で協力していくことに共通の利益を有しています。
政府開発援助(ODA)/人道援助
日本とEUは、主要援助国が、最も大きな経済的及び社会的開発のニーズを考慮した統合されたアプローチの中で、健全な経済政策および政治改革を推進している国に焦点を当てつつ、開発途上国に対し効率的かつ効果的に援助を実施するために協力していくことが重要との認識で一致しています。
人道援助の分野では、近年、日EUの関係当局間の話し合いが活発化しています。日EU双方は、それぞれの人道援助が最大限の効果を発揮することを目指し、情報交換の強化のため一層の努力を行っていく所存です。
欧州連合(EU)とは?
(15加盟国の地図の下)
欧州連合(EU)は、1952年に発足した欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)、1958年に発足した欧州経済共同体(EEC、1993年に欧州共同体(EC)と改称)、欧州原子力共同体(EURATOM)の3つの共同体を基礎とし、1993年11月に発効したマーストリヒト条約により設立されました。現在15ヶ国が加盟しています。
(神殿図の上)
EUの「3つの柱」
- 経済分野(科学技術・原子力を含む)
EU全体で共通政策が進められています。
- 共通外交・安全保障政策(CFSP)
「共同行動」や「共通の立場」を策定し、政治面でEU加盟国が一つの声で発言することを目指しています。
- 司法・内務協力
マーストリヒト条約で新たにEUの柱に取り入れられました。
加盟国間での協力の強化を目指しています。
(機構図の下)
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欧州理事会(EU首脳会議) |
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EUの最高決定機関 |
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理事会(EU担当相会議) |
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EUの立法機関に相当。 |
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欧州委員会 |
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行政機関に相当。経済分野ではEUを対外的に代表します。 |
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欧州議会 |
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加盟国での直接選挙による議員で構成され、理事会と協力して立法を行います。 |
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欧州中央銀行 |
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単一通貨ユーロの通貨政策運営を行います。
1998年6月に発足。
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欧州統合の深化と拡大-新たな欧州の建設-
経済通貨統合(EMU)
1998年5月のEU特別首脳会議で、EUの加盟国のうち11ヶ国で単一通貨ユーロを1999年1月より導入することが正式に決定されました。 実際にユーロ紙幣や硬貨の流通が始まるのは2002年1月で、移行期間を経て同年7月1日までには、マルクやフランといったユーロ各国の通貨が回収され、ユーロのみが使われることになります。
(注)1998年10月時点で、英国、デンマーク、スウェーデン、ギリシアを除く11加盟国がユーロに参加することが決まっています。
中・東欧諸国の新規加盟
1998年3月、EUはポーランド、チェッコ、ハンガリー、エストニア、スロヴェニア、サイプラスとの加盟交渉を開始しました。これらの国々が、交渉を終え実際にEUに加盟するのは、早くとも2002年以降とする見方が一般的ですが、国内の様々な制度や規制をEUの制度・法制に適合させるため、急速な変革が進んでいます。
また、この他の中・東欧諸国もEU加盟に関心を有しており、EUと様々な関係強化を図っています。
世界の中のEU
GNPで世界の約3割を占めるEUは、EU拡大とも相俟って、世界経済における重要性を高めています。
EU諸国は、多くの場合、国際機関や国際会議に一致した方針で臨み、様々な分野における多国間の政策決定でますます重要な役割を果たすようになっています。1997年12月の地球温暖化防止京都会議において、日本、米国とともにEUがどういう立場を取るかが注目されたことは記憶に新しいでしょう。
また、ボスニアやアフリカ諸国における難民・避難民支援や、紛争からの復興への支援、選挙支援等では、EUは米国、日本と並ぶ援助国として貢献しています。最近は、カンボディア総選挙の選挙監視支援等、アジアでの取組みも行い、グローバルに活動の場を広げています。
日本と欧州の交流・協力は、長い歴史に根ざすもので、今日に至るまで様々な分野において相互に深いつながりが見られます。我が国の行政・司法等の諸制度や法令、鉄道など社会インフラの多くが、明治時代にドイツやフランス、英国を模範として整備され、今もなおその影響をとどめていることは良く知られています。また、江戸時代末期に欧州にもたらされた我が国の浮世絵などの美術品が、ゴッホを始めとする印象派の画家達やアールヌーボーに影響を与え、19世紀後半から19世紀末にかけての欧州を彩りました。
こうした豊かな歴史のある日欧関係の中で、EUは、1952年に欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)として誕生して以来、加盟国の拡大と統合の進展に伴い、欧州の新たなパートナーとして、多くの分野でより重要な役割を果たしつつあります。
このリーフレットでは、欧州統合の深化と拡大を進めるEUにあって、いわば行政府としての役割を果たす欧州委員会を通じた対話・協力関係を中心に紹介していますが、言うまでもなく、日欧の交流はこれのみに留まらず、EUの各加盟国との間においても深められてきています。「新日英行動計画」(1996年9月)、「21世紀に向けての日仏協力20の措置」(1996年11月)、「日独パートナーシップのための行動計画」(1996年10月)はこうした成果の一例ですが、欧州の各国と、政治、安全保障、軍備管理・軍縮、文化交流等を含む広範な分野において対話・協力が進展しており、地球環境問題や国連改革等への取り組みにおける協力、旧ユーゴー、カンボディア等の地域情勢への対応における緊密な調整や、共同援助実施案件の発掘等を行ってきています。
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