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米EU首脳会議(ヨーテボリ・サミット)の概要
平成13年6月15日
14日(現地時間)、ヨーテボリ(スウェーデン南部)において、米側よりブッシュ大統領、EU側よりパーション瑞(EU議長国)首相、プローディ欧州委員長の参加のもと、ブッシュ政権発足後初めての米EU首脳会議が開催されたところ、概要は次のとおり。なお、欧州理事会(EU首脳会議)の機会を活用して行われた今次サミットでは、14日夕にEU15か国首脳と米大統領の夕食会が開催され、EU15か国と米大統領の親交が深められた。
1.今次会議の焦点
今次首脳会議は、地球温暖化防止のための京都議定書の扱いを最大の焦点として、中東、西バルカン、WTOをはじめとして多くの問題について協議が行われた。
主要問題についての協議の概要は以下の通り。
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京都議定書の取扱い
京都議定書に反対する米国と議定書の批准を追求するEUとの意見対立を解消できないまま終了した。EUは、10年来の国際社会の努力の結果生まれた京都議定書を支持しないという米国の決定に対し批判的であったが、今次会合では、両者は京都議定書とその批准について意見が一致しないことを認めつつも、気候変動に取り組むために、協力することを約束した。
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| (2) |
中東
米とEUは、ミッチェル・レポートに対する完全な支持を表明し、イスラエルとパレスチナに対し、勧告の無条件の実施、暴力行為の終結、信頼醸成措置の実施、及び和平対話の再開を促した。
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| (3) |
西バルカン
米とEUがマケドニアにおける現在の危機に対する政治的解決の促進を引き続き行っていくことを確認し、また同地域の各政権に対し、旧ユーゴ国際刑事裁判所に協力するよう呼びかけている。米は、引き続き西バルカンの平和と安定の確保のために関与し続けることを確認した。
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| (4) |
WTO
ドーハでのWTO閣僚会議での新ラウンドの立ち上げへのコミットメントや、途上国への配慮について表明した。
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2.米EU首脳のコメント
14日午後には、ブッシュ大統領、パーション瑞(EU議長国)首相、プローディ欧州委員長の共同記者会見が行われたところ、各首脳の発言骨子以下のとおり。
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パーション瑞(EU議長国)首相の発言骨子
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気候問題
我々の間には不一致が存在する。京都議定書に関し、サブスタンスについて不一致があることについて一致したといってよいだろう。我々は、不一致につき一致した上で、今後、我々が協力し相互に支援できる立場に戻れるようなプロセスを設けることについて合意した。 |
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| (2) |
ブッシュ大統領の発言骨子
| ● |
経済関連
米EUは貿易額が1.5兆ドルに及ぶなど、世界的にも最も大きな比重を占めている。この米EU間において、バナナ紛争が解決したことは、米EU間での協力が可能であることを示しているし、我々はWTOの新ラウンド立ち上げに関しても協力する。 |
| ● |
気候変動問題
米国は気候変動問題の取り組みにリーダーシップを発揮する。その際に必要な原則は、排出を安定化させること、成果が測定されなければならないこと、科学技術により時間と費用をかけ欧州と協力すること、解決策は柔軟に探ること、気候変動の解決とともに経済が成長できること、市場原理に基づく解決を図ること、解決はグローバルであるべきことである。京都議定書はバランスが取れていない。途上国を含めておらず、目標も非現実的である。しかし、我々(米国)は協力しないと言うのではなく、これからも協力していく。 |
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| (3) |
プローディ欧州委員長の発言骨子
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WTO新ラウンド立ち上げ
包括的なラウンドに向けての共通のアプローチを取ることに合意した。 |
| ● |
気候変動問題
京都議定書に対する意見の相違はあるが、研究に共に取り組んで行くことを確認した。 |
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3.米EU共同声明の概要
米EU首脳会議を受けて、米EU共同声明が発出されたところ、右概要以下のとおり。
| (1) |
大西洋間の結束強化
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経済問題における意見の不一致を解決するためには、提訴によってではなく協議によることが望ましい旨合意する。また、未解決の貿易問題をより迅速に効果的に解決するよう努力することにコミットする。 |
| ● |
WTO紛争解決機関の勧告に従うとの固い決心を再確認する。 |
| ● |
米国は、EUが軍事作戦を含めて危機管理能力を発展させる努力をしていることを歓迎する。 |
| ● |
大西洋間の市民社会の対話の発展は、米EU関係のユニークな面の一つであるが、両市民の距離を縮める対話である大西洋間立法者対話を強化する努力を促進する。 |
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| (2) |
全世界の平和と繁栄のための働きかけ
| ● |
シェルムエルシェイク事実究明委員会の報告を歓迎し支持する。また、両当事国に対し、委員会報告書の勧告を全面的に実施するよう要求する。さらに、国連決議242、338及び「領土と平和の交換」原則に基づく解決以外には、いかなる代替案も見出さない。 |
| ● |
ボスニア・ヘルツェゴビナにおいて、全当事者が、恒久的平和構築のための鍵であるデイトン合意の完全なる実施を積極的に押し進めることを要請する。 |
| ● |
コソヴォの人々に、暴力を排斥し、過激派の孤立化を図るよう要求する。 |
| ● |
マケドニアにおいては、現在の危機に対し政治的解決に向けた努力を続行する。 |
| ● |
南東欧安定協定に対する支持を再確認する。同地域における全政府に対し、旧ユーゴ国際刑事裁判所への協力を要請する。 |
| ● |
金大中大統領による朝鮮半島の平和と和解のための政策を全面的に支持する。南北朝鮮間の対話と協力、核不拡散及び人権は、北朝鮮との関係を発展させるために重要な課題であり続けることに合意する。 |
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ロシアが民主的で自由な市場をもつ国家に完全に移行することが、環大西洋コミュニティー及び全世界にとって重要であることを強調する。 |
| ● |
ロシア政府が、チェチェン紛争の政治的解決を積極的に追求するよう要請する。 |
| ● |
ウクライナが環大西洋コミュニティーと深い絆をもつことを強く支持するが、民主化及び自由市場への改革に影響を与える国内情勢を懸念する。 |
| ● |
地域安定化が共通の関心事である南コーカサスについての政治対話を押し進めていく。ナゴルノ・カラバフにおける紛争の全当事者に対し、相互妥協に基づく平和的解決策追求のための努力を継続することを要求する。 |
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| (3) |
我々のグローバルな責任と約束の再確認
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ドーハでのWTO閣僚会議において多国間貿易交渉の野心的な新ラウンドを立ち上げることにコミットしている。 |
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世界の貿易を一層自由化し、WTOルールを明確化、強化、拡充し、それにより経済成長を促進し、グローバリゼーションの課題に対応する貿易体制を作り出すような新ラウンドを求める。 |
| ● |
途上国に対し、その能力を増強するための技術的支援を強化・改善し、その結果途上国が、WTOの合意を実施し又貿易システムにより完全に統合されるよう助力する。 |
| ● |
WTO紛争処理メカニズムが、多国間貿易体制の安定性と予見可能性を与える中心的要素であることを想起し、EUと米はメカニズムの改善のため建設的に作業することを約束した。 |
| ● |
特にアフリカにおいてHIV/AIDs、マラリア、結核等の疾病に立ち向かう統合的かつ広範なアプローチの必要性について合意した。 |
| ● |
これらの疾病と戦うための国際的な基金の創設を支持するとともに、これらの災厄に対する効果的な国際的対応である国連HIV/AIDs特別総会等の今後開催される会合の成功を確実にするよう協力する。 |
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医薬品産業及び被害を被っている諸国と協働し、医学的に効果のある形での、医薬品の可能な限り広範な供給を促進する。 |
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個人の庇護請求権の尊重は我々の社会の重要な民主的価値である。人権への共通のコミットメント、現存の国際的合意及び国連高等難民事務所への支援に基づく、広範で統合された難民・移民問題へのアプローチを強調する。 |
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国際犯罪と戦うための共通問題に対応するための行動を相互に強化する必要性を強調する。 |
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京都議定書とその批准について意見は一致しない(disagree)が、気候変動に取り組むために全ての関係するフォーラムにおいて共に作業することを決意し、ボンでのCOP6再開会合に建設的に参加する。 |
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未来を見つめて
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今後数年間にわたる協力のための以下の戦略的課題(即時の優先事項)を選択した。
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安全保障への挑戦:紛争予防及び危機管理、テロリズムとの戦い、不拡散の促進。 |
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成長及び多国間貿易システムの促進:新ラウンドの対象分野に関する合意の達成、 |
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ドーハでのWTO閣僚会議の準備段階での合意に向けての支援を得るための協働。 |
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犯罪対策:人身売買、麻薬及びサイバー犯罪との戦いにおける協力。 |
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環境保護:気候変動に対する効果的対策の促進。 |
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発展途上国における貧困対策:HIV・エイズ、マラリア及び結核などの感染症との戦い。 |
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デジタル経済を発展させ、その利益を全ての人々に裨益させることは、向こう数年間 の戦略的課題となるだろう。 |
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